高域を救いたい3 デジタル編


ここは大きいです。

デジタル由来の歪みって多くの人が容認できません。多分自然の摂理から離れたものだからでしょう。そしてここがモニタリングでヤバいと『音源を過剰に弄った結果ヤバみが封入されているがどうヤバいのか聞き取れない』のでヤバい音源を世に放って気づかないことになります。超売れてるアーティストで物凄く粗雑な音とかありますが、ミックス環境を見ると凄まじく悲しい物だったりして『そりゃそうなるよなあ』と感じます。誰とは言いませんが。

ただここで強調したいのは『限度ってものはあるが環境の良し悪しは概ね予算ではない』ということです。システム構築、セッティングで理にかなったことをやっているのか?そしてそれ以上に良い音質の作品(の為の環境)を作るという気概があるか?が求められます。そのためには研究と勉強が必要です。例えばそう、このブログです(ニチャア

そして環境ですが、スピーカーは金額ではありません。限度はありますが、値段と音はあまり一致しません。ただデジタルはある程度ヒエラルキーがあるというか『神コスパ』というものはありません。高くてダメな物はあるが安くて超越的な物はないんです。特に録音用のインターフェイスはガレージメーカーとかないですし。デジタルの1点豪華主義は一つの方法と思います。


さて、デジタル由来の問題は何があるのでしょう?

1.PC/ソフト

2.インターフェイス/DAC

3.クロック周り

4.デジタルの電源、ケーブルなど周辺

ここらへんに分けられます。

1はエンジニアだとちょっと大変なんです。というのもMACが主流だから。これなかなか弄れないんですよね。OSもハードも非常に排他的です。昔はMACが音が良いという風評でしたが…事実普通に工夫せず使う分にはそれは事実でしたがもうOS的には音質専念のチューンをすれば追い抜かれてますし、況んやハードを色々出来る以上ハード的には雲泥の差です。新規ならwindowsをお勧めしたいのですが、そうも言っていられないのでMACも研究中です。

MAC bookなら外部電源するとかやりましたよ。凄いリニア電源とか。でもあんまり良くならないんです。内部のDCコンバーターがかなり脚をひっぱってるんじゃないかな、と予想。それはノートPCに総じて言えますが。

手軽でノーリスクでやるならアモルファス系コアを組成別に何種類か内部の電源ケーブルに通してコモン・モードノイズカットですかね。(後日書きます)これは確実に効きます、が内部空間的にmac proじゃないと厳しいでしょう。

windowsは語ると100ページでは収まらないので割愛

次、ソフト関連について

言及するまでもないはずなのですがデジタルで音源を弄ると折り返しノイズや量子ノイズで音が歪みます。無論プラグイン次第でその大小は変わります。当然ボーカルとかにサチュレーター→リバーブのコンボを噛ますとこの影響が大きくなるわけですが、超オーバーサンプリングとかして排除してもそれはそれで演算誤差や良くわからん劣化変質も起きてしまう。高水準の技術でわかってて慎重にやるなら全然良いのですが。

超大物アーティストでもめちゃめちゃ酷いのもあって気になって調べるとめちゃめちゃ安いアクティブと最低限のインターフェイスで『ああ、モニタリング出来てないからこんなことやっちゃうのだな』と納得したり。

アナログ領域の操作による劣化は場合によってはプラスになり得るのですがデジタルであり得ません。わかっててやるのと脳死でやるのではまるで違います。

2.インターフェイス/DAC

これは大切です。特にインターフェイス。だってDDCとDACとADCとついでにマイクプリも兼ねるんです。場合によってはヘッドホンアンプも。

オーディオファイルにはDACの重要性とか語りません。このブログを読んでいる段階なら言うまでもないので。そして本稿ではDAC単体の話は割愛。10ページかかっちゃう。

さてインターフェイスですが、取り敢えずお勧めするのは(安くはないけど)

Burl、dangerous、prism sound(の良い奴)。

prismに関しては前にもorpheusは良いと書きましたが(無論更に上のADA~とか古いけどdreamは良い)現行を新規で買うなら残りの二つも検討すべきです。titan/atlasよりは良いですから。いずれもデジタル臭さとは遠く本質的にとてもニュートラルです。

3.クロック周り

これも10ページでも到底書けないのでさらっと。クロックはデジタルの支配者です。音質的にどうなるかというと…支配者だけあって全てとしか言いようがありません。ピントや奥行き、微小信号は無論の事かなり歪みも変わります。

大抵のインターフェイスはマスタークロック入力(44.1~192khzくらいだろうか)を備えている。『クロックには自信があって外部のは要らない』とか言ってもそんな無敵のクロックなわけがない。なので良いクロックを投入すればそら良くなるわけで。そして多くのマスタークロックは更に10MHzのアトミッククロック入力がある。内部の発振器より良いのを投入すればなお良くなるのである。

つまりガチるとマスタークロックとアトミッククロック2台必要になるという事で気合いと予算が求められる。ただクロックこそ値段と音が一致しない。クロックは概ねスペック通りの音がする。近傍位相ノイズとかですな。ただ何百万するクロックもスペックがカスだったりすることも多く注意が必要である。abendrotとかね。

マスタークロックとしてお勧めはMUTEC。MC3とか。安くて良くできている。なお手練れのオーディオファイルはこれを外部電源化して使う。我輩も似たような事をやっている。こんなんですね。

https://www.shop-jspcaudio.net/smartphone/detail.html?id=000000000256

そしてそこに良く出来たアトミッククロック…これはお勧めはMUTECかサイバーシャフトの二択しかない…を予算に応じてランクを選び選択しよう。他のメーカーはコスパが悪すぎて論外です。なお10MHz接続に使うケーブルは幸運にもサイバーシャフトの数千円のセミリジッドケーブルが最高で、価格帯関係なく…数十万のケーブルでも足元にも及ばない。ありがたいありがたい。

