トランジェントの要素 収束編


はい、収束になりました。

これは低音になればなるほど収束は困難になる。誰でもわかる感じです。

では何が止まらない原因なんでしょうか?

1.箱が止まらない

2.ユニットが止まらない

3.部屋的に止まらない

大体此処等ですかね。

解決法は…優秀な対向型サブウーファー2台とAVAA(2つあると最高)で終わりです。1億円するスピーカーでも絶対にトランジェント、クリアネスで勝てません。

取り敢えずその説明の前にそれぞれの項目のお話を。

1.箱が止まらない、ですがこれを何とかするためにハイエンドコンシューマースピーカーとかはフルメタルエンクロージャー使ったりするわけですね。かつ密閉とか後面解放とかがいいですね。

その効果は折り紙付きですが(YGとかkrellとか早いもんね)、あまりに無駄が多いです()

と言うのも遥かに賢く何とかする方法など幾らでもあるからです。イノベーションの手前の段階と言えます。

ユニット自体のフローティングとか色々ありますが、機構で行くなら例えばこう

箱につけなけりゃ良いんです。そのままメカニカルグラウンディングされます。ゴールドムンド フルエピローグが近い設計ですがこちらの方が遥かにダイレクトでエグい。箱は軟質素材でフローティングしてユニットと接すれば良いんです。

そんなスピーカー売ってないって?まあwoodwillしか作ってませんね。

では他に簡単な方法があります。低音だけ別の筐体にして別の所に置けば良いじゃないですか。そう、サブウーファーです。メインスピーカーなんて下手にユニット大きくなくて宜しい。遅くなるから。

あと口酸っぱく言ってる『ウーファーユニットを対向させる』ですかね

振動をキャンセルしてるので全くエンクロージャが揺れません。上に表面張力ワイングラスを置いても零れないというデモンストレーションもありました。

有名どころだとKEFはこれを好みます。まあメインスピーカーには最上位のものしか搭載してないけど。サブウーファーは手頃なラインからついてますね。なお物は素晴らしいですが位相コントロール出来ないカスなのでオススメしません。

2.ユニットが止まらない

これは『軽い振動板を』『強力なマグネットで駆動』するのが理想的です。理想は全てに於いて制動が効く励磁型なんですけど。あと箱の形式だと密閉型が背圧で早く止まります。密閉強いな。バックロードホーンもユニットの制動は高いです。

そして大切なのはアンプです。ダンピングファクターとかですな。何しろダンピングって書いてあるもの。ただネックになるのはクロスオーバー。いくらダンピングファクターが高くてもここで脚を引っ張ります。ここはアクティブスピーカーが有利な点ですね

ただ軽い振動板に強力なマグネットって全然低音が出ません。38cm×4とか63cmとか80cmウーファーとかやる必要があります。なのである程度妥協が必要です。少なくとも密閉でクロスオーバー無しで強力なclassDを最短距離で直結するような…そう、サブウーファーです。

3.部屋

これは当たり前ですね。低音は吸音されにくく、減衰しにくく、定在波でいつまでも残ります…

そう、AVAAです。

円安でちょっと高くなってしまいましたがルームアコースティックに2千万払っても勝てません。

ただそれだけでは完全ではありません。

そう、サブウーファーです

白痴のように繰り返してますが

2台使うのです。上手くセッティングすれば互いに異なるモードを励起し、また定在波をキャンセルして収束がべらぼうに早くなります。またどんな神セッティングでも隣の座席に座れば低音はまるで変わってしまいます。デュアルサブだと均一化してどこで聴いても変わりません。リスニングエリアがピンポイントから無限大になるのです。

リビングオーディオで聴く場合もデュアルサブウーファーはうってつけ。だってこの理論を最も展開させたのは映画音響の番人であり教誨師THXですから。全ての席で安定しなければいけないのですね。

じゃあなんでサブウーファー売れないのかって?

海外ではめっちゃ売れてますよ。しかも結構2台売り…デュアルサブが基本になってます。でも日本はサブウーファー後進国なので我が国のオーディオショップには一人も完全にセッティング出来る人などいないのです。

更にはオーディオの熟練者ほど『サブウーファーは良くない』と言います。セッティング技術、論理がアップデートされてないからですね。今のところ日本では一人もサブウーファーを完全なセッティング出来る人を知りません。これは困ります。国産音源音質向上計画の障りとなります。

ですので我輩がサブウーファーセッティングの完全な指南書を書けるよう努力してますが、スピーカーセッティングの完成形『逆相法』みたいに誰でも出来る、までの完成度のメソッドには到底至ってません。変数が多いですし、まだ少し…大分…?達人技を必要とする要素が避けられません。

もうデュアルサブウーファーセッティングの仕事でもするしかないのか?教室を作るか?面倒なので取り敢えず指南書の書きようにもっと知恵を絞ります。依頼があればデュアルサブセッティングやります。


“トランジェントの要素 収束編” への8件のフィードバック

  1. ところでAMPHIONとかグルマンさんはどういった評価でしょうか
    One 15 とか18あたり

    • めちゃくちゃ評価してます
      パッシブでネットワークレスで指向性もコントロールされてておまけに密閉ほど早くはないがバスレフほど遅くもないパッシブラジエーター。
      作った人はアクティブモニターの問題点(というか粗雑さ)を良く知っています。
      卵型のスピーカーとか最近その手のモニターが出始めて来てますね

  2. 更にはオーディオの熟練者ほど『サブウーファーは良くない』と言います。
    つまりさ、特に低域のダイナミックレンジ狭いから量感でごまかしているからね。🤣

    ダイナミックレンジを広げるチューニングやパーツや新たな電源回路が必要になりますね。🤔

    • 私は問題は『セッティングに必要な項目を備えたサブウーファーがほとんど存在しなかった』ことと『それも相まってセッティングメソッドがなかったこと』が大きいと思ってます。何故なら『メーカーで上手く設定されたサブウーファー、オーディオマシーナやYGのアクティブに文句を言う奴は例えダイナミックの化身の菅野氏ですら無く激賛したから』です。

      そしてサブウーファー側の変革として『物凄いダンピングファクターのD級アンプ』と『背面対向型の誕生』でしょうか。そこらへんはまさにダイナミックレンジに直結するお話です。

  3. 対向ウーファーユニット型のSWを2台使う場合、
    斜線位置に前後に位相0と180度で置いた方が良いのか、
    普通に前後に位相0と180度で置いた方が良いのか、
    左右に位相0(か片方180度)で置いた方が良いのか、
    今SW1台しかないので、どの置き方が良いのでしょう?
    上下2段置きは無いとは思いますが。

    • まず位相ですが2台とも同じ、で構いません(さもないと直接音で打ち消してしまう)それで部屋に対する影響はちゃんと打ち消されます
      次に位置ですが、『周波数の論理』だけ考えると対角線です。が、これはオーディオエアプのtooles博士らしい考え方で(凄い言い方)おすすめしません
      理由は1.そもそもコーナーに置くと減衰が遅くなりブーミーに2.タイムアラインメントが合わない
      こうなります
      なのでいつぞやのサブウーファーの記事に書いたように『リスポジ左右の壁に、スピーカーより手前に置く』のが簡便です。私は都合上、右壁に一つリスポジ背後に一つと特異な置き方ですが極まればそのような変則的な置き方もOKです

      ちなみに2台重ねるのは『花火や雷のような物凄い低音』を出したいならアリだとは思います。
      ただやるなら2台配置したあと、追加で2台、とするべきですね。

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