割烹料理店の音響システムを構築するにあたり、様々な観点からKEF LSX2を選んでみた。そらそして本日、店に行き電気系統の具合の視察も兼ねて音出しまで持っていったのである。
しかし始めてのハイテク装置に割りと手間取った。Bluetoothは簡単に音出し出来たが何故かKEFのアプリを使ったwifi接続の設定などなどが何故かWi-Fiでは出来ず(ネットワークグループにない、とか出る)これだけルーターに有線して設定するという原始的なやり方で行った。何とか店のipadから例えばspotifyをairplayで再生するに到ったが、此処まで1時間格闘することになった…
再生はWi-Fiで出来るのだが『KEF connect(アプリ)でスピーカーの音のキャリブレーションでもしてみるか』となるとやはり有線でルーターに接続せねばならない
でもairplayでは再生出来る
おうちに帰って調べてみるとどうやらなかなかこのwifi接続はかなり不安定というか気難しい所があるようだ…サブウーファーで思ったがこの会社のソフトウェア部門はダメなんじゃないかな…?
さて、音だが試運転かつ割烹のカウンターの上などで正味数分しか聴いていないけど氏素性は良くわかった。
特徴
1.wifi(airplay)の方がBluetoothより格段に音が良い
ノイズや歪みがまるで違います。Bluetoothによるハイレゾのデータ再生がspotifyのストリーミングに到底勝てないのです。言い方を変えると『非オーディオファイルの日常には相当良い』と言えます。まあそれが不安定なんですけどね、ブヘヘヘ
2.凄まじくスッキリして癖がなく聴き心地が良い
これは驚異のレベルです。適当所ではないセッティングでこれだけ歪みや癖を感じずクリアに広がる事はかつてのオーディオにはあり得ない事です。スピノラマの王者の一つでありつつも積み上げられた永い伝統も感じます。この便利さでこの音でこの値段はとんでもないです。
3.色彩感と質感の描写に難がある
全てが極めてサラッとしてニュートラルで聴きやすいのですが音の質感の描き分けが苦手です。何しろ全てがサラッとしてるんですもの。描き分けの一辺倒さはスピノラマ上位陣に何故か割りと有りがちな欠点であり、また生演奏を扱うマスタリングスタジオあたりがあまりそれらを採用しない理由でしょう。後で考察しますが。
KEF LS50metaならばそこはアンプなどである程度カバー出来るかも知れませんがアクティブかつwifiとなると如何ともし難いです。
4.背面バスレフのおかげで後ろの距離を大きめに取らないと死ぬ
なので壁ギリギリ…上の画像のように置くとカスの様な音になります。
出来ればこのように扱うべきですな。最低でも30cmは空けましょう
なおサブウーファーアウトがあり、これは非常に可能性がある素晴らしい設計です。
KEFはmetaシリーズ以降は例えるならあたかも『オートマ』です。オーディオは多かれ少なかれ『マニュアル』的であった所をオートマのような所まで持っていった結果、非常にユーザーにとって楽でありつつ『誰でも一定水準以上の音が出せる』ようになったわけです。いわんやLSX2は『完全自動運転車』的な存在です。一切の操縦を赦されないとも言えますし、また考えるまでもなく『音的にもストレスのない音楽と共にある生活が送れる』とも言えます。安価で一定水準の『目的』を達成出来る科学の驚異です。
F1どころかドラッグレースのようなオーディオファイルとは真逆の存在でありますが、オーディオ業界を長い目で見るにはこれもまた必要な存在と言うことがわかります。オーディオの入り口としては素晴らしい基礎性能です。また『これ位の音は出せないとその単品オーディオの存在価値はないよ、時代遅れってことさ』と言いたげな風であります。コノヤロウ!
