ルームチューニング新概念 中編


具体的な考えに移ります

後にも書きますがこの手法の行き着く先は『余計な響きを乗せることなく広大で静かでアンビエント豊かな空間創出を行う事』です。

さて、これをやろうとしている有名な製品は日東棒ですな。ANKHは…というかAGS(奥行き60cm)はこれをやろうとしていました。ですがなかなかANKH(23cm)程度ではそれはままならず、大掛かりの割にはその成果は上がりづらく、さらに近接に配置したときの反射音、位相のモジュレーションなどが気になります

極めて広い部屋かつそれこそショーのように人肉吸音材 観客が大勢いるならかなり有効だったりしますが…現状魔界でも多く使っていますが(一時はさらに多く容積あたりの使用数は世界一だったはずです)一般的な部屋でこれを使いこなすのは人生をルームチューニングに捧げないと難しいと思います。上手く使えば素晴らしいですが、メーカーの宣伝やショップの口車で得るイメージにはならないでしょう。なお買うなら新しい吸音タイプのほうがまず間違いなく良いです。

では何が使えるのか?

今の所2つのメーカーしか思い浮かびません。

synergiestic researchとまるで回し者のようですがQAAです。共に壁を消します。ですが『消す』と言っても内容はまるで違います。

synergiestic researchのほうは『ブラックホール』です。壁が消えるというよりそこが『外に繋がっているように何も帰ってきません』。原理的にも『消す』道具です。

ではQAAは、と言うと壁の先が『上等なコンサートホール』に繋がっているような消えかたです。従来の拡散型にあり得る豊かな響きが乗る、というよりあくまでも壁が消えているうえでアンビエントが素晴らしい。先の記事にも書きましたが完全にやりきると『イマーシブのアンビエントチャンネルのオンオフのように決定的に広大な景色が広がります』。

コンサートホールは『人間の聴感的官能に対して拡がりを感じるように』様々な工夫が凝らされています。特に左右からの音の残響の時間差や性質などが大きい程拡がりを感じます。(両耳相関係数)

では屋外で楽器の演奏音を聴いて広さを感じますか?間違いなく広さを感じないでしょう?『無辺』と『広さを感じる』は実は違うのです。ヒトの耳は面白いですね。

ですので『目を瞑ればまるで広大なコンサートホールやライブ会場のようだ…』と感じさせる為にはsynergiestic researchだけでは無理なのです。QAAは(理屈は何一つわかりませんが)それが可能になる。

今日、実はDJ swing氏がいらっしゃってました。そして聴いていただきましたが『飛躍的に良くなっていました。スピーカーの存在が全く消えていました。』とのこと。諸事情あって(Sony的な)この数日間、夜を徹してスピーカーの存在を完全に消す試みをしていたのでこのコメントは驚きました。

さて、その過程で方法論が出来ました。これで広くお薦め出来ます。目的はズバリ『ANKHがやりたくて出来なかった事、広大で静かでアンビエント豊かな空間創出を安価で小さく目立たず簡便にやれます』。

だってANKH敷き詰めてそれが出来ますか?絶対出来ない。幻想がないのでやりきった人間は強いのです。

無論ルームチューニングの目的1.2である『低音の処理』や『近接反射の処理』は出来ません。しかしこの手法である3.『ホールのサイズに擬似的に変える』は必ず恩恵と快感をもたらす筈です。例えそれがゴリゴリの打ち込みであっても、です。今日だってDswing氏に聴かせたのはThe weekndのDAWN FMよりtake my breathでした。壁を全く無視して縦横無尽に駆け巡ります。

しかし辛気臭いジャケットだなあコレ

長くなったので具体的なメソッド、ルール、やってはいけないことは次回


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です