スーパーツイーターの勧め


スーパーツイーター。上手く使えれば物凄く有効だがセッティングが難しい。特に今使ってるスーパーツイーターは割りと楽ではない。

我輩一人では無理だったのだ。友人に「楽器の音の性質と音感は人の限界に近い」男がいる。

やせたかなしいアルパカのような生き物だが絶対音感の精度は53平均律に近いのではないだろうか?チューナーや音叉をも凌駕した厭な生き物だ。

さて、そいつをリスニングポイントに置く。我輩はスピーカーの横に立つ。ハイハットだけ延々と流す。スーパーツイーターを1mm刻みで動かす。正解に近づいたら0.1mm刻み。最後は0.1mm前後に動かしても違和感が有るようで、その間…0.05mmオーダーで満足なされた。

即座に我輩はエポキシパテでスーパーツイーターをめちゃめちゃに固定した。

絶対自分だけでは出来ない

そやつが死んだらお仕舞いだし、KANATA氏をリスニングポジションに置いても奴ならやってのけるかも知れないがやはり突然死ぬかも知れない

地震もへっちゃらである

使ってるのは高調波番長airbow CLT-5

初代から相当に改善した。なんか5でいきなり劇的な改善をして草。ある意味究極のスーパーツイーターで、能率70dbちょっとという地獄のような低さ。「硬くて重い振動板を波動モーションで空気をブッ叩く」事でしか出せない(あとは超高額なホーンツイーターしかない)金属音がそのまま出せるスーパーツイーターだ。波動モーション系はどれも動作が極めて早く、先の「瞬殺!スピーカー列伝」で出てきたMANGERやQuad ESLなどが入る。(ESLは金属音までは行かない)

しかしCLT-5は早すぎて僅かなズレが気にかかるのだ。しかもメインスピーカーvoxativもまた異次元の早さなので飛んでくるボールにボールを当てるような難しさ。

「20khzの周波数の長さは…」とか考えたあなた、まだまだ。位相よりタイムアラインメントは遥かにシビアだ。人の耳は時間軸には敏感なのである。

普通のソフトドームツイーターのスピーカーに対して使うならば遥かに楽である。例えば実家のPMC BB5には適当でOK(適当とは言ってない)

そもそもスーパーツイーターの意義とは何か?

2つある。

1つは上記のように「高調波再現」である。高調波とは楽器の音色そのままである。バイオリンをバイオリン、サックスをサックス足らしめているものである。

最もそれを前提に造られたスーパーツイーターはほとんど無い。murata,CLT,Take-T BAT master位か。圧電素子だがKithitシリーズは振動板が大きく剛性に欠けこの点ではよろしくない。

高調波再現に強いイオンツイーターやダイヤモンドツイーターには不要。イオンツイーター持ってる人がどれ程いるか知らないが、あれは面倒な代物である。 なおベリリウムツイーターあたりまでならかなり有効。

意義のもう1つは高音を伸ばす為にある。

以上…

と言いたいが第3の理由、大層麗しい音になると言うのもありまして。ソフトドームツイーターあたりにつけるとアンビエントが実に細かく上質で麗しくなる。なおそれが可能なツイーターってのはmewon,gemのみ。

なおエアコンの風でベルンベルンになって死ぬ


“スーパーツイーターの勧め” への22件のフィードバック

  1. CLT-7がでていますが、振動版が変わり逸品館曰くかなり変化があったとのことで使用中のCLT-5をアップグレードするべきか悩んでいます。
    なにか情報をお持ちでしたら教えていただけないでしょうか。
    CLT-5は気に入っており変更しなくてもよいような気もしていますが、ここから更に良くなったらというスケベ心も捨てきれず。

    • おお、確かにCLT-5お使いでしたね
      購入者に送られたであろう振動板を交換を薦めるメールは逸品館から来ました。
      そして残念ですが今は情報は乏しいです。
      ちょっと中の人に訊いてみようと思います。
      私はCLT-5の超厳密な位置調整がオーディオの全ての中で最もシビアな戦いでした。二度とやりたくない!と思いエポキシパテで固定してしまいました。なので余程でないと交換する気が起きませんね…

  2. 何か情報が入りましたら是非お願いします。

    記事にあったエポキシパテは健在なのですね。私の方はソフトドームツイーターかつ認知も未熟なので位置+QAA適当調整くらいで済んでいるので借りて自分で試せというのが真っ当そう。
    とはいえ考えると色々面倒で腰が重いなぁというところでボチボチ検討してみます。(スピーカーを替えてみたいなという気持ちもあり)

      • Vienna Acoustics Haydn GSE です。金属系は以前挫折したのですが、評判の良いのを試してみたいなと思っているところです。

        • 掲示板でそのままグルマンで質問してみました…

          おお、ウィンアコは大好きです。定期的に欲しくなる衝動があります。確かにそれとCLT-5は素晴らしい組み合わせでしょう。The musicはまさにそんな設計思想ですね。
          そしてここからのグレードアップは悩ましいですね。ハードならばベリリウムユニット位しかお勧めしやすい物は無いです。ただソフトドーム+CLTに対して失う点も出てくるでしょう。
          サブウーファーの使用も面白そうです。

