憎いスピーカー2 TAD ME1


憎いスピーカー1がKEF Ls50metaだったので同軸続きですな。

歴代全TAD(ホーン含む)で最も良くできたスピーカーだと思う。音場の出来と繋がりが上位より格段に上。CE1を持ってた我輩が言うのだから間違いない()

当然CE1以上は此れより明確かつ露骨に低音が出るが、低音が出ると思わせている時点で敗北している。もはや低音などと切り離す事が出来ない程完成されている自然さ。

TADのイメージである硬めとか真面目とかつまらないなどとんでもない。軟らかく自然で爽やかである。

実はME1を聴いて感動して、うっかりCE1を買ってしまった。良くできたスピーカーな事は確か。迫力もある。だがオーディオ的である。同軸ユニットのツイーターとミッドの大きさのバランスがME1の方が理に叶っているのでは無かろうか?これはちょっとセッティングで贖える物ではない根元的な差を感じる。

記事を書くに辺り先程stereophileのTADに関するレビュー(とmeasurement)を見たが然もありなん。

スピーカーは同一メーカーであってもヒエラルキーと音質に全く相関はない、況んやメーカーが違えばなおのこと。『オーディオは値段ではない、どれだけ価格が上がろうともやっていける』事を教えてくれるありがたいスピーカー。

KEFよりは遥かに高いが値段度外視で超強力なまぐれ当たりもとい奇蹟のスピーカー。昨今のオーディオを巡る情勢下でこれがこの値段で買えるのもまた奇蹟。あとはサブウーファー2台を見事にセッティングする手腕が求められる。折角奇蹟のバランスなのであるからサブウーファーで崩されないよう。くれぐれもf特などで判断されませんようお願いいたします。


“憎いスピーカー2 TAD ME1” への7件のフィードバック

  1. ME1をフロア化したE1TXの評価はいかがでしょうか?
    サブウーファーのような別筐体ならではのセッティングの自由度は無いですが。

    • 良いと思います。
      つながりと音場は相変わらず良いです。
      何回か聴いた限りセッティングや色々な条件はシビアになっているようですのでME1が色々な意味で楽なのは確かだと思いますが、サブウーファー無しなら低音による高音楽器(間違いではない)のリアリティーは高いと思います

      • ご返答ありがとうございます。
        「セッティングや色々な条件はシビアになっているようです」
        なるほどそうなんですね。

  2. グルマン様、はじめまして。
    経験(と簡単に表現するのは失礼であり不適当なのだろうと存じますが)に裏打ちされた知の凄みを
    グルマン様の文章を読むたびに感じています。

    一人でも気軽に移動、セッティングのできそうなスピーカーを導入しようと考えています。
    本記事を読み、ME1に、そのつながりでCE1TX、CR1TXにも興味を持っています。
    ME1を激賞されている文章の中にCE1以上は……とありますが
    そこにTXもはいっているのかどうか、
    グルマン様のCE1TXとCR1TXへの評価が知りたいです。
    また、サブウーファーを2台使用するのであれば
    ME1やCE1TX、CR1TXのようなブックシェルフ型、スタンドマウント型スピーカーでも
    300立方メートル程度の容積の空間を無理なく心地よく音楽で満たせられるものなのでしょうか。
    教えてください。

    • ご愛読頂きありがとうございます
      無論TXもそれぞれ聴いてます。
      特にCR1TXに関しては大幅にコンストラクションが変わっておりそれは良い方向に行っています。
      元のCR1は…正直最悪な音でした。特にダイナ7Fで聴いたときはなおさらでした。
      一言で言うとキンキンでかつ奥行きや広がりがなく、オンな音です。そこはTXでかなり改善されてました。
      恐らく残響のf特がハイアガリだったのでしょう。実際最上位はバランス取れてました。つまりそれに応じた特殊な部屋かサブウーファーで化ける可能性が極めて高いです。

      さて、話がそれましたが結論、ME1をお勧めします。
      というのもME1の圧倒的な音の良さはユニット間の繋がりが素晴らしいことです。それは間違いなくユニットの大きさの比率から来るものです。指向性からツイーターとミッドレンジの大きさの比率がある程度以下で無いと物理法則的に不具合が起きますが、指向性の問題なのかユニットの可動部の質量の問題か。両方かも知れません。特にCE1に感じます。

      むしろ広い部屋ほど理想的な点音源の良さが引き出されると思います。
      私ならME1にサブウーファーを足すことでしょう。無くてもバランスは素晴らしいですが。

  3. お返事ありがとうございます。
    とても勉強になりました。
    大いに参考にします。
    正直申し上げて同一メーカーにあっては価格は絶対的な基準たりうると思っていました。
    今でもその思い込みから完全に脱却できてはいないと思いますが
    大きな祭典の開会式を観て、
    お金をかけたということはただお金をかけたということであって
    ただそれだけなのかもしれないなと
    価格が認知を歪めていたことに気づきだしたのかもしれません。

    信じることの大切さを感じています。
    信じる対象をきちんと見極めて信じる。
    私はグルマン様を信じます。
    偉そうなことを申し上げたかもしれません。
    これからも読み続けます。
    教えていただきありがとうございます。

    (真夜中のコメントにすぐに対応いただけて、それも丁寧かつ真摯に。
    心から感謝します。ありがとうございます)

    • 値段のヒエラルキーと音質は比例しません
      特にプリアンプが一番比例しないのです
      ついでスピーカー
      プリアンプは極めて困難な神の領域なので人智の及ばぬところがあります。例えばパワーアンプならトランスを大きくする、コンデンサを増やす、高音質の部材をふんだんに使う、とかで良くなりうりますがプリアンプは良くする方法が無いのです。なので高値をつけるべくして増やした物量がかえって悪くさせるなどはザラです。
      スピーカーもそうで、普通はユニットを増やしたり大きくしたり、ですが空気と言う超難敵を相手にすることでかえってマイナスになることはやはりザラです。サブウーファーを激しくお勧めするのはそこにあります。
      巨大な超高額スピーカーを最近冷ややかな目で見ることが多いのですが、正直頭の悪いやり方です。
      逆にサブと別筐体にする超高額スピーカーもちらほら出て来ましたが論理で詰めればそうなります。

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