この記事は示唆に富むものと自賛する。
マルチスピーカーシステムをやっていらっしゃるベテランオーディオファイルCENYA氏邸に訪問した
マルチシステムの調整と新型オペアンプの是非の判断を御用命下さいました。
システムはウルトラ複雑。見た目はコンパクトだがその内実は魔界のようだ。スピーカーはこう見えてツイーター3つ含むユニットが7つもついている。
まずはこのスピーカーシステムの使用法について決める事とした。後ろについたユニットをどうするか、というお話である。下の選択肢だけではなくドロンコーン使用として制動をかけるか、バスレフを密閉にするか、などの選択は多岐にわたったが結果的には真っ当にパターン②かつバスレフとして使用することがベストだった。
位置関係の違うウーハーが増えた事に依り定在波がキャンセルされたのだろう、驚く程フラットになり下まで伸びる低音になった。デュアルサブウーファーを推奨しているが、少しそれに近いものがある。
ところで質問です。
低音が下まで綺麗に延び上手く繋がると何が起きるでしょう?超低音が見える、とかではないのです。答えは『女性ボーカルや高音域の楽器の音に芯が出て密度が上がる』でした。
サブウーファー遣いには必須の概念です
サブウーファーの調整…音量などもまずはピアノや女性ボーカルの芯で判断します。これはPEQでは出来ない(起きない)現象でサブウーファーの音量の1dBの間に是非があります。低音楽器や特に打ち込みの低音で見ると全くわかりません。低音は高音で観るのです。サブウーファーを超低音の延びや量で決めると音場再現は吹き飛びます。
次にドラムソロを聴いたがキックドラムがボンついている。しかし低音のピークやディップは明らかには感じません。
こう言う時は高音域に事故が起きています。ほとんどの方が超低域が視える事を低音域が延びておるからと勘違いしておられました。(逆に超低音が可視化出来ない事を超低音が延びてないからだとも勘違いしている。)音と聴覚の関係性のメカニズムは直感とは程遠いものです。
逆を低音無理に可視化させるために金属スパイクなどで不自然に高調波を付ける輩も中高年のハイエンダーには多かったですな。
原因の確認の為に弦楽四重奏を聴いて見ると果たして『弦がぬるぬるしている』。アンビエント帯域などは充分出ているので延びが云々というより何か高調波部分でやはり事故が起きている…
このスピーカー、実は左右にアンビエントツイーターがついているのですが、干渉を起こしているのではないかと予想してそれの音量を半分に落として頂きました。すると見事に弦は延びきりつつもアンビエントツイーターの威力で解れた良い音に。
雰囲気とかに逃げない直球の素晴らしい音です。やはり指向性が絞られる事が良いとは全く限らないと強く思いました。
スピーカーセッティング、大事ですね
なお報酬
†聖遺物かないまるハンダ†
ロンギヌスの槍、アーク、聖杯より貴重です
使い途に悩みますが少なくとも一つ『真かないまるタップ』を作成して遺します。不遜ですが我輩がこの神器の正統後継者と言えます。成分分析して量産したい…。
“高音と低音の関係性/聖遺物” への3件のフィードバック
グルマンさん、本日はありがとうございました!
私としてはパターン③が一番であれば「新しいスピーカーの形」が創造出来たことになり、唯一無二のシステムになるぞと激妄想していたのですが、コレが最もダメだという事でした。
う〜んガックリ。。。
確かに違和感を感じていたのですが、面白い音の形になっていたのでもしや!?と期待していた訳ですが、感じていた違和感は正しかったという、至極真っ当な結果だったのでジャッジ出来てスッキリしました。
無指向性に近いウーファー配置が「定在波のディップ」を克服するとは思ってもいなかった事でビックリでした。
更にはサイド設置のアンビエンスツィーターと正面ツィーターとの音量のバランスで高音ばかりか低音のアタック感まで変わるとは恐れ入りました。
違和感を感じる部分を2人であれこれ考えながら変更して検聴を進めた結果、あらゆる事象が整いました。
定位、音像の形と大きさ、空間表現、空気感、音質、産毛を感じるエロさ。。。
整った結果、「極自然体」に近づいて大満足です。
複雑に散らばったパーツを有るべきところに置き直す今回に作業はとてもエキサイティングで楽しかったです。
グルマンさんありがとうございました。
MUSES03とMUSES05の比較ではキャラの違いが明確でしたね。
システムや好みによっては03も全然アリですが、今回のジャッジとしてはMUSES05に変更決定。
『魔王グルマン』を召喚する為にはそれ相応の貢ぎ物が必要であると思い、以前にかないまる先生から頂戴していた『かないはんだ』を差し出しました。笑
と言うのは冗談で、
本当は私の技量ではこの聖遺物を使いこなせないのでグルマンさんが作るかないまるタップにこの竜の目たるハンダを使ってもらい、魂を吹き込んで完全無欠の『真かないまるタップ』を世に残して頂きたかったのです。
かないまる先生との大切な思い出に、ほんのちょっぴりの『かないはんだの欠片』は手元に残しましたよ。
あのあと記憶を頼りに探したのですが、manger ユニットを使ったaudio physics Medeaの研究で『バッフルの悪影響を防ぎステップ応答を良くするにはmangerユニットを左右にも使い0.5ずつの音量にする』
それに近い話なんでしょうね
かなり画期的な音の改善かつ『直球に良い音』になったのでちょっと研究してみたくなりますね…
貴重極まるものをありがとうございました!
グルマンさん、お久しぶりです。
某所でお世話になりましたニッキーです。
ブログ開設してたんですね。
久しぶりに拙宅の音でも聴きに来ませんか?
部屋の『定在波』という音の悪魔を炙り出す
グルマンシャウト‼︎楽しみにしております。