『初心者向け』とは口が裂けても言えないセッティングが難しいスピーカーである。にもかかわらず初心者ほど突っ込んでいくスピーカーでもある。
そして何故売れているのか?世界的にも売れており、人気なのは間違いない。しかし『オーディオエアプ界隈』で(スゲー事言ったな)絶大な支持を持つスピノラマという指標ではゴミの王でもある。
では何故ヒトを惹き付けうるのか?それを考えると色々な物が見えてくる。
1.初期反射目的
B&Wはクラシックモニターの覇者であるが、コンサートホール設計の学術から色々見えてくる。コンサートホール設計は当然『良いホールの分析』から行われた。だがまだまだ論理は実際に追い付いておらず、ギャンブル極まりない世界だ。正確には『兎に角ヴィンヤードホールを造りたいから理屈を捏ね回すヴィンヤードありきの学術』にしか見えないと言ったら刺されるだろうか?
それはさておきホール設計には『親密感』という変な名前のパラメーターがある。これはまあ有り体に言えば『豊かさ』ですな。そしてこれは『初期反射』からもたらされます。
『初期反射って全殺しすべき悪の何かでは?』
間違ってはないが間違っている。打ち込み等は無くても良いかもしれない。だが生録音…特にクラシックでは初期反射は臨場感となる。そして上手く使えば奥行き感にもなる。初期反射をあまり使わぬ部屋の使い方の良さもそれはそれで明らかにあるが(モニターライク)、使った時の臨場感はそれでは得られぬ素晴らしさがある。なおセッティングの達人が行ったものとする。
ホール録音でのクラシックのモニターはB&Wのシェアが圧倒的な理由はここらにある。裏を返せば軸外特性を躾にしつけられたスピーカーは『広い部屋でニアフィールドリスニングをしている状態』に近い。モニター用途には適しているだろうし、コンシューマー用途にもセッティングには寛容でそれもまた素晴らしい
だがセッティングが難しいから広めな部屋で無い限りあまりお勧めしたくはないのも確か。しかもf特は…なんであんななんだろうね?
これも考えて見た。大切な事はしつこいが『世界で売れている』という事実。正しい論理とは論理からではなく現実から登る姿勢だ。
30度3khz付近が下がるのはまあ初期設計からの呪いだがそれはそれで悪くはないかもしれない。何故ならここは耳障りになる帯域でありわざわざ下げるメーカーは少なくない。ステサン柳沢氏や石井式の石井氏も下げることを推奨していた気がする。
あとは右肩上がりだが、やはり空気感の向上と共に広い部屋や吸音が強めの部屋では補う形になるだろうし、このブログを読んでいるメインストリームであろう『 ガチガチオーディオキ○ゲェ』や『椅子から動かぬエンジニア』ではない『リビングで広いサービスエリアを必要とする善男善女』には必要なのではないだろうか?
それはともかく気になるよね、アンプどこだよ。スピーカーで予算が尽きて脳内で音楽聴いてる可哀想な人間なのだろうか?いや、サイズ的に802よりかなり小さく見えるから模型の可能性がある。闇が深い。