          • 掲示板への投稿ありがとうございます。ウォッチさせていただきます。

            ベリリウムというとPERLISTENのSシリーズやME1あたりでしょうか。
            失うものと言われてしまうとちょっと腰がひけますね。
            ソフトドーム+CLT路線なら、PERLISTEN RシリーズとかAudio Machina CRM、Dynaudioとか?
            どれもなかなかのお値段だったりで中古の出物があればになってしまいそうです。
            サブウーファーは気になるのですが、リビング環境なので許されるのはせいぜい1台まで。好き勝手な場所で聞く家族のことを考えるとDSPでの遅延も気になりそうで難しいかなと考えています。

          • ME1やPERLISTONそこら辺はハイドンから明確に『良くなった』とお感じになるでしょう。かつ単体でも十分な音です。
            他に出物を確認したもの、或いはありそうな所からだと
            1.dynaudio 完成度は高いです、やはりユニットが良い。confidenceC2あたりの出物があったら最高です
            2.エレクタ アマトール/EXTREMA
            名品と思います。木を鳴らす音ではなくかなり締まった音です。硬質な無垢材なので鳴きません。

            3.taoc FC7000
            大穴ですがこれは素晴らしいです。ユニットが究極的なことと、箱やネットワーク含めた完成度が高い。オクに出ています。
            4.vienna acoustics listz
            明らかな上位互換。オクに居ます。音楽性と性能を両立してます。
            5.Quad ESLシリーズ
            一つの究極的スピーカーです。箱なりのなさとトランジェントは他の方式では到底及ばないです。YGやMAGICOが憧れ目指したもの。問題は修理…なのですがサウンドボックスという店でドイツの現行生産しているパネルで交換してくれます。CLTとの組み合わせはとても良いと聴きます。
            6.MANGER
            音は本当に素晴らしいです。私はこれとQuadがこの世で一番好きなスピーカーです。猛烈なトランジェントと聴感での超低歪みのあり得ないまろやかさを両立してます。問題は耐久性。オーディオカナンが取扱中ですが、日本一のリペア工房かつ『壊れない!』と社長の言質があるので責任持ってくれるはず。只でさえ恐ろしくトランジェントが良いですがこれもCLTとのマッチングは良いです。

            上記は私が欲しいくらいのラインナップです。どれを選んでも後悔はしないでしょう。

          • 色々と具体的にありがとうございます。
            taoc FC7000なんかは全くしらなかたのですがでかくてすごい重い。
            実はME1でももう少し小さくならないものかと思っているくらいでして、金額も50万OK100万NGで間のどこら辺に線を引くか迷い中といったところです。

            ひとまずあげていただいた中ではここら辺が選択肢かなと考えています。

            PERLISTON S4b、R4b
            dynaudio confidence ブックシェルフ
            (confidence3がhifi堂に出ていたらしいですが見逃しました)
            エレクタ アマトール

            もう少し空間とお金があれば興味だけでMANGERとか、安パイそうなlistz(ウォッチに長らく入っています)とかに行きたいところですが。

            あと更にそれてしまいますが、現在アンプにFirstWatt F7を使っているのですが、上記の S4b/R4bやdynaudioなんかは鳴らせそうでしょうか?
            (駄目ならPurifiの安めのに買い替えかなと)

          • なるほど、値段とサイズが大体わかりました。
            そしてファーストワット、良いですね。
            Haydnといい音の嗜好が良いですね。
            F7はシリーズの中でも比較的優等生だと思います。
            駆動力もそんなに低くありません。
            そして予想外に現代的なユニット向けに作られています。古いインピーダンスが高いスピーカーだと低音が出ないのです。
            ただ、例えば山程各所で聴いたconfidence c1が完全に駆動できるかというと微妙です。confidence c1は意外と重いです。
            ただ繋げてみないとわからないことが沢山あります。なので取り敢えずファーストワットで行きましょう。

          • ありがとうございます!ファーストワットでいきます!
            F7ならばそこそこ駆動力もあるらしいし壊れるまで使えると思って買ったのですが心配する日がくるとは思っていなかったです。

            confidence c1、
            S4b/R4b、
            エレクタ アマトール(F7的にはあわない?)
            あたりで考えてみようと思います。

            CTLに戻って質問なのですが、
            S4b vs R4b+CLT
            の場合はどちらに分があるとお考えになりますでしょうか?

