秋葉原のあそこですな。
かれこれ20年以上行っているのだが(スピーカーとか、勿論アクセサリーは色々買っていた)認知がそれは猛烈に上がった今どう感じるか?あるいは何か新しい物が見つかり得るものがあるのか?
さて、取り敢えず実に普通のシステムが鳴っていた。ESOTERICフルシステム→B&W。まさに教科書のようである。
この組み合わせはちょっと厳しい。好みやポエムを排して言えば(我輩はポエム的論評はしない)端的に言えば音数が少なく一本調子な癖がある。『音数が出せない時代の、高性能感を感じさせるステレオタイプなハイエンドオーディオの古めかしい文法』とちょっとドギツイ評価をしてしまう。
更に言うと自然の摂理が見えない。
ESOTERICはデジタル関連は大きく進化したと思うが如何せんアンプが昔から同じ傾向のくせがある。初代から全て聴いているがその問題は抜けない。自然さとは大分遠い。少し特殊なスピーカーなら問題はないB&Wはストレートに癖を出す。というかB&Wが出してしまいやすい所にバッティングしてるとも言える。
だが珍しく此処から色々褒めまくるのである。なので忖度を完全にカットした。そもそも忖度まみれのレビューは誰も求めていない。
今回驚いたのはBOENICKE AUDIO W13SEというスピーカーとwestminster labのアンプの組み合わせである。デジタルはESOTERICのまま。
BOENICKE AUDIOは下位のラインはこのタワーの下で散々聴いているがあまり評価はしていなかった。だが余りに雲泥。W8あたりと比べると…うーん。ドラゴンボールに例えるとフリーザ第一→第二とか第三とかではなくいきなりゴールデンフリーザに飛ぶ位差がある。
余りに特異なスピーカーでwestminster labとの音の要素の切り分けが出来なかった。だが音数、円心的に音が広がる有り様と楽器の音の振動の伝わる物理的な順序などを合わせた『自然の摂理』などを全て兼ね備えている。
足りない物は高調波…いわゆるトランジェントだが(高域がフルレンジ5cmだしね)自然の摂理に適っているのでどうでもいい。
そして改めて観察すると我輩が常日頃お勧めしている要素が割りと詰まっていた。
まず対向型サブウーファー。特許が切れた今、ウーファーを対向型にしない理由が我輩にはわからない。弊害も生まれる金属エンクロージャーの必要が全く無くなるのに。
さらに背面のアンビエントツイーターがサブウーファーと見事なマッチングをしている。本来の楽器の音の拡がり方はこうあるもの。しかし低音の速度と下支えなどが無いとむしろ不快になるだろう。このスピーカーは低音の音量とローパスが選択できるので多くの環境にアジャスト出来るはず。
その後の調査で特性は実に微妙とわかったがそんなことはオーディオエアプの戯言である。
問題は見た目と値段だ。隣の立派な体躯の801D4より高額である。見た目がなんというか良く言えば玩具、悪く言えばゴミのようなのだ(失礼千万)
だが音は自然音を聴いておられる方なら『目を瞑れば』納得の金額。アンプの駆動力も要らないからね。
それと何より感心したのは主のセッティング技術。寸分違わぬ完全なセッティングである。この時点で素晴らしいが、何がすごいってスピーカーが沢山有る。例えば一組スピーカーを置けば既に音波は乱されミリ単位だが…あるいはミリ以下だが再調整せねばならない。
複数組のスピーカーのセッティングを完全にコントロールすることは困難…というかやったことがない。
さすが一人で関東最高の売り上げをもつタワーの売り上げの大半を持つトップである。その売り上げを支える水面下の技術をほとんどのオーディオファイルはわかることはない。だがね、レストランならそれで良いのだがオーディオは自分達がそれを為さねばならない事をお忘れなく…