ルビジウムクロック再試験/クロックトーク


というタイトルを書いておいていきなりだが我輩、ルビジウムクロックに良いイメージは全くない。一般的に短期精度があまり良くないという論理的な話と、聴感的にもそれが伺えるという理由である

短期精度ってなんでしょうか?

クロックはもっと詳しい御仁は幾らでもいるだろうがまあ音質に影響のある致命的な話を分かりやすく書くことにしよう。

クロック…一定のリズムをもつ時計である。デジタルオーディオの根元であり音を支配する神である。CDが出た時は『デジタルなら音は変わらないから物量や細かいエンスージアスティックな事に捕らわれなくて済む!』とか言っていたのだよ、多くの日本の技術者(三流だろうがね)や評論家が。しかしそれは日本の三流どもであり、SonyとPHILIPSは初めから…少なくとも規格の制定の時からクロックが物を言うことはわかっていた。

いまだに『技術者としてレベルが低いほど考慮て知識が足りないので変わらないと言いたがる』傾向にある。CD黎明期の頓珍漢な技術者達を笑えないのだ。そして何故かネットワーク経路…LANほどクロックの影響を聴感的に受けるものはない。何故か。DAC前やDACその物よりもっと致命的な影響を感じる。

『LANは遅い規格の方が音が良い』というのは色々試して頂いたりした方々の中ではほぼ全員一致のコンセンサスを得られたようです。(中には10Mbasedの強者も何人か居たけど)それはまあ論理的に言えばLANの規格が高速化すると周波数が上がりかつ電圧も何段階も設けることによりジッター耐性は下がると思われる。オーディオレベルの微視的な世界では…かつ『何故か異様にクロックの影響を受けるLAN』では大きな問題になるのだろう。事実1000BASEなどだとまさに『聴感的にはLAN経路のクロックを微妙なものにしたときのような変化』なのである。今回のルビジウムクロックのように…。


ちょっと話がずれてきました。ダメなクロックのように…フフ…

で、クロックはなんか演奏と近いところがある。長い目で見てゆーーっくりとリズムが変わっても気にならないでしょ?1分ごとに1BPMずつ早くなるとか…え、気になる?

でも特にドラムとか小節毎にテンポがフラフラしたら厭ですよね?『リズムセクションとは?』という定義と存在価値が揺らぎます。

それと似たようなもので、長期間…例えば100万年に1秒しかズレマセン!というのが長期安定性なのですがオーディオ的には特に影響はないのです。なお昔はこの項目でドヤってた時代がこの国にはあった。なので放送局や金のあるスタジオにはかなり導入されていた。

なので短期的なズレがないことが大切なのですが、さらに問題があります。

例えばクロックの波形に色々な周波数のノイズが載るとしましょう。まあ絶対載るんですけどね、頑張っても。

左は此の世に存在しない理想の…神のクロックです。そのクロック周波数以外のノイズがない完全なクロック。そこにノイズが載ると右のようになります。で、クロックの周波数から遠い周波数のノイズはそこまで問題ないのですよ。それは取るのが簡単だから。10MHzのクロックだとして、それに1GHzのノイズが載ってもフィルタリングでそれなりに始末出来ます。

ですが10.1MHzのノイズが載ったとして、これを取るのは不可能です。元のクロックに多大な影響を与えてしまいます。こういう元のクロック周波数に近いノイズを近傍位相ノイズといいます。

しかも厄介な事にこういうノイズによるジッターの影響は延々と滾々(こんこん)と蓄積して信号に呪いの痕跡として残っていきます。クロックは『初めから最後までどの段階でも良くある』事が望ましく『最後叩き直したからよし!』という事はないのです。

そしてその近傍位相ノイズは基本的にはルビジウムはあまり良くないのですよね。OCXOの良い物の方が良いです。勿論物凄く選別されたルビジウムなら悪くはないのですが、それは恐ろしく高価で原価率的に一般オーディオメーカーやスタジオ系クロック機器メーカーが使えるような代物ではありません。数百万円払っても数十万のOCXOと良くて同等、基本的に負けるのです。

昔は放送局を中心にルビジウムクロックはブイブイ言わせてましたが近傍位相ノイズが大事じゃん、となってからは廃れていきました。


さて、そんなルビジウムクロックですが今回はメディコンで光変換するところの最初のEtherregenです。既に二個目は最高峰のクロックが入ってます

金属LAN→ Etherregen→光→Etherregen→金属LAN

なお試聴は『ストリーミングではなくストレージに入れた音源再生』で行います。音楽信号はこの経路を一切通りませぬ。何なら『光の向こうなのでグラウンド的にも切れてます』。それでも物凄く影響を受けます。遠い経路なので50%位は影響減りますけどね、ではなくいっそ200%くらいの印象。何故…

さて、Etherregenの素vsルビジウム(FE5680)ですが入れると悪くなりました。奥行き、空気感は減り音質も荒く劇的と言って良い程に絶対性能が下がります。思えばEtherregenにはサイバーシャフトOP17以上しか入れたことはありません。(これは物凄く良くなる)

取り敢えずEtherregenにはそれなりのクロック入れないと脚を引っ張ると言うこと、精度の高いOCXOはやはり強いと言うことがわかりました。またEtherregenは受けたクロックを非常に上手く扱うのでクロックテストには最良ですね

なお読者に『7月に新型がでる』とタレコミがありました。


“ルビジウムクロック再試験/クロックトーク” への1件のコメント

  1. ルビジウムクロックもそうですが、やっぱり電源だよな~。
    どこを刺すかで結構変わるしその電源システムでも結構違うんだよなぁ~。🥴

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