時折書いている気がするがまた別視点で。以前は故かないまる先生の話をサルベージすることが主だったが今回はグルマン100%の話です。
物凄く音に影響がありますな。例えばメモリーとかが音に影響するのは『プラス』の領域。ですがこれは『マイナス』の領域であり、致命傷になります。一撃で死ぬ。どんなプラスも圧倒的に塗り潰すマイナス。
その割にケースに言及しているものはあまり見たことがありません。そこでやらかして大変よろしくない音を出している超有名ショップPCがありますな。影響が大きいので書かないけど。
では何が影響するのか?
反射、輻射、誘導etc…此処等の影響が最も致命傷になります。これが極めて読みにくい。強いて言うなら『小さい、薄いケースは大リスク』かな。デザインコンシャスでスペースファクターに優れたコンポーネントライクなものは止めておいたほうがいい。大丈夫な事もあるかもしれないが『定石』から確実に外れる。それはPCケースとして設計、測定されていないからだ。
かつケースはグラウンドでもある。グラウンドは時にデジタル機器には超致命傷となる。
高周波は魔物でありどのような相互作用を及ぼすか、人間の想像の枠外にある。大半のDACやCDプレイヤーもケースの電磁波的問題を抱えている。それで致命傷を受けている事が少なくないのだ。
経験的に『EMC対策が良くできている』『測定的にもいい』かどうかを測定するまでもなく調べる方法がある。
天板解放。
『卍解』、と略した。
我輩が造った傑作用語である。オーディオ界の兵主部一兵衛である。
で、ほとんどのデジタル機器は卍解で劇的に音が良くなる。ほぼ全て良くなる。日本の大手メーカーで開発しているそこの貴方、身に染みているでしょう?
以下ちょっと蛇足
そしてそれは反射によるもの、と思っていた。間違ってはないのだろう。だがどうやらそれだけでは全くないようだ。
例えば逢瀬のDAC。中の人はEMC畑なのだが、卍解しても全く良くならなかった。初めての経験である。そして面白いのがplayback audioだとMPD5は卍解で劇的に良くなる(てか卍解しないと歪みで我輩の脳は炸裂する)のだがMPD8は変わらない。恐らく制作者の高周波的な実装技術が向上したのだろう。偉いぞコッチ。
つまり『反射、アンテナ、グラウンドループ』など色々な事が起きているわけだ。Chord DAVEなどはそれで凄まじいノイズが筐体内が吹きすさび(中の人もそう言っている)測定上も聴感的にもノイズが強烈。なのでノイズフィルターが内蔵されているしケーブルにもノイズフィルターつけたほうがいい、と中の人が掲示板で言っている。小さいケースは余程上手く造らないと難しいってはっきりわかんだね。
と言うわけでまともな設計でまともに測定された確りしたケースを使いましょう。振動とか考慮するとabeeか汐見しか考えられない。
これは信頼のabee。アルミ率が高く爽やかな音
汐見板金。非常に強固な作りである。鋼による補強があり、しっかりとした音。
まあそれでも卍解は効きますがね。
事程作用にケースは難しい。ならば一番の安牌は『まな板』であろう。
『絶対防御』『何も与えず何も受けない』というEMC的にはあり得ないが、実際音は良い。無論オーディオ機器が近いとよろしくないのだろうが『中で色々やらかす』よりは遥かにマシなのだ。あと幾らでもデカイヒートシンクが使え、無音での冷却には圧倒的有利。魔改造やパーツのアクセスが楽。
上記のいずれも外れはない。
なおケースに関しては既製の?メーカー品オーディオPCだと吉田苑が取り扱っている『ESPRESSIVO』というPCは『ヤバイケースの音』がせず良くできていると思う。Roon再生に於いてはグラフィックボードの力が圧倒的過ぎてメーカー品は物量をかけた自作には勝てないが、Roonを使わないなら大変良いと思う。
“PCケースの話(DACも)” への10件のフィードバック
度々の質問申し訳ございません。Daveに有効なケーブルにつけるノイズフィルターのお勧めなどございますか?
