というわけで可能性は感じたので3日くらいバーンインしてみました。まあそんなに変わんないんですけどね。せいぜい絶縁体の電荷が、くらいでしょう。
さて、バーンイン前よりちょっとシックな音になってます。SN感もやや上がりました。それ以外の傾向は全く変わりません。
で、結論からですが王者協和ハーモネット防衛です。バーンイン前の一戦目よりも二戦目の方が明らかですね。井上尚弥vsノニト=ドネアのようだ。多分朝に聴いたので脳がクリアだからですね。
たまに登場する魔界の呪詛の文言に『自然の摂理』というものがあります。幾つかの概念を統合したものですが、一番の骨子は『発音の流れと順序が見えるかどうか』です。
例えば何か叩く楽器ならばまずスティックが当たり、その瞬間のサージ的な高調波が出ます。そして衝撃が叩かれた物に伝播して空気を波動モーションで圧縮し振動として放たれます。さらには叩いた面からボディに振動は移っていくわけです。
そらにそれは時間軸だけでなく空間においても表れます。今のアタックの瞬間の高調波成分は非常に小さい核にあり、そこから後の音はその周りに纏わりつきます。
その様がチャンピオンはありありと手に取るように、誰が聴いても(魔界なら)わかります。そしてパンドウィットはそれが見えない。良く良く聞き取らないと今の多層構造が見えてきません。アタックが一様に玉となる感じでしょうか。ambisonic microphoneで見事に録られたホリーコール(smileとか)ならばその摂理の違いが明らかです
振動の隈取りという脚色の功罪です。それがプラスに働く事もあります。金属スパイクやら御影石やらはそれを極端に使ってクリアに見せかける古い手法の誤魔化しですがパンドウィットはそこは非常にマイルドです。振動とはすなわち位相もモジュレーションで微小信号を塗りつぶすのでこうなります。セッティング巧者なら伝わる表現だと『スピーカーが片方1ミリ満たないくらいずれた感じ』でしょうか。
ただこれもスピーカーセッティングが完全でないと見えませんし、さらにはシステムや部屋などの総合した速度が無いと見えません。
誰が何と言おうが、個人の好みを超えて協和ハーモネットをチャンピオンとしているのはこのモジュレーションの無さが最高だからです。基礎性能、と言えます。
ただそう言う環境は稀です。パンドウィットはそう言う時に(特にデジタル領域での明瞭度が不足しているときに)刺さる可能性は十二分にあります。やはり選択肢として有望であり、誰もが試すべきケーブルです。