コストと音が相関する分野しない分野


明らかに相関するものとしないものがあります。適当にtier分けしてみたぞい。

相関度S

  • DAC

これは残念ながら下剋上があまり無い。ある範囲では存在するが(例えば逢瀬はかなりコスパ高い)それでも全体的にヒエラルキーがある。理由は不明だが、本当に強いDACは嫌でもディスクリートだからと思われます。開発がかなり大変らしいですね。まだエソは(値上げはそれなりだが)あの物量でディスクリートなら良心的と思える。

あとオーディオの進化が止まってる分野と進んでる分野があるが、これは最も進んでいる部類。と思ったけど古の積分形dacとか聴くと怪しいこともある。ただその進化も最近ちょっと停滞気味なので逆に言うと買う価値があるかも

相関度A

・クロック

値段の価値は無いものはあるが(エソとかdcsとかルビジウム系とか)良いものはどうしたって高い。つまりデジタルには金を払うべき。デジタルは金ってハッキリわかんだね。

相関度B

・スピーカー(ユニット)

ユニット限定ならば相関度A以上。普通のツイーターでもフルレンジでもリボンでも音が良いものは高い。ホーンはもっと高い。励磁なんて青天井。ただスピーカーシステムとしては相関度は落ちる。でも特別なユニットでなければエンクロージャーに物量は正義となりやすい分野。ただKefを中心に『最新技術かつクレバーな造り』(kefの高いのだとAce技術とウーハー対向形とか、あと指向性コントロール)にすることにより従来よりも遥かにコスパが良いものも出てきています。あと振動解析のレベルがあがりフローティングが極まってくるとエンクロージャーもそんなに物量が要らなくなります。無論高くて微妙なのは多々あるし安くて素晴らしい物もある。進化は比較的大きい分野だが使い手の技量や部屋などの環境と相まって複雑な綾の曼陀羅を織り成している。南無三。

CDトランスポート

・同じメーカーであるならヒエラルキーは明らか。特にエソ。VRDSが莫大な電力を食いつつノイズも強いので電源が複数必要だったりする。だが音の良いメカが高いとは限らないのとメカ次第ではあまり全体的に物量を要求されないこと(フローティングだと尚更)そしてアナログほどではないが『ユーザーがどう使うか』でかなり変わります。また強いクロックをぶちこむなど魔改造が非常に有効。SPDIFは送り側のクロックが影響力が大きいらしいので当然かな、と。なおあまり進化してない分野でもある。いまだにスイングアームやベルトドライブが(上手く扱えば)一線にありますな。え、CDM-0ですって?まあ…

・デジタルファイルトランスポート

安くて良いものが造れそうな分野だがなかなかない。場所と見た目さえ気にしなけば大量のバッテリーと大規模電源群前提のPCが強いが大抵の環境で赦されない。さらにネットワーク系のケア…クロック含めて考えるともはやそれだけでオーディオセパレートモノラルパワーフルシステム位の規模になりお辛い。市販では音質も良く進化も出来るスマートなTAIKO一択。ただ非常に玉石混淆の分野で価格との相関はそこまで高くはない。蛇足だがトランスポートにもなる国内のPCサプライメーカーのnasとかは情弱向けの狩り場なので近づかないほうがいい。こういうのがあるから相関度が下がるんです。

相関度C

・真空管パワーアンプ

値段が内容に比して説明がつかない珍妙な物が多々あるし、あるいはサウンドパーツのように超異常なコスパの物があるがそれでもトランスや筐体の物量が物を言う。特に直流磁化の飽和問題があるシングルアンプは物量は正義。効率も悪いので電源トランスのサイズも音に大きく影響する。私事だが現在超弩級パワーアンプをしれっと使ってる。

