インコネ編ですな
結論として最高のインコネは自作は難しいです。電ケーやスピーカーは論理で『神のケーブル』が造れなくもないですが、インコネはちょっと。
これは全く論理が通じません。というか悪手はありますが、妙手がない。実は最も混沌としたケーブル界最大の魔界です。
例えばスピーカーケーブルは『全帯域インピーダンスを下げる』『無論可聴帯域をある程度超えてフラット』を得るためになかなか大変な構造が必要です
インコネは普通に造ったらフラットなんですよ。だから表皮効果の影響が出るほど太い線とか錫メッキとか使わなければ測定的には何も問題はない。しかし測定で問題がないその先が問題です。
なので測定的な論理より振動などのオーディオ的な思考とかが物を言うし、更には『えっ…これ大丈夫なの?』みたいなやり方が功を奏すこともある。
逆に言えば『この構造なら鉄板!』というのもございません。スピーカーケーブルの記事で登場したケーブルの大家、根岸邦夫氏もスピーカーケーブルは凝った構造でしたし値段に比して遥かに良くできていた。しかしインコネは実に凡庸なつまらんコンストラクションです。ツイストしてシールドしただけ。理詰めではそれしか造れない、そこで止まってしまうわけです。他のケーブルとの優位性を示せないわけですね。
さらにスピーカーケーブル以上に『ケースバイケース』です。何故ならインピーダンスも機器によってべらぼうに違うからなんですね。結果的に電流も違う。無論パワーのゲインなども絡み電圧もプリとパワーの前後でかなり変わります。
あなたが化石のような600Ω入力の機器を使ってるなら別ですが、DAC→preは比較的安定した環境であり優秀なケーブルはその実力を遺憾無く発揮しますし、設計者の意図に近い音になるでしょう。
ですがpre(ボリューム)→パワーはその限りではありませんな。 特にニアフィールドだったり、高能率スピーカーだと別世界。
まあ我輩がその条件に当てはまるわけですが、こんな事例を…
例えば此処に沢山のMITのインコネがあるとするじゃろ?MAGNUM、oracleから最新のREV 2020 matrixまであるとする。ゲンさんやモガミなどの安価だが名を馳せた猛者、high fidelity cables professionalなど各方面からの錚々たる顔触れじゃな。
これらはDAC→Preではそれぞれ素晴らしい働きをする。
モガミは少し荒さは有るが確かに安心の音のまとまりでスタンダードだし、ゲンさんはその上位互換的な能力のニュートラルさ。
high fidelity cablesは相変わらずワケわからない程の奥行きと隔絶した歪みの低さだし、MITは非常に立体感などがあり各帯域も実在感があり『科学』を感じる。oracleよりMatrix HD REV2020の方が実は圧倒的に立体的である。科学は進歩する。昔の最高級より今の中堅である。MITは最新こそ最善。
が、我が魔界のpre→powerだとコイツら全員ゴミになる。高能率(110dB近い)過ぎて電圧がめちゃくちゃ低いからでしょうね。
high fidelity cables professionalはむしろこの状況では能力はあまり落ちず流石である。磁力による電流の集中の力であろうか?それとも振動を制圧しているからか?
だがこの環境でそれをも上回る超越者がいる。一瞬で売り切れたあの伝説のヴィンテージワイヤーfrom ウクライナ0.2mmを使ったケーブルである。所有者特権でインコネを造ったのだ。もったいない!
全ての能力が上回る中で特に情報量が桁が幾つか違う。恐らくこれにこの低電圧低電流の条件で勝つケーブルは地上にないと思われる。やはり細く余計な被服も無いため振動的に優位であることが大きい。
が、これを大電圧部分に使うとさっきの軍団にボコボコにされるわけですな。これで推察出来るのは『インコネも導体の太さに部分によって最適解がある』『細くて良いなら細い方がいい』という所であろうか?
だがそんな高能率スピーカーをお使いの方はほとんど居ないでしょう。『事程左様にインコネは一筋縄では行かない』とお考えください。