過渡特性…と云うけれど難しい話です。
私はスピードをどうも聴感的に重要視するようなのです。なおスピードがさして早くもないスピーカーでも好きなものは山程ありますがね?過渡特性はミクロ単位とマクロ単位の双方があり測定で測れる代物ととても測れぬ代物があります。
今回はマクロな話から。
これはとりもなおさずスピーカーが最大の律速因子です。アンプやDACなんてスピーカーの前には無に等しい。そして昔から…半世紀前とかの話ですが、デジタル誕生前はクラシックのモニターでは相当重要視されてました。(QUAD ESLがとにかく強い)
問題が過渡特性をどう測り、聴感的になにを重要視するか?意外に難しいのですな。ステップ応答やCSDなど色々な考え方がありますが…
オーディオファイルとしての経験則からは聴感的に速いスピーカーはステップ応答が良好です。ですがステップ応答が良いから速いとはいえない。
諸君らの愛してくれたダンレビは死んだ…何故だ!それはステップ応答良くても音が良くなかったからだ!
またパワードにはKefやDynaudioなどDSPでステップ応答を完全にしてあるものもありますが、あれがMangeやQuadのような速度かというと全然違う。やはり『参考程度』と思われる。
CSDは速度というよりもっとおおつかみな『癖』的な部分にに聴感的な相関を感じます、ってまあ周波数毎に見るものですし当然ではありますが。
では聴感的に速い&現役の連中のデータを幾つか挙げましょう。瞬殺スピーカー列伝常連ですな()
1.Quad 2805
速い。
変なアンプ並みに矩形波も速いという怪物
2.manger
もっと速い。聴感的にも更に速い。我輩の中ではこれが最速かな。なお最も壊れる。置いとくだけで壊れるのはこれだけ。
3.YG
これらには明らかに及ばないが、普通のマルチウェイピストニックモーションスピーカーとしては最速だろう
聴感的にも速いだけありデータも速い。
載せてないがCSD(ウォーターフォール)が凄まじく、低音がクリアな事は一目瞭然。
別枠 voxativ
インパルスのようなステップ応答。なお完成品を普通に使うとCSDのデータ通りに何か低音の立ち下がりに微妙な帯域が残り、また筐体の振動の影響もある。そしてそれらもあり結果として高音域の歪みに繋がるので激しい工夫と魔改造をお勧めする。お勧めするっていったってAmpessio持ってるの誰かいるのだろうか?
“スピード1” への28件のフィードバック
スピノラマスコアが良くて過渡特性が良くて壊れにくい理想のスピーカーがあれば‥(そんな物は無い。)
改めて死ぬほど調べましたがそんなものはないw
グルマンさんこんばんは
自分も過渡特性というかスピードを聴感上重視している感じです。
良いと思ったSPは概ね同じ傾向です。
Quad,Manger良いですね~。
今はSuparaの励磁。
コイツは後面開放もあって速い。
ハイエンド系で最も好みなのは実はYGというのも、やはり過渡特性に優れいているから?
いや、立下りに少々不満ありますが。
Ampeggio、良いですね~。
Voxcativの過渡特性の良さは初めて聴いた時ブッたまげました。
Voxativも励磁で最速を目指します。
ウルトラじゃじゃ馬らしいです。
やはりスピード狂でいらっしゃる
なおsupravoxはめちゃくちゃ早いです
step responseでは最速の一つです
励磁型voxativは少なくとも日本唯一、下手するとアジアで唯一?の可能性すらあります
どうなっていくのかめちゃくちゃ気になります。
ちなみにvoxativは私はあらゆる意味で徹底的にフローティングしてます。兎に角振動による歪みなどに尋常ではないほど影響を受けます。もしかするとMGESの下を何らかのフローティングするという天に唾するような逆転の発想も試す価値はある…かもしれません
スピード一辺倒というわけでは無いと思いますが、自分が演奏する時と比較して、「らしく聴こえる」となると、今の組み合わせになってきました…
voxativは更に速くてビビりました。
MGESのフローティング!
