大電流時ケーブル研究1 Luna cables


NBS BL2の代わりに色々なケーブルを試す企画である。取り敢えず一号はこのluna cables orange。

カナダのメーカーだが、ヴィンテージワイヤーフォロワーだ。ヴィンテージワイヤー仕様のワイヤーを古い機械を使い造りもすれば、物によっては本当にヴィンテージワイヤーを使う事もある。

ヴィンテージワイヤーといっても色々だ。死ぬほど使ったからわかるけど、取り敢えず『western electric』と言うやつはニワカである。むしろ我輩は基本的に避ける。たまに当たりはあるけれど全体数からするとあまりにもレア過ぎる。

で、Luna cablesだが『錫メッキマルチストランドでリッツ的な効果を狙い』『天然ゴムの絶縁体で振動を抑え』『基本的に綿を重要視している』ようだ。

3つ目はわかる。繊維では断トツで綿が安牌。静電気が絹より少ないとかが理由なのか、癖が圧倒的に少ない。余程特別な場合は絹も悪くないけど、余程の場合である。次点で麻も素晴らしい。19364の魔法の一つだろう。


さて、以前このケーブルを試した際にあまり良い評価をしなかった。

癖はない。実に自然で纏まりがありこれは確かによくできている。音楽的だ。eilexが輸入しそうなサウンド。

だがウルトラハイというかアンビエントが刈り取られている。錫メッキはそもそもそういうものだ(しかし錫メッキの癖は無いことには驚く、ヴィンテージワイヤーで錫メッキマルチストランドは全く現代的な要求には到底答えられない)。19364よりどうかすれば上質になり得る雰囲気はするがやはり『完全の相似形』の壁は厚かった。

しかし超大電流部分に使うと何か見えるかも知れない。

しかし燃え上がる綿被服とか厭だなあ。

恐る恐る挿した。様子を見る。太いケーブルが暖かい。40度ちょいは少なくとも感覚的にある。調べるとこいつこんなに太いのに2スケしかねえ。なお上位のmauveは3.4スケ位のようだ。

しかし相手が大電流に特化したBL2である。まあホントに大電流を流すと燃えるんだがね。BL2は8A程度までなら完全の相似形19364に勝てない。

しかしRCS程だとかなり微妙になる。なお導体の断面積はBL2と同じ。なぜだろう?

間違いがなく『振動』であろう。大電流の振動にやられておるのだ。大電流ほどマルチストランドはよろしくない。ガチッた単線が有利だ。しかも柔らかい部分で固い単線の弱点である機器への振動をカットするというかないまるタップもどきの構造である。


ではluna cablesは?

悪くないのである。超低音こそBL2には及ばぬがとてもまとまっている。自然さは上回り(まさにオーガニック)、基礎性能は互角。これは大電流には強い。19364は濁り滲み歪むのだ。奇しくも同じ2スケ同士なのだが。やはり綿と

比較がBL2なのもあるがそんなにアンビエントも気にならない。普通のマルチストランドで断面積が太いケーブルではこの域には達しない。普通のマルチストランドは内部の線の振動が抑えられない。円筒形なら強いやも知れぬ。

Luna cablesは振動の影響を絶対殺す漆黒の強い意志を感じるのである。

絶対殺すマン

まだまだ山程試すつもりだが、このorangeが強いという結果なら上位のmauveの導入も考える。それならまあ燃えはしないだろう。


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