・アナログ系

カートリッジは良いものは高いです。相関度A位与えても良い。ただそれ以外、アームやターンテーブルの相関は無に等しいのでこのランキング。あと現在のアナログ製品はコスパがそれこそ一桁くらい悪い噴飯物も多く尚更混迷を極める分野。saecごときのアームが100万って草。あと現代のLP12もヤバイ。カートリッジも光というゲームチェンジャーが現れたが遊ぶ余地が少ないが玉に瑕。あとこの路線ならデジタルで良いじゃん、となりかねない。

相関度D

トランジスターパワーアンプ

・進化してない分野topかと思われる。回路もレジェンド達が昔開発してからなにも変わらないし、特性に至っては平均的に退化すらしてないだろうか?昔のほうがスペック重視だった。昔のPASSやクレルは(時期やモデルによるけど)ハイエンドスピーカーと組み合わせても古さを感じません。YGとかでも聴いたけどちょっと驚いた。Passはウニが良いですね。でも熱いので電解コンデンサに注意。ファンも多いFMだって設計は1990年位でもうかなり経ってます。30年前ですので老頭児です。

加えてスピーカー次第で要求される特性がまるで変わるのも相関度が低い理由。インピーダンスが低い、バックプレッシャーが強い、ネットワークが重い、能率が低い、とかは瞬間電源供給能力の高いモンスターアンプが必要でしょう。

それと優秀なclass D アンプがゲームチェンジャーになりつつあります。超低インピーダンスに強く、また超低域でも位相変化がない。全体的な特性も(fundamentalとか異常なのを除けば)アナログアンプを上回ります。

ですが音作りという意味ではそのままではまだ原石。何より過去存在しなかった何物かなので、普通のパワーアンプで音作りされている普通のスピーカーでは普通に使うとつまらない音となり勝ち。スピーカー設計者や録音者の予想や配慮と違う部分があるからです。また基板そのものは無味無臭が故にどう扱うかが問われそう。アナログアンプ以上にシステム全体として使い手の創意工夫が求められるのかなと思っています。ただ駆動力と低歪みは大変可能性に溢れています。しかし人間の聴覚並びに録音というものがある種の歪みを避けつつもある種の歪みを必要としており、classDの追究はそこら辺を見直す必要がありそう。

相関度E

・プリアンプ/ボリュームコントロール

これはコンポーネントとしては相関度が最も低いまであります。同じメーカー内ですらヒエラルキー通りではないこともザラ。ヒエラルキー通りはアキュとムンド位では無かろうか?というか『良いプリアンプ』が此の世にほとんど無いんですね。多分0.1%くらいしかない。設計が難しいんです。無論進化は止まってるので往年のレジェンドが造り上げた名高い作品に最新作は良く負けたりします。

物量をかけたことで悪化しているケースも多すぎるのとそれ以前に値段に他の分野以上に根拠がない事も多い。海外は内容に比してわけのわからない詐欺的情弱向けの値づけのもありますが、国産だって有名ハイエンド製品も割りと一山いくらの電子ボリュームです。高くても4000円。新開発のラダー抵抗切替型電子ボリウムは、-100dB以下でも絶対誤差0.1dB以下云々とかいっちゃって4000円。本体価格400万とかでも。エソやTADにアンプを作る技術がないってハッキリわかんだね。あ、書いてしまった。そこら辺はアキュやラックスマンは頑張ってます。特にラックスマンの真空管プリのトランスアッテネーターは凄い思いきったなあ、と。

相関度 F

・ケーブル

まあこれも分野次第で違うんですが。電源ケーブルとかは相関度最低です。インコネも低めでスピーカーケーブルは比較的やや高め。多数の線を上手く配置したり中空円筒構造にするとか面倒なことしないと良い特性及び音にならないのですが、それにはちょっとコストがかかるからですね。同軸デジタルは相関度はかなり高い。理由は不明ですが。例えばコルデル構造(nordostとかの構造ね)同士でも、期待のオヤイデのとかはvalhallaに遠く及ばない…絶縁体がnordostより微妙だからだけではなさそうな印象でした。不思議です。

