書くのを失念していたのですが、あるんですよ。とてつもないコスパのUSBケーブルの作り方が。
まず変哲もないunibrainを用意します。元々の音は『ニュートラル』という意味では素晴らしいのですがやや延びに欠けることと少し歪みが気になる音です。ただ『どんなケーブルやコンポーネントもその音の理由はある』ものです。いかなる物もその理由の蓄積で音が成り立ってます。裏を返すとその理屈と聴感との相関関係がわかってしまうと『現状の上っ面の優劣』はどうでもよくなり『ちょっと足し引きすれば凄くなる構造』とかがわかってきます。
unibrainは構造のベースとしてはとても優れてます。ほとんど全てのオーディオ用ケーブルが敵わない程に。では何故品位と延びに欠けるのか?答えは簡単、外被です。
分解するとわかるのですが、導体に比して分厚くゴムゴムした性質です。これがウルトラハイを吸ってしまうのと、誘電率の問題で品位が下がるわけです。
じゃあ剥いちゃえば良いじゃない?
ただ剥くだけだとちょっと問題がおきます。確かに劇的に音数が増えレンジが広がり開放的で広がりが凄い…のですが位相のモジュレーションを感じます。ようは音像のピントがぼやけるわけです。これも理屈は明らかで『シールド線の制震が足りないから』なんですね。シールド自体の振動は測定上でもかなり影響するようです。磁界の中で金属が動くんだから当然なんですが。
ではどうするか?
テープで1ヵ所を巻きます。それで振動の拍子が崩れ最小の手当てで最大の効果が得られます。最小の手当てというのが大切で、せっかく低くした誘電率を上げたくないですからね。
グラボのライザーカードに使ってる所です。巻くのは2周程度で構いません。多いとまた微妙です。
どこに巻くかで音はかなり変わるので注意が必要です。そら弦のどこを押さえるかで振動モード変わりますよね。
まず音を流しながら指でケーブルを触ります。端から滑らせると音がリアルタイムで変わっていきます。びっくりしますよ?
ちなみにこの手法は偉大なる故かないまる先生がやっていた事のブラッシュアップです。氏は誘電率を考えてテフロンテープを使ってましたがマイクロポアテープの方が振動的に音に癖がありません。そして音の決め方ですが、氏は『低音が一番出るところ』としていましたが我輩は散々やった結果『歪みが一番少なくなる所があり、そこは音場的にも定位的にも正統的であり最も優れている』と思います。
AIM UA3をベースに魔改造したものが最高と思いますが、遜色はあまりありません。コスパではこちらが圧倒的に優れてます。違いは強いていえばウルトラハイの残響のf特がAIMのほうが高く、また結果的に音数が多いです…がシステムの状況でどちらがハマるかは分かれます。テープの位置に関してはスピーカーセッティングが甘いと音場や定位の正統性は判断が困難ですが歪みは確実にわかるはずです。
“コスパ最高のUSBケーブルの作り方” への11件のフィードバック
毎度知恵を授けてくださりまして有難う御座います。
テープで「ケーブルのツボ」をダンプする手法、私も故人のページで拝見しておりました。
これをAIM UA3にも応用したら…?などと考えてしまいますが、それは藪蛇でしたでしょうか。
また、ツボを探すために触れただけで音が変わるということは、空中配線が前提となりますよね…
さらに前提条件として、LANが最低2m必要だったように、USBにも最適なケーブル長というものがありそうですが、尊師はどのようにお考えでしょうか。
素晴らしいご質問です
AIMに関しては、あくまで魔界では(勇気を持って)編組シールドすら取り去っておりホイルも少しほどけおり制震する対象がありません。もしシールドを生かしておくならテープで巻くべきでしょう。
またAIMの線は物凄く細く、また柔らかく振動的に癖がありませんので線はそのままで良いです。
ラックなどに触れててもテープは効果的です
長さですが短ければいいわけではないですね。やはり反射がおきてしまうのでしょう。音的にも20cmとかの必要はありません。難しいラインですが50cm以上あれば確実に問題は音的には起きません。そして1m位までなら悪影響を感じません。
初めまして。
丁度長さの話題が出ているので便乗してお伺いします。
設置場所の都合で2.5m〜3m程度のケーブル長が必要になってしまうのですが、unibrainだとプリンタ用の3.6mとかなり長尺です。
こういう長尺で引き回す場合、それでもUSB使うのが良いのか、DDCなどで同軸とかAES/EBUに変換したほうがマシとかあるのでしょうか?
