物凄い音の電源ケーブルが出来た


何故最近ヴィンテージワイヤーを買いまくっていたか?それは現代生産のワイヤーを活用してヴィンテージワイヤーを超えたこれ以上無い電源ケーブルを造るためである。(さすれば量産出来るし、みんなも造れる…多分)

そして究極のヴィンテージワイヤーを見つけないと『ヴィンテージワイヤーを超えた』と言えない。悪魔の証明を超える…まさに『悪魔を超えた悪魔』である

なお今回は電源ケーブルのみの話である。InterConnectは『使う箇所』によってかなり良し悪しが異なる。それと信号ケーブルに関してはヴィンテージワイヤー使用メーカーで言えば、例えばTMDや円空オーディオのように『直列並列に切り貼りしまくる』と言う事になる。以前色々やったが確かに上手くやれば癖を相殺できて面白い…のだがこれは地獄なので今回やらない。

そして新造ワイヤーを用いて『音楽性抜群だがニュートラルで相当な高性能』を達成できた。電源ケーブルとしてはもうこれで良いんじゃないだろうか?

ベンチマークはヴィンテージワイヤーはもちろんだが19364とhigh fidelity cablesである。値段全然違うけど。

19364は以前書いたように『完璧の相似形』である。完全…『神のケーブル』があるとするなら、それのミニチュアに近い。まさにアダムである。相当にミニチュアされているのだがあらゆるバランスは完全である。

対するhigh fidelity cablesは『哀しき怪物』である。性能は価格10倍のハイエンドケーブルを一蹴する。磁石の量が多ければ究極の電源装置ともなる。だがシステムの全てにこれを統一し、電源ケーブルも何十本も用い…となると次第に『ヒトではない何か』になっていく。振動の無い完全な世界はどの時代のどんなエンジニア(機器でも音楽制作でも)も想定していない。あと夜逃げした製作者も哀しき怪物である。

今回の目標は『完璧の相似を何とか保ちながらより高性能にすること』であった。ほぼその目標は叶ったと思われる。


レシピはこうだ。

https://soundgeek.nobu-naga.net/acse2.html

これである。

これをhot 4本、cold5本使う。 これも散々書いている『綿二重巻き単線』を複数本数使って表面積を増やし、かつ決してリッツ線のように束ねない、という方式だ。

だがこれを単純に使うとどうしてもダンピングが足りず癖が出る。なので蜜蝋で煮る。蜜蝋は素晴らしい音響特性をもつ。振動に癖がなく、また電気特性も良い。静電気を起きない。

蜜蝋は品質の保証される国産、かつ漂白していない黄色いものが良い。出来るだけ複雑な成分である方が音も癖が出ない。

融点はおよそ60度。鍋で簡単に溶けるし銅や綿にも影響はない温度である。

鍋を傾けながらかけていく。そして垂れていく蝋を切り、キッチンペーパーの上に置いて余分な蝋を吸わせる。

なお鍋に残った蝋はシンクに捨てると詰まり大変なことになる。弱火で温めながらキッチンペーパーなどで拭き取る。

出来たものがコレ。

結構グロい。あと蜜蝋臭い。まあこの臭いは表面積の大きさに因る所が多く、きっと恐らくそのうち消えるはずだ。多分。

ただ見るからに蝋が一様ではない。このランダム性が大切なのである。

プラグは明工社2573とschulterでよろしいかと。なおcoldの5本をschulterの孔に入れるには少し気合いがいる。5.6スケもある。

何故hotとcoldで太さが違うか?オーディオ界でも取り分けニッチなこの界隈では割りと一般的な手法で、そう言うメーカーは海外にもあるのである。

だがもっともっと…それこそ5本位使うと少しは癖が見えるかもしれない。19364は一切見えないのだが、それが故に『完璧の相似形』なのだ。もっと量産するか。一度に造ると蜜蝋臭さに堪えられないのでは?