相関度 z

・インシュレーター及びボード

相関度ゼロです。アジア1振動系アクセサリーを買ったから断言できます。あなたのメーカーの物もきっと買ってますよ。結局根元的な基礎性能が高いものなんてなく、アイソレート系はどこに使うかで最適なパラメーターが変わり万能で最良の物などないし、リジッド系は残響のf特が違うだけで基礎性能に優劣はないんですね。ボールを組み合わせた系統のとか海外で一時期流行りましたが廃れました。微妙だったからです。ラックに関してもアルテサニアとかYGラックとか高くて素晴らしいものはありますが(でもYGだって重量で調整するアイソレート系)うちのラックとか定価同じくらい高いけど音はカスでした。なので載せる物は全てフローティングさせてます。脚もフィニッテエレメンテに換装してあるけどダメ。ほら7Fとかにあったアレですよ。コプラーレっていうやつですね。

これですな。

COPULARE TONBASENBAU


“コストと音が相関する分野しない分野” への12件のフィードバック

  1. トランジスタアンプは結構進化しましたよ。
    出川式電源搭載のエソやアリオンを聞くとね。
    特に、チャンネルセパレーションの飽くなき追求には脱帽。
    但し。電源環境を整えるのが肝ですね。

    球も、チョークコイルの追放が肝になりますね。
    あなたの好きな立ち上がり立ち下がりがより正確になりますよ。😅

    • さすがの有識者ですね
      まあ出川電源をトランスジスタアンプの進化に含めてはいけないのでは、と笑
      ただ良かったです、聴きましたが
      ALLIONは出水の前の時から好きでしたね
      あの駆動は凄い

      チョークとはさすがです
      わかってらっしゃる

      以前ファインメットチョークを良かれと思って二つ繋げたところ、音が死にました。色々やった結果とにかくコンデンサ増やしてチョークを使わない方が良かったです。まあ物凄くインピーダンスの低い巨大チョークならわかりませんが…

  2. 電源ケーブルの事なので記事と関係があるようなないような、なんですけどPS9364製造終了らしいですね。
    グルマン様の絶賛を読んで必要になったら買おうと悠長に構えていたらこんなことになったので急いで3本買いました。
    自分の所にはまだ届いていませんが、評判通りなら優れた音質、優れたバランス、安さ、取り回しの良さを兼ね備えた唯一無二の製品だったのに残念です。

    将来電源ケーブルが必要になったときどうすればよいのか、グルマン様他に音質、安さ、取り回しの良さを兼ね備えたお勧めありますか?

    昔(2022https://x.com/thkeUKKpfIW8Elz/status/1589173107650342912)、SAC-GRANDE1.8を19364と比較して
    値段度外してすべての項目がレベル高い、自然派なら19364、オーディオ派ならSAC-GRANDE1.8
    とまで絶賛しておられたのを覚えておりまして、あれなら値段そこまで高くなく、取り回しもよさそうだから候補に挙がるかなと思いますが、あれ以来、話題に出されないのは、やはり格落ちだったからでしょうか?

