コンデンサー短評1


前回はグルマン式コモンモードチョークとノーマルモードチョーク(ノーマルは巻くだけなので作り方は割愛)について説明した。これだけでもコモンモードノイズ、あるいはノーマルモードノイズに関してはかなり有効だ(何しろ化物のようなコアなので)

しかし、ここにコンデンサーを付けるとフィルターとしてかなり特性は上がるのだ。

基本的にはコモンチョーク→ノーマルチョーク→コンデンサー→LT3045基板という流れで行きましょう。

コンデンサは最後の一つだけでもいいです

そしてオイルペーパーコンデンサーかいいフィルムコンデンサーを使いましょう。容量は論理的には小さい方が高周波向け、大きいと低周波…なのだがフィルムとかオイル程度の特性なら大きさが正義。

コンデンサーのレビューを厳選して超手短に。ガチると永遠に終わらないので…。あまりにコンデンサーを試しすぎた。しかも海外からの輸入品が大半なのです。

あとオーディオ用途以外の大型フィルムとかは勧めません。恐ろしい程音の差があるよ。

では安い方から

Jantzen standard Z cap

最初に出てきた最安クソコンデンサーと思って馬鹿にしたな?このブランドホルホル野郎が、はーっ!

良いんですよこれが。このメーカーの全てのランクの中で一番良い。まずフラットです。かつかなり地味でキャラクターが少ない。極わずかにウルトラハイがロールオフする、かも?これのランクが上がれば上がるほど銀の音が乗りウルトラハイ…アンビエントは増えますが何だか気に障る音です。

あと大容量の物があるのでこの時点で有利。基本的にはこれで良いのでは?

しかしそんなに制震対策をしてないコンデンサーなのでゲルを貼るのがお勧め。何かで押さえつける必要があります。念のため書きますが、多くのコンデンサーはそのくらいでは癖がなくなりません。なので元々癖のないコンデンサーを使いましょう。

山本音響工藝のように黒檀を削った高精度ケースのなかに充填剤とともに入れた、とかなら或いは。

山本音響工藝社の鬼の執念

さて、次はこれ

milflex kpcu

手にすると驚きます。アナタがエンジニア(音楽じゃなくて機器の)ならば失禁するかもね。あまりにデカイ。0.47μFで下手なフィルムコンデンサーの50μFはある。

しかし実に素晴らしい。高性能かつウルトラナチュラルです。システムを選びません。完成されているのでゲルとか余計な事はしなくていいです。何しろ制震の極みでこのサイズなのですから。天然の蜜蝋や紙などが原料。しかも輸入すると安い。

だが容量が大きいものが無いのが玉に瑕。jantzenの大容量とどちらが良いかは音で決めて下さい…

次はこれ

mundorf mcap supreme silver gold oil

また同等品のmcap classic silver gold oil

mundorfは名前がめちゃめちゃ難しいから気をつけて下さいよ?

mcap supreme EVO silver gold oilは別物ですからね?正確にはsupremeシリーズの後継がsupreme EVOなんですね。しかし音が明らかに派手なんですね。よろしくない。

実際クロスオーバーに金を懸けられる高額スピーカーは軒並みsupremeの方を使ってます。ある程度の規模の高額スピーカーメーカー(アンプも多い)が軒並み使ってる理由は相当に品質が高く、かつmundorfは量産可能なメーカーだから。MartenとかB&Wとか最近のsonusのGuarneri以上とかmagico(Q、Mシリーズのみ)とかYGのアップグレードされた方とか。(我ながら詳しいねえ)

音は高SN、漆黒の背景、深い奥行き、シック。黒い絹のドレスの様だ。高額スピーカーが採用するのはわかる。が、裏を返せば完全ナチュラル指向ではない。ので、これを使ったATX向きフィルター持ってったら某老害ハウスではかなり微妙だった事がある。ナチュラル路線にマン振りしているシステムなのだ。

なので汎用的ではないかもしれない。

次、DUELND

ヨーロッパにて最高評価のメーカーの一つ。デカイし訳のわからん形の物が多い。

音は先程のmilflexと路線は似ているが、少し静かで高性能。一応上位互換と言えるが差は少ない。

TAIKOにもちょっとだけ使われている。高いから原価的には厳しい。向こうでは元々250万円くらいだったし。輸入代理店が実に阿漕であるなあ。

とはいえTAIKOの音はキッチリDUELNDの音がする。あんな感じである。

とまあ色々書きましたがJantzenとmilflexが安牌です。私も多用してます。


一応ちょっと詳しい人向けに

『容量小さいコンデンサなら電解コンデンサと組み合わせればいいじゃん?』

まあATXではやってるんですが大容量の負荷以外ではお勧めしません。まず『反共振』がイヤですな。めちゃめちゃ耳に障ります。ATX→CPUやグラボでは双信SEコンデンサー(魔界レベルのコンデンサー)などを容量を色々違えて使って反共振を防いでます。が、もう売ってないし高いし面倒なので基本的には大容量フィルムコンで良いのでは?と思います。



“コンデンサー短評1” への1件のコメント

  1. これはDCじゃなくAC電源でも有効でしょうか?(ファインメットチョーク→フィルムコン)

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