UA3の3mを調達してきて魔改造…は長いのにシールド取っ払ったらかえって悪くなりそうな気もします。
知見を教えていただけると幸いです。
なるほど、これは深刻な話ですね
まず論理的には長さに弱いのはUSBです。高周波(数百MHz)なので繊細です。ただきちんとインピーダンスが保たれているまともな構造なら多少長くと大丈夫です、が3.6mとなると音質的に危険ですね…ちょうど今録音のためのUSBケーブルが足りず3m近いものを使ってます。今unibrainの物を注文しましたので、届いたら改めて比較してみましょう。なおunibrain魔改造はシールドは生かしてるので大丈夫です。
そしてSPDIFですが数十khz程度でありノイズや反射には強いです。…のですが音の影響力は半端ではない。どうやらクロックを送り出し側のほうを参考にするらしく、それに影響があるSPDIFが影響が大きいのもうなずけます。USBケーブルと別の意味で繊細です
エラーがどうこうという話ならばAESでなくともSPDIFで3メートル程度なら全く問題はありません。エラー云々だとSPDIFは数十m辺りで死にます。AESだと100m以上、最高300mまで行けますがさりとて音はAESが有利とはおもいません。
3mならば私ならSPDIFを選びます。(USB→DDCとかで変換するとかですかね)
長尺unibrainを試してみて頂けるとのことでありがとうございます
検証を楽しみにしておきます。
仮にUSBDDCを導入する場合、SPDIFは送り側のクロックが大事となれば、クロック入力のある機種の方が良いんでしょうかね。
現在、DACにはサイバーシャフトのクロックから10Mを入れてますが、PC側に設置したDDC繋ぐのにBNCケーブルが3m必要になるのでそれはどうなんだという話になってきます。
正弦波なら3mでも平気なんでしょうか。
10Mクロックは怖くて例え正弦波でも矩形波でも長く引き回せません。というのもクロックの精度(もしくは低周波数ノイズ)を常軌を逸して徹底するのがオーディオのクロックです。なので繊細の極みなのです。
なるほど、DACが10M入力なら(つまりDAC側が優秀なら)USBもプライオリティが増しますね…SPDIFはとにかく送り出しがクロックが良くないと行けないので、むしろDDCにこそ10M入力で優秀なクロックを入れたくなります(効果が大きい)
クロックケーブルで長いのはやはりアウトですか。
そして、場合によってはクロックはDACよりDDCを優先したほうが良い場合もあると。
クロックをDACに入れてとても良くなった成功体験があった為、外すという選択肢が抜け落ちておりましたので、勉強になります。
ちなみに現在のDACはエソN-01XD(SEにアプグレ予定)、クロックOP21E、USBは3mが必要になった時にたまたまオクで見かけたトランスペアレントHPUSB10です。以前使ってたUA3 50cmも余ってはいます。
エソのUSBはbulkpet接続できますが、Isochronousモードより好ましいと感じました。
N01XDはとても好きです
基本的にESOTERIC苦手民の私が手の平を返した傑作ですね
クロックは究極レベルで言うことは無論ありません。
非常にクレバーなシステムです
おっしゃる通りで極まると最後は必ずアイソクロノス転送は劣ります。
さて、それだけのクロックをお持ちなら是が非でもDACにもDDCにも分岐して入れたいですね
劇的に良くなる可能性が極めて高いです
あとetherregenは欲しいですね。これに分岐して入れるとそれは凄まじく改善します 入力クロックに対して非常に鋭敏なのです
etherregenは一時検討しましたが、gen2がいつまで経っても出ないのでsnh-10Gを導入しました。
クロック入れたところ確かに向上は見られましたが、ローカルファイル再生が主な為、宝の持ち腐れ気味です。
音質的にはUSB≧RAAT>>>>openhomeと言った印象。
USBにはJCAT USB XEを入れて底上げしてます。
LANは普通のオンボですが光絶縁はしてます。
離れてるPCがどうにも足を引っ張りますね。
DDCにクロック入れられる距離なら多分最初からUSBケーブルの長さで悩まず、DDC入れようとしてませんから(笑)
何故かethernetの光絶縁でそれらに全く信号を通さないローカル再生でもそれらが良くなれば劇的に音が良くなります。例えばクロックを入れるとか。全然理由はわかりませんが…怖いですね
私もUSB伝送が音質的に強いと思います。LANより何故優位なのかはこれも謎です。
なるほど、PCが遠いのですね。これは悩ましい…