    自分で努力しないで申し訳ないのですが、ぜひグルマン様にはPS9364に続く新たなケーブルを発掘してほしく思っております。

    • それなりに売れていたとは思うのですが大きな完実電気の身体に対して利益が上がらなかったのでしょうかね

      SACはケーブル界全体の中では相当良い方だと思います。
      そもそも良いケーブルとは『システムに山程入れても何もおかしくならない』ことで、付帯音などは元より残響のf特がフラットでないと行けません。特に途中に何らかのQ(山とか谷)があってはなりませんし、かつ出来るだけそのフラットが上…可聴帯域を超えてフラットで居て欲しい。
      そして19364(完成品含め)はそこが素晴らしいんです。可聴帯域ギリギリまではフラットに伸びてます。(さらに伸びているのは何故かスタジオで流行り始めてるグルマン式蜜蝋煮ケーブル)
      多くのケーブルは大抵がQがあります。それを乗り越えてきた選ばれしフラット群でもかなりの割合でウルトラハイがティルトして落ちてる事が多いです。
      SACはというと、ちょっと落ちてます。なので多用すると空気感と音数が減るでしょう。
      長所はf特のフラットさとは違う軸での…多くの場合は内部の線の振動特性や絶縁体などで起きる歪みがSACの方がわずかながら少ないです。残響のf特にそのシステムが全く不足してないならピンポイントで活躍することは十分に考えられます。しかし9364の代用とはちょっと違うんですよね…

      パッと考え付くのは3択です
      1.音光堂に造ってもらう
      今音光堂は松下のプラグなのですが、それを明工社のme2573に代えてもらえば最高です
      ただあやふやな記憶ですが端末処理をハンダしてるんですね。それがどうでるか?(悪いとは全く限りません、かないまるタップはハンダで端末処理してます、でないと使えないのです)
      2.荒川さん

      • みじんこの荒川さんならば300%やってくれるはずです
        これなら私が造るのと変わりません。無論9364には劣ることは絶対に無いです
        3.自分で造る
        ニッパーとカッター(ケーブルストリッパーがあればめちゃくちゃはかどりますが)だけで造れます。絶対に誰でも出来ます。簡単なプラモデル素組みより遥かに簡単です。
        あとこれの利点は『カイザー単位で造れること』ですかね。これは魅力的です。

        • 返信ありがとうございます。
          SACについてのコメント、9364の代わりになる製品の案内、すごく助かります。
          今後も困ることがなさそうです。ありがとうございました。

  3. はじめまして。まだ右も左も分からない初心者ですがいつもブログで勉強させていただいています。

    以前よりアッテネーターはセイデンのAT-802をおすすめされていたと思うのですが、現在セイデンのHPが見つからなくなっており(数ヶ月前まではあったのですが…見落としているだけならすみません)サッと調べた限りだと在庫も見当たりませんでした。

    そこで代わりになりそうな製品を探していたところFIDELIXのTruPhaseという製品を見つけたのですが、もしご存知であればグルマンさんの印象や評価を聞かせていただきたいです。
    今はN-05XDのボリューム(この記事によると結構アレなやつ…笑)をそのまま使用しているのですが、現状と比較してある程度良くなる見込みがありそうなら購入を検討しようと思います。

    • 御愛読頂きありがとうございます
      なるほど、とうとう消えましたか…

      さてtruphaseですが、かなり良く出来ていると思いますり値段からしたら凄い出来です。
      音はスッキリハイスピードで癖の無いパッシブアッテネーターで、ポンおきで既に問題がない出来です。
      古いオケとかでない限り位相切り替えは使いませんがそれ関係なく良くできています。実装が上手いのですね。
      使用する抵抗が最高とは言えませんが、市販でそんな凄いものは存在しないですし大いにありかと思います。
      esotericのボリュームからなら圧倒的に良い筈です。

      • ありがとうございます。
        グルマンさんからこれほど高評価を頂けるのなら購入を検討なんて悠長なことを言ってないで可能な限り早く購入しようと思います。貧乏オーディオの民なのでこれで許されるのは本当に助かります…

  4. こんばんは。

    イシノラボ トランス式パッシブプリアンプ MASTERS CA-777Gシリーズ

    という約10万円で購入できるスーパーパーマロイコアを使用したトランス式アッテネーターがありました。

    また、高いですがMASTERS CA-777G/FM ultimateというファインメットコアを使用した物もありました。

    • すみません。
      MASTERS CA-777G/FM ultimateはすでに販売終了品でした。
      ファインメットコアはMASTERS CA-777BC/FMという型番でありました。

      • ああ、忘れてましたイシノラボ
        物凄い目の付け所の脅威のガレージメーカーですね

        情報ありがとうございます!!

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