高域を救いたい2スピーカー編


これ本当に書きたいことを書くと広辞苑か聖書くらいのボリュームになりそうで、何十回も削って一週間かけております

何故ならオーディオの全てが『うるさい』に詰まってるからであり、我輩が最も永く誰より激しく戦い、時にそれに囚われ、迷走して、ようやく解脱し悟ったライフワークに近いものです。

なので今回は目次レベルですがそれでも散逸したまとまりの無い長文になります

もっと別の切り口で綺麗に書こうとも思ってますが折角なのでこの蛇足気味の駄文を放ちます。飛ばして結構ですの。


序文

歪みとは何か

うるささに於いて悪影響が最も大きいのは歪み系です。周波数特性、という人はまだとても聴覚の真理に至ってません。ただいわゆる純粋な高調波歪みの問題ではありません。測定不可能な瞬間的で複雑な問題です。混変調、相互変調、差音なども持続的なら測定可能でしょうがヒトの聴覚はそんな生易しいものではありません。なので何だかわからない聴感上の歪みの総称を『歪み』と我輩は呼称しています。

かつ良い歪みと悪い歪みがあります。かのハイエンドオーディオメーカーGOLDMUNDは大金を叩いて研究していました。その研究の一つが『ヒトと高調波歪みの関係性』です。結論としては『高調波は奇数も偶数も聴感の評価に悪影響は与えない。振動などの方が圧倒的に悪影響を及ぼす』でした。なので加振機を使って研究し恐ろしいコンストラクションをアンプに与えたのです。

基板を軟質のデルリンでアイソレーションかましつつそのうちの三つは振動的にダミーで、1個だけが柱につながりその柱のみが筐体を貫通する1点メカニカルアースで、筐体の振動は基板に影響を及ぼさず、しかも振動の逆流を防ぐために柱は真鍮→アルミ合金→鋼と硬度を増していく造りです。頭おかしいよ。なるほどハイエンド。


熱が入ってどうでも良いことを書いてしまいました。

つまり測定でありがちな歪み率はうるささの致命的な項目ではない、ということです。ここは真空管を弄れば弄るほどワケわからなくなります。

では本題です。歪みについて簡単に分類、解説をします。


1.スピーカーの歪み

A.ユニット由来

これは概ね測定通りにわかりやすいものです。特にツイーター。

我輩のスピーカーvoxativeは単体では過去最高峰に歪みが強い最低のスピーカーです。これを引き取りに行ったとき、となりにmagico Q3が鎮座するお宅で聴いたのですが、あまりに酷い音で帰宅したくなりました。我輩は普通のヒトの数十倍も歪み感度が高いのに、それでもこれと心中したのは位相と速度が究極だからです。その後とてつもない労苦で聴感的な歪みをほとんど放逐しましたが、人には勧めません。使いこなすにはようやく完成したグルマン真・新影流の全てを継ぐ必要があります。しゃあっ!アイソレーション禁断の二度打ち!

さて、ユニットそのものの歪みは簡単には低減出来ないのですが歪みはその合算が多くなければ良いんです。

ユニット自体が振動に強い振動板、究極はダイヤモンドとかで歪みが少ないならばリジッドにセッティングしても問題はないですし(リジッドは歪みやすい)、歪みが多いもしくは振動に弱いユニットを使うなら各所で徹底的にアイソレーションして振動のフィードバックは殺さねばなりません。振動が箱に移り、ユニットに戻った時に余計悪影響が大きいのです。ADAMがうるさくなりがちな理由もここにあり、あの手のユニットは振動に非常に弱いのです。

我輩ならば振動面を魔改造しますな。それだけでかなり変わるのではないでしょうか?

B.エンクロージャー

箱由来の歪みはその材質と相関はありません。薄い木材でもフルメタルでもダメなケースも良いケースもあります。これは聴けばわかりますし聴かねば見た目ではわかりません。此処があまり良くないと床からのフィードバックに悪影響を受けやすくなるので(歪んだ物に予期せぬ振動を加えるともっと歪む)、基本的にはフローティングが打率は高いと思います。アクティブなら尚更でしょう。

歪み以外にもフローティングの利点としては収束がハイスピードになります。重量で押さえ込むのは余程上手い設計でないと振動が消えにくくなり収束が遅れます。

最新鋭の振動シュミレーションで開発してるハイエンドスピーカーメーカーは概ねフローティングに走ってます、フルメタルエンクロージャーのmagicoも効果な振動シミュレーションソフトの結果フローティングを選びました。なお音の好き嫌いはさておき測定大好きメーカーgenelecも軟質素材でフローティングをやってます。振動もシミュレーションやってるんでしょう。知らんけど。何にせよ時代はフローティングです。

無論フローティングが合わないケースもありますが。harbethとかの箱鳴りをコンピューターシミュレーションで計算して最大限に利用している物だと恐ろしくつまらないゴミに成り果てます。或いはヒアリングで徹底的に詰められつつ箱も強固なハイエンドスピーカーだと合わないケースもあります。


ちなみに割りと、特に大手スタジオで見られる良くない手法が『死ぬほどデッドにする』です。確かに出来の悪いアクティブでも聴きやすくなりますし、一見『音が見える』ようになります。ただそれは紛い物でありだから永らくメジャーレーベルの録音の多くはあの出来なわけです。

過剰に高域を吸音すると空間情報など微小音(微小音は概して超高域)がバッサリ消えます。そうなると音が減り、残った音がクッキリ聴こえます。これはハイエンドケーブルとかでもありがちな手法です。シールドバキバキにして(何なら芯線個別シールドとかね)静電容量を増やし、情報がバッサリ消えた結果音像が周囲が真空になったように際立ち『SNが素晴らしい』とか言うのです。NよりS(周波数特性)が測定上でも減るという。

さて、次は『スピーカー由来以外の歪み』です。


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