※追記

全ての線の長さを出来る限り精密に揃えて下さい。両端で強くテープで強く巻き、ザクッと強力なケーブルカッターで切断して長さを揃えます。あと長さは94.5cmの倍数で造りましょう


“物凄い音の電源ケーブルが出来た” への24件のフィードバック

  1. これでかないまるタップ作ったら凄いのでは?
    自分は材料買って明日届くのでオリジナルのかないまるタップを作りますが…。

  2. おお~。
    サウンドパーツ水谷氏から伺ったことがあるのですが、綿巻単線に蜜蝋吸わせたケーブルを大量に売って大儲けした人がいるとか…
    凄い音だったとのことで
    話半分に聞いていたのですが、事実だったんですね…

    久しぶりにやるか~
    という感じになりました。

    • ええ…マジですか
      どうも水谷氏とのバイブレーションが半端ではない
      同じような事を考えるつわものが居るものですね
      いや、これは大儲け出来る音ですよ
      中身見えなくして音だけ聴かせたら余裕で100万位払う人居ると思います
      これはヨーロッパ受けしそうな音です

      • マジっす。
        アンプを制作して貰う際、内部配線をヴィンテージでお願いしようとした時に、エピソードとしてお話しくださいました。話半分に聞いていたのですが…
        今回、今回グルマンさんのブログを拝見して「!」となりました。
        それと、私自身は、知識と経験がとっ散らかっていますが
        見聞きした情報、自分自身の経験、そしてグルマンさんのブログを拝見し、点が線に繋がっていく不思議な体験をしております。
        感謝しかありません!
        ということで、蜜蝋ケーブル作成してみようかなぁ。
        ヴィンテージで最も好みのケーブルは2重綿巻、蝋付け(多分蜜蝋)だったのも背中を後押ししています。

        • 何から何までそっくりですねえ
          ここまでそっくりでなくとも…というくらい
          恐ろしい…
          スピーカーケーブルあたりも論理的には良さそうですが、より高い周波数を出したいのでもう少し細い単線を複数の方がいいのかも知れません

  3. このケーブルの末端部分はどの様に処理しているのでしょうか?
    4(5)本を纏めて半田付けやねじったりしているのでしょうか?

    • airloc→棒端子→schulter か
      まさかのairlocで潰した導体を直schulterか
      で話がだいぶ違いますが、後者なら相当熱い
      しかし相当なギャンブルですね…

  4. 後者想定ですがQED AIRLOC応用の角圧着処理/角柱処理とも)だとschulterの+-は入ってもグラウンドは中央のネジ穴邪魔で難儀はしそうです。
    SC-HR2000で両端16箇所のエアロック加工のバイワイヤSPケーブル作成して貰った時、相当良かったので。
    SAEC/AC-7000で両端Fl-50NCFプラグにアモルメットコアNS/NSTの各1個でもG未結線+-のみ角柱処理でも良かったですね(我が家一番のケーブル)

    • グラウンドはどうも太い線で無くとも、というより今のところ激細線(0.2mmとか)のほうが良かったりしますのでhot coldのエアロックは面白そう。
      エアロックは浪漫ですね…

    • 悪くはなさそうですがやはり『単線』かつ『静電気を発生しない』かつ『それなりに低い誘電率』で『ある程度のダンピング』がほしいのでここは蜜蝋で煮てみましょう

  5. ME2573の13mmの穴に12mm銅線4本とか5本入るはず無いように思うのですが、穴広げたりしているのでしょうか?

    • 試して頂き恐縮です
      なんとか入りました
      少し長めに綿を剥く必要があります
      なので絶縁に前にご紹介したマイクロポアテープを使ってます

  6. こんにちは。以前から購読させていただいています。ゲルや19364など買いました。
    蜜蝋ケーブルも作りました。すごい音ですね!ME2573は5本入りましたけど、4781の方は4本で妥協しました🥲

    すごいレシピをシェアしてくださってありがとうございました。
    更新いつも楽しみにしています😉

  7. 今は在庫切れになっているようですが、Jupiter社の線でもこれは作れますでしょうか?
    外の綿は編まれているようですが…これはどんな違いを生むのでしょうか。

    • jupiterの線は誠に申し上げにくいのですがめちゃくちゃ音が悪いです
      私、音が悪いという言葉はあまり使いませんがこれは本当にダメ。編み込みの綿が全くダンプとして機能してないからか振動の癖が凄いです
      蜜蝋煮にすれば良くはなるでしょうがお勧めしません

      • なるほどですね、教えていただき、ありがとうございます。
        悪いとまで言わせるとは…損をせずに済みました…
        入荷を待つ事にします!

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