かないまる式電源タップ(改)


巨星かないまる先生の遺したページが消失した。偉大なオーディオエンジニアであり、日本より海外でこそ有名な方であった。幸い、我輩はその内容をほとんど覚えており、それを後世に遺すことができる。おそらくバトンの渡し手は我輩しかいない()

よもや斯様な悪魔が勝手に引き継ぐとは思うまい

よって今後かないまるシリーズを時折書くことにしますが、今回は電源タップ。これが一番汎用性があり簡単かつ素晴らしいので是非とも遺したい。癖もなく、好きな音に幾らでも寄せられます。

実にシンプルであります。

1電源ケーブルの片側にプラグをつけ、反対側は何も付けない。メインなので長めにする。例えば189cmにしましょうか

2さらに必要なコンセントの数だけ分岐用の電源ケーブルを短く切る。例えば94.5cmで行きましょうか笑

3メインのケーブルに分岐用のケーブルを強くひねり、ハンダ付けする。ハンダ苦手民は圧着でも良い。(このパートの音の良いハンダ付けのコツは明日)

4分岐用ケーブルの各々にコンセントをつける。コンセントにハンダ付けもよい。テープで絶縁すること。よし、ポアしろ!

終わり

最高音質テープマイクロポ

めちゃくちゃシンプル

しかし海より深い配慮と思考があります

このケーブルは…とくに分岐ケーブルは軟らかくないと行けません。振動を切る必要がありますので。機器やコンセント間を振動が伝わると良くない。かないまる式オリジナルは幹線部分はFケーブルでした。実は悪くありません。

例えば昭和電線のFケーブルは屋内配線として素晴らしい音質です。アコースティックフォーラムのブラインドテストでも強かった…。これが音が悪いならオーディオは終わります。

さらに氏曰く『先輩がSONY試聴室に高純度屋内配線(グル注※恐らくアクロリンク)を鳴り物入りで使ったが音が悪く失敗していた。私が迂回路として用意していた日立電線のFケーブルのほうが遥かに音がよく、これを使用することにした。』『Fケーブルはアースに繋がなくとも三芯を使うべき。使わない導線を這わす事でノイズを吸収し音が静かになる(グル注※これはNBSやMITも使っている技術ですな、さすが)』しかしFケーブルは振動を伝えてしまうので、何処かで切らないと行けません。

我輩もブレーカーからこれで引っ張って19364に移行して振動を切っております。

これがかないまる式です。博覧強記かつ体験主義であった素晴らしいエンジニアでした。


電源ボックス論(ミニ)

かないまる式のように裸コンセントを転がした物に比べて音が良くなる電源のボックスなどほとんどありません。

電源ボックスの振動はシンプルで軽い方が音はいいのです。重い金属の分厚い削り出しは癖がヤバい。重量物で抑えるとか昭和オーディオです。御影石とか鉄粉入りコンクリートとかねえ。

極端な話、金属ボックスがプラスチックに負けるのもザラです。オールージュの比較的安い電源ボックスありますが、あれは大体アクリルです。でも癖がなくて良いんですよ。なんか奈良○氏は電源関連のみ異様に神憑りなんですよね。

ネジがプラスチックな所とか慧眼

逆に高ければ極端に音が良くなるわけではないとも言える。持ってるけど。

チクマも最高峰は良いのですが、価格のヒエラルキーが残酷でコスパが良いというと?(いっそ最初期の7075ボックスが一番コスパが高い)あとあれだけ素晴らしい電源ボックス造れてケーブルは位相が微妙なのがオーディオの難しい所ですな。一つのメーカーに惚れ込んで揃えて良いことはまず無いです。


振動処理のスタイル

敢えて電源から離れます。強力な振動の処理の仕方は大枠2種類、

1.板なしのフレームで振動を一直線に棄てる

ゴールドムンドがこのスタイルの祖でしょうな。アルテサニアラックとか。ふす太鼓振動がなくハイスピードで癖が出にくい。チクマのタップも大枠この部類。ネジにも孔を空け振動伝達の速度を上げています。ゴールドムンドに関しては、その振動哲学を書くだけで記事終わるのでそのうち。

アルテサニアラック

2.柳に風系

玉転がしとかウェルフロートとか磁力浮遊とか色々あります。この方向の世界的な高額製品の流行りは…『ゲル』

振動をアイソレートし、f0をコントロールし早く減衰させる。非常に強力な手法。問題はf0を完全にコントロールするため重量によって弄らないといけない。YGラック、最聖グル・マンのゲル秘術など色々調整が面倒なのが玉に瑕。YGラックはアルミの板の響きと寿命を引き換えにした適度な減衰率のエラストマー(ゲル)によって響きのf特に癖はない名作、だが知り合いは更にwilson インシュレーター…これもゲル!!を併用していた。グル・マンに帰依せよという世界の潮流なのだろうか?

オマケ、高内部損失複合素材

色々ありますな。カーボン系やブラックラビオリ、J1projectなど。古いスタイルですが極端な癖は出にくい。が、根こそぎ歪みを取るとかウルトラハイスピードとか魔法の力はない。


上記はあくまでも『強力な方法』であって、残響のf特を調える為に木材だのなんだのをこれらに組み合わせるなども必要だったりします。

先のかないまる式はどちらかと言えば2に属する『柳に風属』です。フローリングでもカーペットでもごろっと床に転がすのが良いですな。欲をかいて変な素材に載せないこと。

次回、具体的に図解します


“かないまる式電源タップ(改)” への3件のフィードバック

  1. 2.柳に風系のウェルフロートですが比較的簡単に実用的に使える感じですか?
    現在スピーカーに安価なプラwindbell使ってますが似たようなモノでしょうか?

  2. 超絶お忙しいところ本当に恐縮なのですが導入もちょっと考えてる(とは云ってもA4…爆)ので記事楽しみにお待ちしてますね

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です