しかし果たして単品で20万付近の実売価格のコンポーネント達の組み合わせでこの黒船を相手に出来るのか?スピーカーセッティングなどがゴリゴリに出来れば超えられますが、これはポン置きであたかもスピーカーセッティングがそれなりになされたかの様ですから…
無論色彩感や質感の描写などの問題はあるし、低音が足りないのでサブウーファーを…とかとなるとサブウーファーのセッティングに魔法は無いのでいきなり全自動運転からオートマどころかマニュアル以上の世界になります。またBluetoothの音が悪いので実質ストリーミング機器と言う事自体もまた問題。
しかし斯様な店舗や善良で一般的な御家庭には過去無かった大変素晴らしい道具(ガジェット)です。
爆発炎上(本当に)する程に過激なドラッグレースが日常の魔界とは最も遠い存在ですがね
“KEF LSX2を使ってみた” への16件のフィードバック
長文の質問で失礼いたします。
自営業の事務所のサブ機として,昨年末にKEF LSX2を導入したのですが,思ったような音にならないので悩んでいます。
素のLSX2だと音が薄いと感じていたのが,電源ケーブル交換により改善したのは良かったのですが,反面付帯音が多く,楽曲によって音がこもっていますと感じます。
Amazon Musicの一部のJPOP(例えばOfficial髭男dismなど)では完全に低音がこもってボンボン鳴っています。
KEF CONNECTから無対策PCからのRoon ready(Roon 1.8 legacy)接続にすると,多少は付帯音が減って聞きやすくなる印象ですが,Amazon MusicとTidalの差なのかはわかりません。
事務所は電源もネット環境も劣悪ですので,いくらでも手を入れようがあるとは思いますが,事務所のサブシステムについてはあまりコストをかけずに完結したいと思ってLSX2を選んだので,基本的には自宅の余り物で対応したいと考えており,もともとそこそこの音で聞ければ良いという狙いでした。
しかしながら,想定外に音が良くないので,セッティングに何か問題があるのではないかと考えてご相談させていただいた次第です。
(ご質問)
(1)KEF CONNECTのEQ設定を使って補正した方が良いのでしょうか。
補正機能は基本的に使うべきでないと考えていたため,現在は使用していません。
(2)KEF P1 Desk Padを使わず,評判の良い他のスタンド(ISO Acoustics ISO-130 https://www.electori.co.jp/isoacoustics/iso-stand.htm など)や,ゲルで調整した方が良いでしょうか。
(3)中村製作所のアイソレーショントランスの追加トランスをLSX2に使用し,1000VAのトランスを無対策PCに使用するのは効果があるでしょうか。
後日NSIT-160TWあたりを入手したら,先日入手した中村製作所1000plus MK IIを事務所に持ってくることを考えているのですが,追加トランスが100VAと160VAで容量が異なるため,LSX2の電源ケーブルにそれぞれ接続すると左右で音の違いでてくるのではないか気になっています。
このような場合,容量の異なる2つのトランスにLSX2の左右の電源ケーブルをそれぞれ繋ぐよりも,タップ経由で左右の電源ケーブルを一つのトランスに繋ぐ方が望ましいのでしょうか。
(4)他に何か気がつく点やアドバイスがありましたら,ご教授いただければ幸いです。
なお,余り物として,スパイダーシート,JCATUSB CARD FEMTO,逢瀬光ブースター2個があります。
余っているDC電源がなかったため,JCATUSB CARD FEMTO,逢瀬光ブースターは事務所で試していませんが,製作予定のRFS50A 5V特注 DC電源が完成すれば,Uptone audio JS-2リニア電源が余る見込みです。
(使用状況)
(1)電源の接点すべてに NPS-Q45Tを使用しています。
(2)テレワークであまり事務所には出ていないので,LSX2の使用時間は40時間~60時間程度だと思います。
(3)ACアダプタ使用の無線アクセスポイントから無線LANで接続しており,Amazon MusicをKEF Connectで再生するか,ノイズカットトランスに接続した無対策の事務用PCからRoon Readyで再生しています。
有線ではなく,無線接続しているのは,付属のACアダプタを使用しているYAMAHA NVR500(ブロードバンドVoIPルーター)やBUFFALO WHR-1166DHP3(無線アクセスポイント)の電源ノイズの影響を心配したためです。
事務所のネット環境は以下の通りですが,NVR500はビジネスフォン主装置に接続するために必要な機器ですので,抜くことができません。
