サラウンドの勘所1


需要があるかどうかはさっぱりわからないのですが、360RAの話をした時に半端に書いたので続けようかなと思います。

サラウンドをある程度想定されていたり、プロ用のスピーカーでも本当に同一スピーカー以外はほぼ死亡確認です。

  • 違うメーカーを混ぜる→100%死亡
  • 同一メーカーでも2wayと3wayを混ぜる→100%死亡
  • 同一メーカーで2wayや3way同士を組み合わせる→死ぬときは死ぬ
  • 同一スピーカー→完璧(そりゃそうです)

なので大抵のサラウンドやってる方は正確な計算通りの音にはなっていない。周波数は少なくともメタメタだが、位相はもっとメタメタだろう。

『適当なこと言うな!失礼千万、死ね』という心無い声がか弱い儂に投げ付けられた気がするのでデータを提示しよう。ヒィィィィ

というのも、丁度SONY MUSIC STUDIO様に伺った際に貰った雑誌に…まさに丁度なのだが、この事がドンズバで載っていた。focalのプロ用スピーカーをどう組み合わせたら死ぬか、死なぬかという測定結果が載っていた。だが全部載せるのは厳しいので(100通り以上の総当たりの測定)例えばこんな感じ

緑の部分は『位相の問題で打ち消しあってえぐれたもの』です

ヤーバいでしょ?

平面のみの設置である古典的なサラウンドなら大型スピーカーを同一製品で固めればなんとかなるが、上方に置かねばならない場合は無理だろう。まあこのくらいガチればあるいは?

これは全て同一3wayで固めてある。

しかしやはり同軸(上記Studioは仮想同軸)スピーカーが望ましい

そして選択肢は多くはない。

なおこのサラウンドが『用途が何か』で色々と話が変わってくる。

というのも詳細はまた複雑なので膨大な量になり、また1ミリも間違いを書きたくないので文献の山を読まねばならないので(といいつつ3件は読んだが)そのうち本番は書くが…『映画を再生するシステムで音楽は聴くべきではない』のだ。これはサラウンドでなくても同じこと。

映画館の音は半世紀以上前から『高域をゴリゴリにロールオフさせる指定がある』のだ。昔のほうが複雑な周波数特性の指定があり、今はかなり簡略化されたが基本的にはそんな感じである。

これは非常に複雑な『歴史の分厚さのある話』なのでちょっと気合いがないと細かく触れることは出来ないが、まあようは『歪みを取るため(感じさせないため)やってる』と思ってください。これもまた部屋の大きさや残響のf特でこの周波数のカーブも変わるし、また測定だけでは全く上手く行かないからこそ『映画館ごとに音の良し悪しがべらぼうに違う』とかあるわけだが(これはこの規格を策定したドルビーの映画音響の創造主自体が言っている)

で、これをさらに家庭に持っていく際に、家庭内の部屋向けにさらにカーブを弄ったTHXの家庭用規格があるわけだ。めちゃくちゃ複雑でしょ?

まあ『全く上手く行くわけないですよね?』という話なのだ。結局は耳で詰めなければならない。ただ言えることは『映画と映画以外は真に両立する事は不可能』ということ。

まあ最も『映画の時はイコライジングしてもいい』ので(そんなに位相をガチる必要は映画にはないし、そもそもイコライジング前提である)そのようにすれば両立は不可能ではない…が。


“サラウンドの勘所1” への3件のフィードバック

    • 書くととても長いので近々書きますが、結論だけ書くとKEF LS50 metaが最もオススメです。無論サブウーファーは必須も必須ですが…

  1. ご返答ありがとうございます!
    KEF LS50 metaとは少々意外でした。
    記事を楽しみにします。

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