いつまで序文が続くんでしょう…
さて、コンクリート壁のヤバさとその対応策の話をしました。次に天井です。
天井は位置的には影響が最も大きいです。面積が大きく、壁同士の二面の距離が短く、ツイーターが近く(Dynaudioの初期のスピーカー?知らんなあ)相対的に部屋が大きい程影響力は大きくなります。寸法比のモードを無視しても影響力は大きい。
しかも影響力が大きい割に、対策が最も難しいですな。重いもの吊り上げられないですし。
やはり決定版かつ圧倒的に外れないのはQRD SKYLINEでしょうな。余程ライブな部屋なら別ですが
対策は『吸うか拡散するか』ですが天井は拡散が良い。理由をガチると大変な分量になるので相当省力すると
1.アンビエントは天井から降って悪影響がなく、逆に立体感に繋がる。
2.球面状の全拡散は『論理的には』優れているように見えますが、これを垂直の壁に貼ると実はモジュレーション(ゴーストみたいな)を起こして定位と音場が全く整合性が取れなくなる。天井に貼る分には人間の耳は鉛直方向にはウルトラ鈍感なので問題ない。
こういう事やると奥行きや音場が壊滅して凄い事に。位相が異様で2秒で死んだ経験ある。Studio関係も怪しい連中がいることがわかる。まあオーディオの比ではないが。
3.上でアンビエント稼げれば横が比較的吸音の自由が効く。ルームチューニングはデッドに行きがちなのでこれは大きい。なおめちゃくちゃライブな部屋なら吸音もあり。
あとvicousticはそもそもQRD様と経験的にも技術的にも似ても似つかぬ物です。何処に何をどうして置くべきか?と吸音率と周波数のグラフはほとんど関係なく、そんなもので判断出来るなら苦労はしません。
熱い志のコンサートホールの設計士と凄いバイオリニストと食事した時に設計図面を見せてもらい色々話をしました(シューボックス型だった)
素晴らしく美しい設計でしたが、楽友協会大ホールの話になりました(シューボックスかつ世界一のホールと名高い)
我輩『シューボックスというだけで良くなるなら苦労はしません。しかし彼処はそんなに拡散する音響的な機構はありませんでしょう?』モグモグ『しかし実際に行くと現代では不可能な程細かい彫像、彫刻が掘られている。つまり一定の機構ではなく、ランダムかつ細かい造作が故に反射音も細かくなる。材質や造作の細かさで反射音の質はまるで変わりますよね』ムシャリ
というと『え、そうなのですか?』
我輩『木材の質や布の素材など叩いた時や擦った時の音がそのまま反射します。コンサートホールの設計には恐らく蓄積されてないのでは?』ムシャアアアア
設計士『初めて聴いた概念です』
我輩『材質以上に拡散は細かくランダムな造作で行くと美しいです。』(diffuserとdiffractalの違いでわかりやすいかな。あとANKHとかより棒が細いシリーズのほうが癖がないとか。)
まあ、そんなもんよね。昔ほどコストかけられないし。やはりウィーンの古い城や建物の内部の造作は凄まじく細かく、現代の高級ホテルなどでは幾ら金をかけても到底不可能な物ばかりだった。手彫りの彫刻で埋め尽くされており、今では到底コスト的には出来ません。
studio設計やコンサートホール設計の知識に加えて『血の滲む試行錯誤と達人芸』を上乗せして初めて『音の無い部屋』が完成しますな。壁の存在もなく、何かの材質の音もない部屋が理想です。
そこへ行くとvicousticのSKYLINEもどきは塗装が無いが故にアンビエント成分を細かく振り撒く事がなく少し吸音の癖を感じます。まあはるか昔『ロビン企画が売っていた偽SKYLINE』よりは遥かに物はいいと思いますが(知ってる?)
というわけで可能ならSKYLINEを買いましょう。不可能なら硬質な塗装とかどうなんだろうねえ?
“ルームチューニング序文3コンサートホール編” への1件のコメント
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