今回はf特で判断したら死ぬって例ですな。サブウーファーも同じで、ネットで「f特フラットになるようになりました、ドヤア」ってのを見ると「低音ダブついて胸焼けしそうな音なんではないか」と心配になりますな。
例えば大型スピーカーを使ってて何かf特だと50Hzが持ち上がってるとする。音もどうやら低音が良くない。
ヒャッハー、AVAAだ!
有り余る金で2台即買いだぜ!
とやったとしましょう。
一台目オン!おお、低音がスッキリ!でも測定ではあんま変わんねえな…
さあ二台目!唸れAVAA!(卍解)
……
なん…だと?
(チャドの)低音が消えた…
(しかも測定ではあんま変わんない)
となる筈です。
低音の残響時間で測れば短くはなっています。しかし特にライブな部屋だと取り分け測定と聴感が合わない(f特に影響され過ぎて聴感が変に補正されて滅茶苦茶になってたらまた別の話。相当沢山居る。その場合はエンジニアリングで定評のあるヘッドホンで耳を直してください)
さらに当然ですがこの低音の多寡の有り様は全体のエネルギーとの相関でなりたちます。ライブな部屋なり、フラッターなり、斜めの天井などで変な高音の癖があるなりするとAVAA一つで測定値を超えてやりすぎになる事もあります(定在波始末出来てないのに低音足りなくて無事死亡)
さらにそれはスピーカーの高音の放射エネルギーでかなり変わる。前にも書きましたがB&Wとか高音がやたら指向性広いですので軸外を躾けられ切ったKEFなどとは全く違う調整になります。
裏を返せばAVAAにより『多めに吸音出来るのでよりスタジオ、エンジニアリングとしてはツメツメに詰められる』とも言えます。『聴感的にライブでもデッドでもない程よい状態で、かつて音響技術では不可能なほど全体の残響時間を短く出来る』わけです。結果ヘッドホンのような音数と輪郭に頼らぬ可視化を両立出来ます(なおそれがリスニングとして正義とは限らない)
問題です
魔界で間違えて片方のAVAAが知らずに切れていたとします(ちょいちょいある)
そして魔界の住民グルマンは数秒で聴感で気付きます。今日もありましたし、この前Asukaブローカーkasin氏が来たときもありましたね。
さて、どこで気付いたでしょう?
低音が多い?いや、違いますな。
正解は『位相がおかしくなって奥行きや立体感が消える』でした。
サブウーファーの調整の回でも『音量の最後の詰めは奥行き』と言いましたが、それと同じ理屈です