あとwindowsお使いでマザーがasrock、asus、supermicroあたりの方はスペクトラム拡散を切ることをお勧めします。asusはスペクトラム拡散の表示が無いことがありますがBCLK(ベースクロック)をautoから100mhzに固定すると裏技でスペクトラム拡散を切れます。

このスペクトラム拡散はジッターまみれにする毒です。切ることをお勧めします。

4.電源とかその他諸々

デジタル関係…PCとかは特に普通はスイッチング電源だ。オーディオインターフェイスだって大抵はそう。スイッチング電源が音が悪いわけではない。当方も場所によってはリニアよりスイッチングを選択している所も多い。基本的には音質的にハイスピードで付帯音がなくスッキリしている。場所により向き不向きがあります。微小電力でかつ変動が無いクロックとかはリニアが向いてますしね。

ただスイッチングのアキレス腱はノイズをばらまくこと。取りにくく測定も難しいコモン・モードノイズがシステムをグルグルとループして害を成します。

特に電力が大きいPCはコモン・モードノイズをばらまく傾向が多く、PCに関してはコモン・モードノイズフィルターを強くお勧めする所です。アイソレーショントランスも良いケースもあるのですがギャンブルです。癖が出得るからですね。周波数特性的にも電気的共振によるQを強く持った物になり勝ちです。コモン・モードノイズフィルターは小さく安価で済みますし、悪影響は少なくギャンブル性が低いです。

コモン・モードノイズフィルターは書くとこれまた膨大になるのでまた別の機会に…。

何だか別の機会に…が多すぎて宿題が貯まってきました。

次は部屋、電源、セッティング、ケーブルなどです。


“高域を救いたい3 デジタル編” への25件のフィードバック

  1. macmini系列の中身のスイッチング電源部分引っこ抜いて、外部電源化お勧めですね。
    出来れば冷却ファンも取っても良いかも?

    • なるほど、一見複雑に見えましたが12v単一なんですね
      しかもpower supply自体は安価ですね
      買って魔改造してみましょうかね

      • https://home.teradak.com/products/116.html
        とかですね。
        M2世代はまだ買ってないのですが、
        13A超えてくると電源的にそもそも厳しいですね。
        M1世代とかなら爆熱にはならないし液晶無いので、
        画面必要な時以外は繋ぐ必要無いなので。
        単能使用なら2014型ならHDD/SSDコネクター有るので魔改造には最適かと。(処理重いとファン必須)

    • 12V10A未満だと2014型macminiでも起動不可で、
      M1も13A無いと起動しない場合が有ります(テスト済み)
      M2は13Aで大丈夫だとは思うのですが購入してテストしてないので、、。
      基本はM1からは冷却ファン暴走とかは無いですね。

        • リニアですね、個人的には12V13A以上のリニア電源、不勉強ながら知らずです。
          1次リニア→綺麗な2次スイッチの電源構成なら、
          13A以上も行けるとは思います。
          TAIKOの電源基盤とかなら。(入手性に難が有る)

          • なるほど、リニアはスイッチングと比べて同じ電流表示でもはるかに不利ですから
            経験的にリニアで12Aとかならスイッチング6A位のイメージです
            となるとギリギリではなく瞬間電源供給能力、ひいては音質的に20A以上は欲しいですね

  2. Two ultra low noise linear high current power supply moduleと書いてありますので、リニアだと思います。

    カムオーディオのホームページの方が分かりやすくて、機種別に換装する電源キットを選択できるようになっています。M2 Pro はさらに別立てになっていまして、今回M2 proを調達して試したいと考えています。

  3. クリエイターは確かにMACが多いし私もマックですが、
    マスタリングエンジニアは私の知ってる優れたエンジニアは、(ほぼ海外のですが)ほとんどWinですね。クリエイター兼マスタリングエンジニアの人はmacの人もいますが。
    sequoiaとかpyramixとかwinしか対応していないので。
    私もsequoia使いたいのでいずれwinを組むか、
    Macでブートキャンプでwinにするか、タイミングで変えそうです。

    Mac mini
    電源改造気になりますねー

    • 私の知っている日本の凄腕マスタリング専業(のはず)エンジニアもwinでしたね
      今一番ブイブイ言わせてるsequoiaとDSDならこれしかないというpyramixですからwinが流行って欲しい…
      mac miniは必ず魔改造してみます
      mac欲しかったところですし

  4. macmin、
    2014〜intel機=12V10A
    M1=12V12.5A
    M2=12V12.5A(解剖動画より)M1とPSUは同じ?)
    M2pro=12.6V14.7A
    teradacの電源フィルターは2014と、
    M1(intel版も)まで対応で、
    M2以降の、
    特にM2 ProのPSU-基盤間の接続が変更されているのでまだ見たことは無いです。
    https://www.youtube.com/watch?v=AKKwOX-zxWs
    iCAT PWR-L3も12Vは10A許容なので、
    適用はPachankoかN&E audioのカスタムチューンのみです。( DC出力のみ直結は不可、teradacのフィルター使用前提)問い合わせ確認済み)
    次世代はM2→M3ではなく、M4搭載版らしいので。
    ただ、オーディオの演算に、
    12コアCPUと19コアGPU搭載M2 Pro+32Gメモリをどう使うのか?の方が気にはなりますね。

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