認知の歯車1/勇気を出した音楽制作者様


我輩はコメント欄のみならずDMで色々質問が来ます。そして全力投球で懇切丁寧にお答えしています。どんなニッチな質問でも打ち返せるからでもありますが、物凄くマニアックな質問も来ます。最近はやはりlowtherのエンクロージャーでしょうか。そのうちaxiom80とかhartley 224hsのエンクロージャーとかコアな質問が来そう。

千客万来な魔界のオーディオですが、とある愛知県にお住まいの音楽制作者様から『アドバイスが欲しい』と依頼を受けました。『勇気を出してDMしました』と。そら勇気要りますよね、端から見ると敷居が高そう。でも全くそんなことはありません。お気軽にどうぞ。


ちょっと蛇足で冗長なのでこの項目は飛ばして頂いても構いません。

グルマンは音楽制作者の方々に巨大なリスペクトをしています。理由は沢山あります。まず『音楽つくれるって凄いなあ(小並感)』ということ。その才能は我輩にはありません。マスタリングは向いてるかも知れませんが…

あとそもそも『音楽作ってくれる人がいないとオーディオにならない』事です。いわば創造主とすら言える。

しかし一番は『認知の最後のピースはスタジオ巡りで突然に啓示を得た』ことです。その恩恵は図り知れず、その恩を音楽制作畑に返さねばなりません。あと返せばきっと音源の音質が良くなるのでは、という思いもあります。

最後のピースとは…ある種のゲームに例えると諸々の条件を全て満たして使えるようになるジョブ、とかに近いです。全てのジョブをマスターしないと勇者になれない、みたいな。今までオーディオに関して猛烈な経験や勉強をしてきました。あるいはここ数年で他の高度なオーディオファイルに強力に認知を与えられ、あるいは勝手に盗んできました(というか職人芸の世界なので何事も盗めないと得られない。)。ただ、伺った幾つかの特別に良くできたスタジオで『過去持ち得たものとはまるで異質の欠落した部分の認知』を得ました。具体的には民生にはまず見られない『フラットさ』と『真のニュートラル性』、そして『エネルギーバランス』です。無論これは機器だけで成立しません。総合的な物です。

その時全ての歯車がガッシリと噛み合うのを実感しました。

0.99999…が1に到達したのです。また結果として副次的に…鼻につく大仰な言い方しか出来ないのが非常に恐縮ですが『音の要素の完全解析』と『物理的条件と聴感との関わりの理解』も完成しました。勇者専用スキルです。これは今までの膨大な蓄積無しでは得られなかったでしょう。

そして数ヵ月でシステムも原型を留めぬほど変わりました。そんな短期間でまるごと換えてまともな結果にならないのではないか?と思うでしょう。

音の完全解析と聴感と物理的条件の関わりの高次の理解が出来た結果『こういうコンポーネント、こういう構造のケーブル、こういう真空管が目標に必要』と手に取るようにわかります。そして新しく導入したものは(多少弄ったけど)想定通りの見事な結果をだしてくれました。数ヵ月ぶりに来訪した耳年増のDR.SWING氏に『ヤバい』と言わせました。我輩も自分でヤバいと思う。誰よりも回り道をした結果、誰よりも最短距離を選べるようになりました。そしてやる事がなくなってしまいました…最短距離ってそういう事です。


閑話休題、そのアドバイスを求めてこられた方の部屋の写真を見ました。物理的条件と聴感の関わりがわかるとそれだけで『こうすればきっと結果としてこう感じるようになる』と予想がつきます。ただ志の高い音楽制作者って何故か音に対する共通認識がある程度あるのでそれに向かうだけで良いのです。オーディオファイルの方が遥かに嗜好が千差万別です。そして我輩はオーディオファイルにだって無駄なお金を使ってもらいたくないのですが、音楽制作者なら尚更です。無料かつ影響力の大きい部屋の物の配置から始まり(残響の周波数特性をスピーカーの音響エネルギーのバランスを加味して計算しつつ音楽製作の敵、近接効果の抹殺を副作用無く実現させることを目標にした)ほとんど出費をさせない内容で多岐に渡り様々なアドバイスをしました。また中には面倒な内容もあったはずですが驚くほど精力的にやってくださいました。

というありがたいご感想も頂きました。一年前だったらまだ歯車が噛み合ってないのでここまで最短距離で結果を出せなかったでしょう。

血反吐を吐く研鑽の結果の最短の道を無料でお届けするaudio monsterを今後ともよろしくお願いします。


“認知の歯車1/勇気を出した音楽制作者様” への3件のフィードバック

  1. 魔界の写真を拝見すると、大量のケーブルが雑然と置かれているかのように見えますが、何らかのルールやケアが適用されているのではないかと考えています。
    ケーブルの設置におけるコツや注意点などありましたら教えていただくことはできないでしょうか。

    • めちゃくちゃ考えてます
      これを書くのはなかなか大変ですが…
      1.床につくとノイズと歪みの原因になるが、さりとてケーブルインシュレーターで良くなるケースも極めて少ない。腰高になる。何故かというと触れたものの共振周波数が載るからです。軽いケーブルインシュレーターなら軽くなる。ただそれで全体の残響のf特的にバランスが取れればいいのですが。

      2.ではどうするか、ですがケーブルの太さ、重さで変わるので難しいです。ただ基本的な方針は『床になるだけ触らず』『何も触れないならそれに越したことはなく』『触れるなら重い物』ですね。具体的にはコンポーネントのボディやラックは重く、触れても腰高にはなりません。ただそれが出来ないケース…床置きパワーアンプでのスピーカーケーブルとかですね。共振周波数が低めでかつ振動に過度の脚色をしないもの、かつ同じ物を多用するくらいなら混ぜた方が癖と周波数が分散され良い事が多いです。例えば重い木材…紫檀とかのローズウッド系…或いは元々の音質が強いフィンランドバーチ…あとかなり最近良かったのはQAAの分厚く中に銅板が仕込んである積層ブロック…あたりがおすすめです。ゲルも良いんですが、ウルトラハイが削れるので多用は出来ません。high fidelity cablesで大きな磁石付きのはゲル必須ですが。
      4.そして小さくしないことです。これらの木材は…極端な話幹の輪切りそのままつかっても良いくらいです。事実それをやってます。
      5.無論ケーブル同士が触れるとは論外です

      • ありがとうございます!

        『触れるなら重い物』「そして小さくしないこと」に心当たりがあり納得いたいました。
        実は、ケブタフェルトや麻紐とかいけるのでは?と試そうかと考えていたのですが、重いもの+ゲルを混ぜてできるだけ実践してみようと思います。

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