とても大事な概念です、残響時間のシェイプ
大事すぎて長くなりました
大事なことは残響時間の長短ではないのです。例えばライブが良い、デッドは良くないと言うのは『絶対に間違いです』
ではヘッドホンの音は悪いですか?残響無いですけど。はい論破。
残響の絶対的長さ以上に残響のf特(シェイプ)の方がほとんどの人間が決定的に音の傾向と性格を感じるでしょう
そもそも残響時間で語れるのならコンサートホールなんてどこも音は簡単に良くなります、どこでもGroßer Musikvereinssaalです。
全体の残響時間の設定は部屋の大きさと『何を求めるか』で落とし処があり勝手に決まります
例えば『部屋が狭くて壁との距離が取れないの!ハース効果※や壁の音が乗っちゃうのぉぉぉぉ!!』という時はある程度上手い吸音処理が必要になります
※ハース効果とは簡単にいうと発音されてすぐに反射されると定位が持ってかれる。ステレオ再生的には「死」である。
(なおここでショップに騙されてさあ拡散だ!と棒を使いまくると反射による不快な付帯音で死にます)
それを前提にシェイプを整えると全体はやはり短めに誂えることとなります
逆に大きい部屋は近接効果などの心配が無いので吸う必要は少なく、むしろ拡散は役に立つでしょう。(ここで棒も本懐を遂げて成仏である)
とにかく色々なルームチューニング材を色々な場所にためつすがめつ置いてシェイプをバランス良く調えましょう。
ちなみにピーク時はシルヴァン×4,ANKH×3,コーナーANKH×2,ミニANKH×2を持っていたので良いところも悪いところも知り尽くしている。万能、脳死で置けば良くなるなどとんでもない。むしろかなり使いにくい方である。
さらに単位面積あたり世界一所有しているQRD digi wave(18枚)は中身のグラスウールが高音を吸いすぎかなり微妙。BADのほうがいい。しかしこの構造は実に素晴らしいので全て分解してシルクに詰め替えた。あにはからんや劇的に良くなった。分解(バラシ)屋ジョネスの本領発揮である。
digiwaveのデッドさを知るKANATA氏もこれだけあってデッドでないことに驚いていたがさもありなん。
なおスピーカーの近くには吸音系の物を置くべきです。ハース効果は当然としてエネルギーが減衰していないので反射による音が乗り癖となります。さらに発音と反射の音が時間的に近いと「残響」ではなく「発音元の音の変容」とヒトは感じるのでよろしくない。
良く一次反射面になる所などに棒置いてる画像を見ますが、あたおかです
広い部屋なら壁が遠いのでそこも心配なく、拡散材もバンバン置いて悪影響は少ないのですな。
狭い部屋だと特にスピーカーの指向性に影響を受ける部分なので「完全攻略法」はありませんが「超悪手」は沢山あるわけです。
音響のシェイプ的にもスピーカーを変えたらルームチューニングをやり直さないといけません。音響パワー※に近い概念ですが、例えばB&Wは高音の指向性がやたら広い=でも音圧はフラット=高音の総放出量が多いので吸音多めでないと同じシェイプが保てません。
魔界はスピーカーを変える度ルームチューニングをめちゃくちゃ修正します。
※音響パワーとは、単位時間あたりに音源が放射した空気中の音響エネルギーの総量です。一方音圧は、音源が放射した音のエネルギーが、その場の音響環境の影響を受けて測定された物理量です。音響パワーは原因、音圧は環境の影響を受けた結果といえます。
“ルームチューニング2 シェイプ編” への1件のコメント
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