機器などに載せるアクセサリーというものは少なからず存在する。ただ余程で無くては意味がない。何故なら『どんな物質だろうが載せれば音は変わる』ので、特別な設計思想でないと存在価値がない。裏を返せばどんなインシュレーターや木材でもハマる可能性があるわけだ。
大きく分けると載せる意義は以下に分けられる
- 鳴き止め(ダンピング)
- 響きのf特操作
- 振動の方向性コントロール
- etc
これを全てレビューすると我輩は死ぬ。何故なら多すぎるから…ではそれぞれの世界の解説を。なお今回はQuantum Acoustic Audioは入れてない。確かに強烈無比な載せ物アクセサリーもあるが振動的には軽すぎて無に等しい。効能はそのヤバイ塗料にありテーマにそぐわない
1.鳴き止めダンピング属
要は『早く振動を収束してやろう』って考えですな。大抵の筐体は金属だが、余程でないと鳴く。それを殺せば金属的な付帯音は引っ込む。そらそうよね。
問題は『重量物で押さえると大体死ぬ』ってこと。こんな手法は50年前からありました。故金子先生のブチルゴム+銅塊ってのもあったな。
なぜダメなのか?響きのf特の山が低周波に下がるわけですが重量物は振動が余程特別な事をしないと逃げて行きません。ゴールドムンドの研究はそこに注力され、加振機を使って振動減衰を研究し、それが実験的に聴覚に影響が大きい事がわかり、振動減衰に命をかけている(偶数次歪みも奇数次歪みも相関は薄かったらしい)当初は儲けを研究費に充てる気概のあるメーカーだった
そしてtelosシリーズ以降は特に重量物に基板を取り付けたりはしない。軽さは正義なのだ。結果フレームのみのメカニカルグラウンディング、フローティング、軟性素材の時代全盛期である。重量物は時代遅れなのだ。
この振動制御に関して書くだけで本一冊かけてしまうので割愛するが、外壁自体には軟性素材(デルリン)を通してグラグラに固定?しており筐体からは振動を切り離している
1.の理念の具象化は『軽いのに収束がスゴくて周波数的に癖がない素材』が良い、となる。
この考えならαゲルが頂点になる、が『機器の設計者の耳のレベルが高いほど、既に持ち合わせている響きのf特が優れている』為にあまりに収束させるとデッドになり死亡。やるなら慎重に。上手く行けば劇的に良くなる。当方 playback designのDACは慎重にゲルの大きさを変えてFPGAやクロックなどに貼り付けてチューニングしてある。(アンビエント狂KANATA氏も同席の上で再チューニング)
後はローゼンクランツの高額なインシュレーターも有効(異種金属の組み合わせかつバランスが取れた設計)なので余ったら試しても面白い。だがローゼンクランツはこのあと真打ちが出る
2.響きのf特操作
これはどちらかと言えば木材が得意とする世界だろうか
響きのイコライジングである。
どんな環境でも機器の開発者のそれと全てが違う時点で響きのf特のコントロールは不可避なのだ
木材の上に載せても木材を上に載せてもその傾向は載る。なお木材の上に載せると振動の逃げかたに影響があり別の意味で強く特徴を受ける。出来る限り木の成長方向に置くと癖が減り立ち下がりがハイスピードになる。
オススメというのは、ある意味ない。『どの音源に使っても必ず良くなるイコライジング教えてください』ってそんなものあるかーっ!エンジニア要らねえじゃねえかよ、えーっ!
さらに同じカーブのイコライジングを何ヵ所も重ねるのは危険。つまり『使っても同じ木材は1~2ヵ所』がいい。それはラックも同じこと。良い木材を使ってるから脳死で置けるラックなど此の世にない
イコライザーと違って目の前にツマミはなく、何を使えばどんな変化になるのかを伝えるのは難しい。更には同じ木材でも形で振動モードは変わる。『これを使えばバッチリだよ』という奴は信用すべきではない。
とは言え高確率で使い途がある汎用性一番のイコライジングカーブ、本紫檀という怪物を超えた怪物は居る。
これは超極厚本紫檀丸太。例としてPCの24pinに供給しているICATのDCリニア電源をアコリバRMF-1で浮かし、さらにこれを載せて響きと筐体の鳴きとバネ定数を調整している。
音は強力な深みと色彩感と上質なアンビエントと癖の無さとハイスピードさで木材の頂点に居るが口が裂けても勧められない。死ぬほど高い。100cm位の丸太で90万円位かな。
そして無垢材は素晴らしいが奥が深くギャンブル性が高い。
唯一使用している集成材があるのでご紹介
山本音響工芸 QB100
名前の通り10cm角。アサダ桜集成材である。
集成材は響かないが故に木材の『臭み』は少ない。山本音響工芸の良くあるアサダ桜ブロックからは全く想像できないほど音が違う。
このブロックは大きさもあり音にかなり深みがあるし、木材のややもするとボンヤリする所は全く無く密度の高い音。載せる、という記事のコンセプトとそぐわないが結構気に入っている。深みなどが足りない時にこれに1ヵ所何かを載せると良いことがあるかも知れない。
なお集成材といっても組み方で相当音が変わり、これを6個買ったとして1個1個音は結構違う。鈍重で癖の強い物から比較的ハイスピードな物。木材って怖くない?
続く
“載せ物振動制御前編” への1件のコメント
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