まず論理から。
KHzオーダーとMHzオーダーとで世界が変わります。反射と共振が支配する別の世界です。インピーダンスマッチングの世界ですな。スピーカーケーブルも高域(可聴帯域を少し超えたあたり)ではインピーダンスマッチングはあるそうで、特性インピーダンスが高いと波形うねるそうです。
さて、周波数的にとりわけ低いのはSPDIF/AES。
そしてUSBやlanは場合によってはGHzオーダーです
ケーブル各論に移る前にこれから釘を刺しておきます
『論理的には外部導体たるUSB/LANケーブルは送る信号が早ければ早いほど不利』です
USBなら2→3、LANなら100Mbps→1Gbpsとかになるとノイズ耐性、ジッター耐性は減ります。音質的にも明らかに100Mbpsがいい。まあノイズで歪み、それが輪郭を作ることで良く感じる向きも居そうですが本質的には百害あって一利なしです。究極は4芯のケーブルを使って強制的に100Mbpsにしましょう。
- SPDIF
- USB
- 10MHz~のクロックケーブル
- LAN
- その他
に大別されますな。音質的にはクロックケーブルが最も影響力が大きい。キャラクターではなく『正解不正解の世界』を感じます。そしてクロックケーブルが断トツで『オーディオの論理の外』。値段は元より『オーディオの経験』が全く通用しません。
裏を返せば他のケーブルは…LANやUSBであっても相当『オーディオの論理』が通用します。そう『振動の支配する世界』です。クロックより遥かに高周波なのにね。クロックケーブルは心臓部であり修正不能かつウルトラ繊細なので(僅かな低位相ノイズでもダメ)訳が違います。
では簡単なので敢えてクロックケーブルから。
50Ωでは元々メーカーがない。もう買うべきなのは2種類しかない。SAEC DIG-T50かサイバーシャフト セミリジッドケーブル2です
セミリジッド1より2のほうが全然音が良いです。最も多分中の人はそこまで聴き込んでない気がしなくもない。
音からすると柔らか外皮がダンプしてくれてるんでしょうね。ピーキーさが無くなり明らかに自然ですな。クロックケーブルもある程度は『振動に支配されてる』事がわかります。
しかし特にセミリジッドケーブル、オーディオの論理では音がいいわけがない。SPDIFやUSBやLANなら酷い音になる構造です。キンキンで聴いてられないでしょう。これで『完璧な音』になるのだからクロックケーブルは論理の世界。
この二つの選択は『クロックが相当に高精度ならサイバーシャフト、中程度ならどちらでも』ですかね。saecはsaecらしい物腰柔らかなサウンド。サイバーシャフトはよりピントが合いますがどちかが良いかはシステム次第でしょう。
あとは75Ωですかね
NORDOSTとかも選択肢に入りますが所詮コルデル線に編組の同軸ケーブルでありRG62スペ周波数特性は良くない(RG402、つまりサイバーシャフトより悪い)。伝搬速度(位相速度)は空気絶縁なので速いのですがそれと周波数特性は別物。
クロックケーブルは周波数特性と各パーツ、ケーブル処理のインピーダンスマッチングが生命なのでオーディオケーブルより純然たる高周波ケーブルがいいでしょう。(というか外注のただのコルデル線であの値段は何なんだ…)
75Ωと言うことはmutecの可能性が高いですが、矩形波伝送です。矩形波は高次の高調波を含むのでケーブルの周波数特性には余裕があった方が良さそう。つまりはサイバーシャフトで良いのではないでしょうか?
Q.サイバーシャフトじゃつまらん、もっと良いケーブルは無いの?
A. 特性的には上には上がいる。が、これ以上となると今度はBNC端子という物が壁となる。周波数特性は良くなく、精々数GHzが限界。なのでこれで限界。
“デジタル系ケーブル徒然 1” への12件のフィードバック
リクエストにお答えいただきどうもありがとうございます!
名だたるオーディオケーブルメーカーのクロックケーブルはゴニョゴニョということですかw
論外ですね
abendrotもヤバかった
癖の塊
Brise Audioは試されたことはありますか?
聴いたことがない…のですよね
色々巻き巻きされている構造と半導電層(カーボン…グラフェンとかCNTとか)はケーブルやヒューズにおいてSNは良くなった感じがするものの音数は減り(誘電率がヤバい)なかなか腰が重いのですよね
最も聴いてみないと全くわかりません
この魔物に貸してくれるかな?
メーカーが貸し出しはやってたはずです。
ちなみに数年前にオーディオメーカーからの貸し出し品の転売を繰り返していた常習犯が逮捕されましたが、直接の逮捕容疑はBriseのケーブルの貸し出し品を転売した容疑でした。
うわあ…恐ろしい話だ…
『お前あのグルマンだな?絶対貸さねえ!』
とかならないことを祈る
クロックケーブルの長さはどのくらいが適切でしょうか?
サイバーシャフトのクロック使用でサイバーシャフトのリジッドケーブルである限りは1m程度まではほとんど問題を感じません。30cmのアドバンテージもない。見事です
しかし矩形波クロックは非常に高周波も含まれるのでケーブルの長さや質に酷く影響を受けるでしょう。
ご回答ありがとうございます!
参考にします。
2年前ぐらいにテイシン電器のBNCが良かったと仰ってましたが今の評価では微妙なのでしょうか?
あの後、cybershaftからセミリジッドがリニューアルされました。被服がついたことにより共振が抑えられ、完全無欠のクロックケーブルとなってしまい、テイシンは落ちてしまいました。
回答ありがとうございます。
サイバーシャフトのセミリジットにします。