          • エレクタアマトールは傑作です。
            3も大変良いですが、初代は最強のソフトドームdynaudio TD330を積んでおり、またフレームをカットしてツイーターを極限にウーファーに近接配置しており何処で聴いてもタイムアラインメントがずれにくいです。
            低音は強めで音は広がりがあり親密です。またアンプを選びにくいですね。
            この中ではc1が一番アンプを選びます。ただ鳴らしきると万能の傑作です。
            甲乙付けがたいですが、それらを差し置いてもPERLISTONは最新設計の強みで素直で使いやすいです。

            CLTは本当に反則級の兵器なのでそれだと後者が有利でしょうね…

          • ひー、凄腕の営業が。

            凄い知識と経験と知恵をお借りできて非常に助かります。
            PERLISTONのセッティングの容易さに惹かれつつも傑作の魅力も抗いがたく、ちょっと設置のシミュレーションもしつつ考えてみます。どれかを買う未来は見えました。

          • ハイファイ堂でエレクタアマトールを買い逃し執着し始めてしまっています。

            気になったので質問させてください。
            エレクタアマトールの前期型、後期型で音の差というものはあるのでしょうか?
            前期型の方がよりエンクロージャにコストがかかっており珍重されているようではありますが、音の差があるのか気になってしまいまして。
            グルマンさんが特にわけて書いていないので、特に差はないと解釈していますがあっていますでしょうか。

          • エレクタアマトールは後はオクでしょうね…
            さて前期後期の違いはエンクロージャの組み方です。前期のほうが手間隙かかってます。ガルネリオマージュもそうですが、エレクタアマトール以降は圧倒的にコストダウンしてます。エンクロージャのボディもローズウッドですから究極の木材です。二度と造られないエンクロージャの材質です。(もう輸出不能)
            音の差はあるにはあるでしょうが、同じ機会にききくらべたわけではないので大きな事は言えません。

          • 何度もしつこくお恥ずかしいのですが質問させてください。

            confidence 3 に対してはどの様な評価をされていますでしょうか?

            confidence c1は流石に奥行きが厳しいと判断し、エレクタアマトール or PERLISTENで模索しているのですが、海外も含めるとconfidence3も出物の可能性もなくはないようですので気になっています。(ユニットの近接具合からエレクタアマトールの方が私の環境には合っている気もしていますが)

          • confidenceの歴代の評価を述べると
            ・初期のconfidence5 渋く暗く重いけど悪くはないです
            ・confidence c1 駆動力は上位機種より何故か必要。硬軟あらゆる音が出せ素晴らしく中庸だがサブウーハー無しだとソースに限界がある。
            ・confidence c2、c4 指向性を非常に珍妙な類を見ない方法でコントロールしており(上下のユニットで音圧は非対称)実は極めて使いやすい。特に致命傷となる天井などからの反射がほとんどない。何故かそこそこのパワーアンプで鳴ってしまう。多分水平への音が広いから。お勧め。
            ・confidence 30
            指向性の魔法はないです。非常に良く出来たスピーカーですが私ならc2かc4を選びたくなります。

          • 音の好みからするとエレクタアマトール初代はドストライクかも知れません。ただ秘めたる可能性はPERLISTONでしょう。

          • ありがとうございます!

            なるほど。confidence c2がお勧めだった理由がわかりました。

            エレクタアマトール or PERLISTENで行きます。

  3. ひー、凄腕の営業が。

    凄い知識と経験と知恵をお借りできて非常に助かります。
    PERLISTONのセッティングの容易さに惹かれつつも傑作の魅力も抗いがたく、ちょっと設置のシミュレーションもしつつ考えてみます。どれかを買う未来は見えました。

  4. CLT-5を一年ほど使っており、先月ぐらいにCLT-7に逸品館でアップグレードしてもらいました。
    結果ですが、大変良かったです。あれで3万円程度なら安いですね。

    CLT-5は私見では、音の密度感が増して、高域の隈取がくっきりするところがあり、楽器がON気味に聞こえるようになるなどの特長がありました。
    バージョンアップしてもらうと、隈取のくっきり感がだいぶ減少して、音が空間に溶けます。溶け込むスピードが速くなったというか。
    感覚としては、よりしなやかで柔らかく、広がりよくなりました。CLT-5のストレートに実在感をあげてくれてたものが、CLT-7になり楽器の音がより空間を漂うようになったというか。自分には自然で心地のいい音に感じられます。
    CLT-5では楽器のアタックについて効果が一番感じられたのが、CLT-7にしてもらってアタックから余韻まで等しく質感が上がる感じで。より細やかな気がします。パネルの違いだけではなく、配線の交換も効いているのではないかと。
    自分はグルマンさんのように、0.1㎜単位での調整なんてしていませんし(できませんし)、そこまでの耳を持っていないので、バージョンアップの効果がわかるか不安でしたが、一聴してわかるレベルでした。これが耳のいい方が聴いても、進化であるならよいのですが‥‥。

    • なんと恐ろしく貴重で喉から手が出る程欲しかったレビューです。ありがとうございます!
      なるほど、かなり的を射た内容なのでその通りなのでしょう…
      超微細なセッティングをまたやる気力が出たらアップグレードしましょう…良さそうですね…

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