NTTフレッツ光ONU(付属ACアダプタ)
→YAMAHA NVR500(ブロードバンドVoIPルーター)(付属ACアダプタ)
→BUFFALO WHR-1166DHP3(無線アクセスポイント)(付属ACアダプタ)
(4)LSX2間のLANケーブルを3mのエレコムスーパースリムケーブル(LD-GPASS/BK3)に変更しています。
(5)LSX2のサブウーファー端子にPRaT sound GRV-RISER,LAN端子にPRaT sound GRV-RISERを指しています。念のため一度外して確認しましたが,良くはならなかったので元に戻しました。
(構成)
(1)事務所のテナントの2ピンコンセント
↓
(2)Panasonic 3ピン・2ピン変換コネクター
↓
(3)電研精機ノイズカットトランス
自宅では使っていないノイズカットトランスですが,劣悪な電源環境なら役に立つのではないかと思って事務所に持ってきました。
余っている丸型本紫檀のインシュレーターを使って絨毯の上に設置しています。
↓
(4)CHIKUMA Eminent-6(電源ケーブルはFundamental RPC10を使用)
コンセントからの電源ケーブルの長さが足りないため,タップを間に挟んでいます。
余っている丸型本紫檀のインシュレーターを使って絨毯の上に設置しています。
↓
(5)Belden PS9364
↓
(6)IEC 3ピンのプラグ-ソケットアダプタ版PRaT sound GRV-RISER
IEC 3ピン・ミッキー変換アダプタとGRV-RISERを接続したものがLSX2から結構な長さで突き出ているため,余っている本紫檀のインシュレーターを支えとして下に入れています。
念のため一度外して確認しましたが,良くはならなかったので元に戻しました。
↓
(7)IEC 3ピン・ミッキー変換アダプタ
当初GRV-RISERにIEC 3ピン・ミッキーの変換機能も組み込もうと思ったのですが,ミッキーケーブルは自作用のプラグが市販品として存在しないため,別途変換プラグを使用することになりました。
↓
(8)KEF LSX2
メーカー純正のKEF P1 Desk Padを使って,コクヨの事務机の上に,液晶モニタを挟むように設置しており,LSX2の後ろは壁から2メートルは離れています。
なるほど、良くわかりました
LSX2は短時間ですが全力で格闘したのでアナライズは出来ております
まさにその低音のボンつきがネックです
いくらKefが科学的にがんばってもスピーカーは原始的なもので、かつ力学的物理と真っ向から戦わねばならず難しいですね
ボンつく理由は、低音の不足をそこで誤魔化してるわけです。f特だとフラットですが、残響のf特がフラットではないわけですね
スピノラマ及びpreference rateという指標どれだけ不十分かがわかる内容です
そしてイコライザーは良くないです。
さてその上で対策ですが、問題は大きく分けると二つあります。バスレフポートそのものと、内部からのバスレフポートを通した音の漏れです
いくつか策があります
まず分解出来るかどうかでやれる幅が変わります
https://youtu.be/aVrFrg1OldE?si=j7MCdvn2XYA6-OsJ
ここにLS50wirelessですが分解動画があります。意外に簡単そうです。
では開ける方法から…
1.炭を入れる
これはkefの高級なスピーカーでやられてる方法です。内容積が上手くやると3倍くらいになるのと同じになる、とか
安いですしある意味純正ともいえます
2.戸澤式レゾネーター
手で揉んだ和紙で三角の物体を造ります。こんなものが出てくる所が自分が怖い。さて効果ですが強烈です。入れる個数で調整せねばなりません。基本的にはかなりクリアかつスッキリします。
3.バスレフダクトの鳴き止め
これも強烈です。有名どころだと吉田苑とかがスピーカーカスタムでやってますね。
色々考え方がありますが、強烈なのはレジェトックス。ブチルゴムとアルミで吉田苑も類似品を使ってるはず。使いすぎると微妙かも?
あとは麻の紐でぐるぐる巻いていく、という方法もあります。癖がなく良いのですが、ちょっと面倒。
後は分解しない方法だと
1.内部からバスレフダクトを制震する
さっきのシートを内側に貼りますただバスレフの動作が変わってしまいますがね。
2.綿をふんわり詰める
バスレフ自体の動作を弱めます。ふんわりしないとバックプレッシャーがかかり詰まった音に。ダンプドバスレフ、という手法ですね
電源はかなり音が変わります。ただ低音という一点に関しては果たしてノイズカットトランスが良いかはわかりません。ようはパワーアンプ内蔵ですからトランスは裏目に出ることも。私はコンデンサを並列につなぐだけのフィルターで対処しました。
1.
