割烹料理店の音を詰めた


KEF LSX2の続きです

四谷三丁目のしうがさん

新進気鋭の料理人で、和食で居て恐ろしくスパイス遣いが上手い。大変非凡な素晴らしい店です。音以外は。

なので音もそれに見合った非凡な物になるようがんばるぞい

さて、手持ちの様々なインシュレーターを山程や電気系統アクセサリーを持って行きました。全く電源系統が素の状態は久しぶりの勝負なので楽しいです。

取り敢えずスピーカーセッティングなのですが、店内はカウンターのみならず、壁の上に50cm程の隙間はありますが個室が2つ有ったりします。それらの座席全てに『及第点』を与えるという超高難易度クエストです。反響を含めて美しく調和をさせないとそれは叶いません。

幸いLSX2は広がりと反射の癖のなさが恐ろしく際立っており、不可能そうな課題も予想を超えた水準で叶いました。無論角度や位置はミリ単位で調整します。

俯角が必要なのですか、下を向かせる為に使用したインシュレーターはジェフローランドのスパイク。これは三種類分かれますが(知ってた?)最もしっかりした初期を使用しました。上向きに使ってるので固有音や反射も最低限です。

これですな。

次は電源系統です

AITEC λ5.35をLSX2の親機のコンセントに、ルーターなどが刺さっているコンセントに自作並列フィルターを刺しました。特にλ5.35は効きました。”力の焦点”があい、かつクリアになります。 魔界のようにあらゆる手段を徹底的にやった電源に使ったり、あるいは複数使うと簡単にトゥーマッチになって押し付けがましくなったりする物ですが何にもやってない所ならこれはかなり良いのではないでしょうか?

次は温水洗浄トイレに並列型とファインメットコモン・モードチョークを付けたいですね。トイレの冷蔵庫は電気を汚す事にかけてはツートップですから。

さらにWi-Fiルーターのインシュレーターにはかなりの種類をためつすがめつした結果、リプラスの石英(そこそこ良い奴)を使いました。クリアに広がるという路線に関しては強い方ですし、石英で出がちなある種の音もKEF metaの『絶対に嫌な音を出さない素性の良さ』により全く見えませんでした。

え、アルファゲルは使わないのかですって?

元々KEFは歪みは大変少ないのと、後述の理由により普段忌避している石英などによる反射の輪郭が今回は欲しかったのです。それは低音で、さすがにバスレフチューニングの帯域が高いので低音入力次第ではモコモコします。割れ鍋に綴じ蓋と言われればそこまでですが、これが非常に効果的でした。

その場に求められるBESTを尽くす為なら正攻法が最良とは限りません。

さて、最終的な出音ですがpopsを聴く分には飲食店最高峰ではないでしょうか?それはジャズ喫茶すら入れても。全く会話や食事の邪魔をせず、如何なる音楽製作者や演奏家、あるいは我輩の様な外道であってもクリーンで気にならず”スッ”と入って来ます。また躍動感など動的な部分も良いです。ノレる音、という物です。残響のf特も見事です。

弱点は低音です。下が出ないというよりやはりバスレフが高めなので制動が効かず、JAZZなどのベースがボンつきます。対して打ち込みはそこまで気にはなりません。やはり自然界の音、『本物』がある生楽器の方がシビアです。バスレフにティッシュなども詰めましたが背圧による影響が大きくよろしくありません。サブウーファーを付ければローカットされ解決するのでしょう。そのうち提案…ですかね。

かなり廃れて来てますが(海外では全滅に近い)スパイクが使用されているパターンは大型スピーカーを選んだものの部屋の低音の残響のf特を制御出来てないパターンが、部屋とは別の理由で低音のトランジェントが良くないスピーカーの事が多いです。


正直この条件で此処までの音に出来るとは思いませんでした。KEFの新たなテクノロジーは素晴らしい物です。対してLSX2ではなくよりハイエンドラインでは超エンスージアストに対して使いこなしでどこまで行けるのか?は不明です。現時点の我輩の中のインプレッションは『超広範な環境で凄く高い平均値を出せるよね』という物であり、上限値が高いかはさっぱりわからない。普通のスピーカーならそのポテンシャルとパースペクティブは聴けばわかりますがKEFはちょっと過去に類例が無いスピーカーなので。

良い環境で本当の限界値を見てみたいですね、KEF blade metaあたりを。


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