AVAAを考える1


AVAA…本来はスタジオ向けに誕生したのだが大手含めて何故か日本のスタジオで全然見ない超越的な兵器である。音を良くするという欲望とその情報への感度は我が国ではオーディオファイルが上回ると言える。後は代理店が悪いよ。

コンパクトでありながら超低音の残響時間を大きく取り除く超越的な兵器である。欠点、無し。特にスタジオ向けなのは理由がある。

理想的なスタジオとは『計算された部分的な初期反射等は必要だが基本的には全帯域の残響のf特が見事にバランスが取れてフラットかつ、めちゃくちゃ短い』ことである。

残響のf特がバランスが取れていれば長くても短くても音は自然で楽しめる。だが業務的に『精密』『正確』となると短くなくてはならない。だがそのような仕組みは相当大変だ。ありがちな空気層付き有孔ボードでは余程でないと不可能で膜振動やヘルムホルツを使いこなさねばならない。それは比較的近代に出来た部材を使わねばならない。魔界にもある最大径のΦ60㎝ tube trapでももう設計は古いのだ。

なので『古い手法で止まっている大手スタジオはデッド過ぎて聴けたものではないことが散見される』という話になる。ルームチューニングは凄まじい進化を遂げている。

超低音を幾らでも吸えるなら残響デザインは非常に自由でやりたい放題だ。

では30Hzや50Hz辺りを選択的に猛烈(吸音率0.9)に吸う最新のアコースティックな部材とAVAA、それぞれの利点と欠点はなんだろう?

アコースティックな部材でそこまでの尖った連中はQがすこぶる高い。要は『かなり狭い帯域しか吸わない』のだ。なので定在波を計算して配置する事に於いては素晴らしいが、脳死で汎用的には使いずらい。

AVAAはそこは無敵に近く、効果範囲がbroad(10Hz~160Hz)でありフレキシブルに置ける。だが欠点は『複数台を置くのが少し難しい』のだ。

半径1~1.5mの範囲の圧力を殺すのだが、近接すると…具体的には2m以内に置くと効果が相殺されるor何かよろしくない事が起きるようなのだ。

それと大きさで物理的に配置出来ないこともある。天井のコーナー、とかね。めちゃくちゃ効くんですが。今2台使っているが3台目を置くスペースがない!

…そこで新型を検討するのである。

次回新型AVAA考察


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