回答ありがとうございます。
環境特有の問題かと思っていたのですが,低音のボンつきはKEF LSX2の個体の問題だったのですね。
付属電源ケーブルからBelden PS9364に電源ケーブルに変えて,情報量が増えたことにより,顕在化したのでしょうか。
※付属ケーブルだと音が薄いですが,ボン付きも感じません。
とりあえず,分解しないバスレフ対策をしてみようと思います。
ところで,付帯音というと,ゲルで減りそうなイメージがあるのですが,KEF P1 Desk Padを外して,ゲルの上に載せるのはありでしょうか。
ゲルを使った対策方法もあればご教授いただければ幸いです。
付属のケーブルがあまりに低容量で低音が出ませんからね。
取り敢えずはバスレフダクトの制震を試してみてください
中に貼って良い結果になったら分解も考えましょう。
ゲルはかなり恩恵が大きそうです
2段3点くらいでしょうかね
回答有り難うございます。
分量がよくわからないのですが,レジェトレックスをバスレフ内部の見えるところ全分に貼っても大丈夫なのでしょうか。
あまり貼りすぎても良くない場合,どの程度貼るのがお勧めかについて,アドバイスいただければと思います。
貼るなら一周ぐるりでないと変な気流が発生しそうです。
全ての長さでやるとちょっと怖いですね。
スピーカー次第なのでやってみないとまるでわかりませんが、長さの半分くらいがまずは目安になりそうです。
でもやってみると全部やったほうがいい、となる可能性もあります
すみません。
アドバイスの意味が理解できているか確認させていただきたく思います。
「全ての長さでやるとちょっと怖い」というのは,バスレフの内部の地肌が見えなるくらい貼るのは良くないということでしょうか。
「長さの半分くらいがまずは目安」は,間隔を空けつつぐるっと1周するように,レジェトレックスでバスレフの内周の半分の面積を占めるくらいの割合で貼るということでしょうか。
ちなみに,以下の商品を購入したのですが,これでよろしかったでしょうか。
初歩的な質問をして申し訳ありませんが,よろしくお願いいたします。
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9D%B1%E9%9B%BB%E5%B7%A5-%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9D300-N-%E5%88%B6%E6%8C%AF%E6%9D%90-1-5mmx50mmx100mm-30%E6%9E%9A%E5%90%84%E7%A8%AE/dp/B09QS39DSZ/ref=asc_df_B09QS39DSZ/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=553772339418&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=17835851133738382469&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009529&hvtargid=pla-1644243753960&psc=1&mcid=c00a72f2a5c93e77800fadaac23ab832
全くその通りで、完璧な解釈です
製品もこれでオッケーです
回答ありがとうございます。
次に事務所に出る金曜日に試してみます。
申し訳ありません。
せっかくアドバイスいただいたのですが,自分の技量では太刀打ちできず,結局EQ機能で低音を削らないとどうしようもありませんでした。
まず,2段ゲル3個をスピーカーの下に設置しましたが,抜けが多少良くなった気がするものの,低音過多のボン付きは改善しませんでした。
その次に,レジェトックスを片方のバスレフに貼り,貼ってない方の音と比較しましたが,ボンつきに対しては焼け石に水という漢字で,むしろ低音の重量感が出て,ますますボンつきが気になるようになってしまいました(ブチルゴムの除去は大変でした…)。
この段階で,付属電源ケーブルに戻しましたが,それでもボンつきが気になるため,思い切ってEQ設定「机上」で設定したところ,低音が一気に減ってまともに聞けるようになりました。
EQ使用は望ましくないというのは承知しておりますが,もともとサブ機でそこそこの音で聞ければ良いと考えていたことや,分解しないとどうしようもなさそうなので,これ以上は断念いたしました。
LSX2は標準でそこそこの音が鳴るものの,下手に良くしようと手をいれるとバランスが崩れて逆に酷くなる結果を導きかねない機器のように思いました。
標準の音からより能力を伸ばす方向で調整するのはなかなか難しい気がします。
内部に貼ることでバスレフの動作周波数が上がるのがまた悪さをしそうですね
うーん、私がカスタムしたくなってきました
そのうち買ってみようかな…
すみません。
誤字がありましたので,訂正いたします。
「焼け石に水という漢字で」
→「焼け石に水という感じで」です。
ふと思ったのですが,低音過多の根本的な原因は,事務机の上にスピーカーを置いてニアフィールドリスニングをしているためということはないでしょうか。
EQ設定では,スタンドモードの低音より,机上モードの低音の方が明らかに少ないので,スタンドに乗せて距離を取ったリスニングで音作りをしたものを無理やり至近距離で聞いているため,EQで低音を削らないとまともに聞けないのではないかと思いました。
もしそうなら,私の環境での根本的な解決手段は,スタンドに乗せて視聴距離をとるということになりそうです。
私は音響をプロデュースした懐石料理屋で色々と弄りましたが、事実上空中浮遊に近い形です
そこでは(無論位置調整は全力でしましたが)低音過多ではないのですが、特にジャズとかのベースで顕著でしたが低音がゴムゴムというかぶよぶよしててかなり厳しかったのです
それこそまだeclipseのほうがまともですのでユニットのサイズと片付けられないと思いました。
弄れば良くなるならちょっと弄ってみようかな、と。
無論机上だと低音が3dBは少なくとも上がるのでそこに関してはフリースタンディングで改善するでしょう
返信ありがとうございます。
スタンド使用で低音過多自体は改善されるけれども,低音の質の問題が残るのですね。
もしカスタム化して低音の質が改善したなら,記事にしていただけると嬉しいです。