ええ、再開です
理由は『やることがもう何もない』からです。デジタルオーディオとしては此処から良くするためにはMSB Reference dac以上を買わないと行けません。ことPC部分に関しては現在どんな価格の何を持ってこられてもワンパンする自信があります。こんな沢山バッテリー使った製品なんてないですしね。TAIKOのバッテリーもDCDC噛ましてますから相当片手落ち。商業製品の限界です。
さて、その上でテーマは『デジタルで完全になればなるほど遠ざかる何かを嘘で良いから再生すること』です。具体的には重みや太さ、ダイナミックさです。恐らく録音過程で失われた何かをグッドリプロダクションして負荷すること。
そしてそれはベルトドライブでは不可能です。それが幾らの何であろうが。トルクを継続的にかけられないことが恐らくは問題で、それはいかにプラッターが重かろうが原理的な宿命です。ベルトドライブはガレージメーカーでも造るのが大変簡単なので主流なだけですな。そしてベルトドライブの良さももちろん知っています。ただベルトドライブは突き詰めるとCDのようになっていくんですよね。そうなると極まったPCオーディオに全く太刀打ち出来ません。というわけでダイレクトドライブにしてみました。
え、アイドラードライブじゃないのかって?ガラードとか箱でめちゃめちゃ音が変わるので覚悟がないとダメですね。あと特性がちょっと。
そして散々悩んで買ったのがこれ
まさかのラックスマン。PD441という機種で特性は極まったTechnicsとかのハイエンドモデルには及びませんが非常に良くできています。音の詰めかたは素晴らしいです。白眉は『アームボードがスライドできる』こと。これで多くのアームを最適なオーバーハングに出来ます。
アームですがこれも死ぬ程悩みました。まさかのオーディオテクニカ1503Ⅳという少し珍しいトーンアームです。ずっとストレートアームしか使ったことがないのでたまにはS字(ってかJ型ですけど)にしようかなと。微小信号を微に入り細を穿つように再生する目的ではないことと、私はトラッキングエラーがめちゃめちゃ気になる耳なのでSME series Ⅴすら耐えられませんでした。
この1503シリーズは非常に頑強な作りのスタティックバランスで、オルトフォンに近い性質があります。なのでSPUなどの重量級カートリッジにも向いております。(軽量ハイコンプライアンス向けのアームもある)オルトフォンよりは汎用性が高いです。
またⅣはインサイドフォースキャンセラーがつきました。っぱないとキツいですよ。ピュアストレートアームなら要りませんが。
さて、カートリッジですが取り敢えずは爆死前提で買ってみたいカートリッジがありました。
CHUDEN MG-3675というカートリッジです。この会社はカートリッジを山程OEM生産しており、製造は極まってます。そしてこの16000円程度のMMカートリッジは以下のようなスペック
針形状:結合ダイヤ楕円針(0.3x0.7ミル)
出力電圧:7.5mV/1KHz(5cm/s)
周波数特性:20~20KHz
チャンネルバランス:1.5dB以下
セパレーション:25dB以上
負荷抵抗:47KΩ
静電容量:200pF
推奨針圧:2.5g
重量:5.8g
白眉は電圧の高さです。電圧の高さはノイズの少なさです。我輩は港区住まいですが電波がヤバイ。MCカートリッジで再生すると放送大学が流れてきます。バランス電送すれば良いのですが。そして主旨からするとMMカートリッジでいいのかな、と。確実にMCカートリッジや光カートリッジも買いますけど。
このカートリッジが素晴らしい評判で『こういうので良いんだよ』を地で行く玄人好みらしい。太くてエネルギッシュで低音が強靭無比と。
さて、そんなこんなで集めて聴いてみました。久々の調整ですがゼロバランスは寸分の違いもありません。針圧は目盛りと0.1gも変わらず出来ました。
音ですが『こういう音が聴きたかったんだよ!』がいきなり出ました。満足です。
アナログという一見多くの要素が集まる複雑なものですが、アクセサリーなどの膨大な経験でコンストラクションや素材から音がかなり読めます。ダイレクトドライブにフローティング構造、重すぎないプラッター、頑強かつソリッドだがダンピングも良くしてあるトーンアーム、そしてこれは完全にギャンブルでしたが謎のカートリッジ。
このカートリッジは一度使う価値があります。無論万能とか最高では全くありませんが、この路線は選択肢としては悪くない。
JAZZ向きとか思うでしょ?オーケストラに最高です。
“アナログ始めました” への3件のフィードバック
グルマンさん いつもお世話になります。ガラード301を使っていますが、グルマンさんのおっしゃる通り、キャビネットに悩んでいます。色々調べると、クラシックな路線だと、海外では新藤ラボの桜のプライウッドのキャビネットが評価が高かったり、最近のものだと artisanfidelity が良いとされています。ただ、新藤ラボのものは手に入りにくく、artisanfidelityは高額なのでDIYで作ろうかと思ってます。構造的にはフローティングが良いとされていますので、アルファゲルのθタイプを天板の下にセットすればいいかと思っていますが、天板をどのようなもので用意しようかご意見あれば伺いたく。鉄板はフィンランドバーチですが、間に一枚銅板を挟んで見ようかと考えています。(理由はQAAやCrazy Carpenter Craftなど、そのような構造でうまくいっている製品があるからです。理由はよくわかりませんが)もしくはQAAのボードもフィンランドバーチっぽいのでそれをそのまま加工するのもありかなと思ったりしています。グルマンさんがガラード301の天板をDIYされる場合どのようにされますか? ご意見伺いたいです。
おお、301のキャビネット行きますか!
これは心して挑まなければなりません
最近高度な質問やチャレンジャーが多くてワクワクしますね
301は、特にフローティング上の可動部の質量は軽い方が良いです。これはベルトかダイレクトか、さらにはそのトルクとプラッターの思想で千変万化しますが。
なので超剛体の必要はありません
しかしあまり鳴かせたくもありません。軽量かつ収束が早く癖のない素材が良いでしょう。
そして木材は無垢より合板(プライウッド)がお薦めです。無垢は鳴きやすいのです。特にターンテーブルの振動は究極的に増幅されるのでなおのこと。
ただ天板の質量及びゲルでの支持は聴きながら調整する良いでしょう。
さて、材質です
銅を入れるか否か、ですが大抵は木材と金属の組み合わせは癖を相殺するので吉となることが多いです。音に木質の響きが減りよりフラットに近くなる。残響のf特的にはその材質のQが減ります。ただしウルトラハイも刈られる。私なら取り敢えずフィンランドバーチ単体で行きます。そのあたりはゲルで始末できてしまうので。
究極はその天板をQAAで処理して貰うことです。私が是非、と言っていたとお伝えくださればまず絶対やってくれるはず。
グルマンさん 面倒な質問をしてしまい少し反省しておりましたが、大変ご丁寧に回答頂きありがとうございました。また、とても参考になる情報ありがとうございます。QAAで処理してもらうは思いつきませんでした。また、ウルトラハイがなくなるは確かに拙宅でもゲル多様により、ウルトラハイがなくなる傾向は感じましたので、なるほどと思いました。一旦はプレーンなフィンランドバーチ合板で作成し、QAAさんに相談してみます。グルマンさんのご推薦の旨も使わせて頂きます。ありがとうございます。