内蔵のフィルターは大きく音数を削るので痛し痒しなんですよね。ですので高性能な物理的フィルターを使うのは非常にありなのではないかなと思います。(究極はコンデンサも…となるかもしれませんがまずはチョークでしょう)
設計者は『フェライトコア』と言っておりました。
フェライトコアと言っても二種類ありまして、マンガン系フェライトとニッケル系フェライトに分けられます。
マンガン系は低周波から数百KHz、ニッケル系は遥かに上の帯域を削ります
そして博士はそれに言及していない…
マンガン系フェライトはある意味おすすめしません
というのもファインメットが特性的にも聴感的にも上位互換です。あるいは測定例はなく、また具体的な内容は明らかにされてませんが確実にマンガン/ファインメットより高周波狙いのアモルメットもあります(これも周波数違いで二種類あります)
結論から言うとまずはアモルメット二種類とファインメットを全て試すべきです、がファインメットはFT-3KM シリーズがお勧めです。周波数がブロードで聴感的にも音は良いです
実際高周波のノイズは下まで降りてくるのでどの帯域が必要かは難しいのでやるしかありません
なおこの手のコアはゆるゆるに嵌めると大抵音に大きな癖が載ります
ノイズ発生するからです
何らかの形で固定することをお勧めします
なおアモルメットの完成品の延長アダプターみたいなのはお勧めしません、ロジウム臭くて私は厳しいです
それと複数種類使うと癖が均される傾向にあります。アモルメットは賢いです。
それとコアにターンすることで大幅にノイズをカット可能です。が、まずは緩すぎないコアを固定することから試して頂ければ、と。
いつも有益な記事ありがとうございます
いつも楽しみにしています。
自分は秋葉原の某PCショップのオーディオPCを使用しているのですが、筐体もCanari薄くグルマンさんが言及されているPCにビンゴなのであれば、組み立て経験もなく知識も乏しいのですが最新記事をしっかり読み込んで新しく組み立てにチャレンジしたいと思います。私の進む道は伸びしろがありそうでしょうか?
かなりボヤけて所が解像度が相当上がってしまいました笑
はい、買ったので間違いありません
と言いますか買わないと此処まで言い切れません
『これは随分と宜しくない』と思って3日で手離しましたが、比較的最近になって『ケースの誘導ノイズが云々』というかなり頑張ったレポート(PDFの奴ですね)があり『なるほどな』と。まあその方はオーディオ狂ではないようで聴感的には良くわからなかったようですが…なお蓋を開けるとましになります
ただ、伸び代は数百倍はあるでしょう
何故ならその時のベンチマークである私のPCは今のものに比べれば形容しがたい程劣るからです。
やはり、そうでしたか笑
自分レベルだとこの先の道を進むのは躊躇もありますが、伸びしろ数百倍と聞かされてしまってはワクワクしかないですね。バッチリ引導渡していただき、ありがとうございます!笑
グルマンさんの経験的には、Streacomのケースはどんな印象ですか?
自分はファンレスで見た目がオーディオっぽいという理由でFC9 alphaを使っているのですが、どうなんだろうなと思いまして。
ちなみに卍解は効きます。
ここのいわゆるまな板は非常に音響的構造が良くできた物であり最高です。
なのですがFC9は普通に使うとよろしくない。
https://nobody-audio.com/posts/topics7.html
ここに凄まじく頑張っていらっしゃるレビューがありますが良くわかります。
これは卍解が最低限のケースでしょう。
(canarino持ってたので)
まな板仕様や卍解PCにもQAAシートが超絶効きそうな気がしてるのですが実際には環境に依るケースバイケースの一長一短で万人に手放しではオススメ出来ない感じですか?
『まな板』、もしくはケースをそもそも使わないという選択をした場合埃が気になると思うのですが、埃対策はどのようにしてますか?
…そのような心配をしたことがございません。
魔界の魔界たる由縁でしょうか?
むしろファンが無い分いわゆる普通のPCより埃が気になりません。ただの板、ですからね