音の構造/懐石料理店のプロデュースその後


というような事をやりましたが、この件の発起人である音楽家様から感想が届きました

『先日ようやくあの時以来のしうがに行けたのですが、ちょっと頭がバグるくらい音が凄かったです。鼓膜をスルーして脳内にぬるっと音が忍び込んでくるような。澄み渡りつつどこか官能的という相反するはずの表現が同居しているような。流石のグルマンさんワークでした。』

高い御評価ありがとうございます

低予算の条件でしたが何故このような成果を上げられたのか?音の構造…正確には音をヒトがどのように捉えるのかを上手く使ってます

構造というのは『此処がこうなら人間はこう聴こえる』という仕組みです。

『人間が自然と感じる』『脳に補正がいらない』音が是と考えますが、無論それが保たれつつ『高次元の性能』があればなお良いでしょう。ただそれは難しい事です。悪魔的オーディオを造られねばなりません。しかし自然さだけなら物量がなくとも作れます。かつ『本当に自然』なら性能の高低は比較的どうでも良くなります。…楽器次第ですが。

例えば今回はKEF LSX2を使用していますが低音はかなり高い所からバスレフだよりです。仕方ないね。そしてあの同軸ユニットが白眉でとても素性が良い神憑りのユニットなのですが、それは弱点でもあります。


『性能が高いオーディオで自然さとはかけはなれてる』とか物凄く良くありますよね?

何故かと言うと性能が高いから不自然なのではなく『性能を高く感じさせるために色々と作為的に付加しているから不自然』なわけです。

裏を返せば素性が良く何も足さないけれど何か不足している…今回の場合低音の収束速度なりなんなりなわけですが、そう言う場合『ただ不足している音』としか感じません。具体的にはゴムゴムしたサウンドですな。『耳に付く』とは違う路線で不自然極まりなく、不快です。

とは言うものの根元的に解決する為には低音をカットしてサブウーファーが必要になります。(KEFは無論理解しているのでそういう機能を付けている)が、今回は出来ない。ではどうするか?

毒をわずかに足します。

慎重にインシュを調整するグルマン

具体的には高調波を付け足すのです。高調波は低音の輪郭を付けてこの問題を緩和します。具体的には石英や良い金属スパイクを癖が出ないようにそれぞれ1ヵ所ずつに使いました。カウンターで電源も小細工しています。これらのアクセサリーが好まれる(こともある)のは部屋の超低音の収束が大抵は遅いからです。AVAAを複数使わない限り必ず超低音の収束は遅くなります。それを高音の拡散やこう言うインシュで相殺しバランスが取れるのです。ただこのやり方は恐ろしく難しいです。100%致死量と有効用量の差がほぼない物質みたいな。それをヒトは『毒』というわけです。

というように高難易度かつ姑息的なやり方なので買えるものなら普通にAVAAをお買い求めください。

しかし結果的に大変自然で脳の補正無く実にストレスなく音楽だけが聴けるようになりました。性能の低さもまるで感じません。アコースティックなベースとか以外は…。でも熟練のオーディオファイルや音楽家ほど『仰天』する音だと思います。四谷三丁目 しうが、スパイスと火入れが凄いというおよそ懐石料理を褒める時に出てくるようなワードではないんですが掛け値なしに天才的でかつリーズナブルで引き出しと懐の広いお店です。


でも振動による高調波の付加は化学調味料のようなもので予算が潤沢かつ種々の制限なくかつ技量があらば害多くして益は少ないです。

化学調味料の最大の問題は『化学調味料とすぐわかるほど画一的な味が付加されること』にあります。まるで大半の京都の漬物屋のやうに

これをオーディオに例えると『一聴してどこそこのインシュとわかる特徴的なサウンドですね!』とか最悪でしょう?

ただ裏を返せば制限が多く条件が悪い時にごく僅かに使うならば値千金の威力を発揮することがあるんです、というお話でした。



“音の構造/懐石料理店のプロデュースその後” への4件のフィードバック

  1. 記事で引用されている「https://audio-monster.com/wp-admin/post.php?post=2616&action=edit」ですが,ログインが必要な編集頁でした。

    引用しようとしたURLは「https://audio-monster.com/?p=2616」かと思いますので,ご確認下さい。

  2. サブも付け足しも面白いかもね~。
    無論、スピーカー入力ならパンチの効いたサウンドになりますしね~。😅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です