とはちょっと考えが及びませんでした。
振動による歪については工房主も言及していたので相談してみます。
現在、エンクロージャーを削り出している段階と思います。
未だ最低2年はかかりそうです。
(発注して数年経過しました…)
いつも勉強になる記事をありがとうございます。
リボン型のアポジーやジャーマンフィジックスのDDDのスピードは聴感上や測定上、いかがでしょうか?
apopeeは測定上ではやはり非常に早いです
しかしアンプが超低インピーダンス駆動…ようは大規模電源でないと動かないので大変ですね。
聴感的には早いのですが大きな振動板は比較的素材の音を出しやすくちょっとアルミ感がするのが欠点も素晴らしいスピーカーです
DDDは測定値が見つかりませんーー
が原理的に遅かろうはずもなく、聴感的にも早いです。
が、やはりウーハーとなかなか合わないので(というかメーカーのウーハー設計力がいまいち)大抵の完成品が低音の遅さに引き摺られ速さを体感出来ません。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
自分が投稿したコメントが何に対してコメントしたのかを忘れてしまい、コメントが埋まっていました。
MFBウーハーやGOTOコンクリートホーンなど特殊なモノも聴かせてもらい感心しましたが、同じ方向のハイトランジェントで、小音量も良いというSPとして、現在アポジー(ステージ)+DDD(トロバドール)を使用しています。
アポジー(ステージ)はコンデンサーSPの次に繊細な音がすますが、経年劣化もありそうですが、ご指摘の通り、アルミの柔らかく輝かしいアルミの音色が覆い尽くします。150Hz以下で使用する分にはほとんど感じられず、素晴らしい低音が出ていると感ていじます。速いので量感はないですが、超低音までの厚みと力があります。
素晴らしい、あなたのようなオーディオファイルはもう絶滅したものかと
良いですね、GOTOやALE、linear technologyのユニットは素晴らしいです。しかしホーンそのものの問題や厳密な位置合わせが極めて難しくその素晴らしい素材を生かすことが無理難題ではあるのですが…
なんとapogeeとDDDを!!
なるほどapogeeならばDDDの速度に付いてこれそうです…これは晴天の霹靂!超低音はサブウーファーに任せるなどすればこれはとてつもない可能性が…いや、参りました
アポジー、DDD路線とは別に、マトリックス801も残して現在まで使用しています。バランスが良くて、小音量が良い感じがします。
N800シリーズ以降は小音量、ニアフィールドには向かないような気がしていますが、いかがでしょうか?
おっしゃる通りで測定的にもマトリックスの方が実は良いです。結果的に使いやすく癖も出にくくとても良くできています。ツイーターとミッドの口径の比率が良いのです。
更に海外のクラシック専門スタジオでもマトリックスはかなり現役ですし。まさに大きな部屋で大音量ではN以降は有利で中規模以下ではマトリックスを強く推します。
お返事、ありがとうございます。
DDDはJBLやTAD、Diatoneなど有名なウーハーと片っ端から組み合わせましたが、速度感のない量感を感じさせるだけのウーハーは全て駄目でした。
自宅で相性がよかったのは12cmフルレンジでしたが、ローエンドが物足りないので、アポジーに行き着きました。
最初はクロス周波数が適切でなかったりでおかしな音で諦めましたが、いまは嘘のように繋がっています。部屋の力を借りてですが、測定上は25Hzあたりからフラットです。
アポジーは1Ωまで下がる大型機もありましたが、カリパーでかなり楽になり、ステージは3Ωなので大抵のアンプで駆動可能です。
アポジーは某評論家先生の影響で「蜃気楼のような弱々しい音」というイメージですが、私の印象は違って、付帯音のない軽くて力強い低音が魅力的です。
素晴らしい、こんなオーディオファイルが現存していることに喜びを感じます
確かにそこら辺のウーハーは重めでDDDとは厳しそうです。事実ジャーマンの完成品は悉く繋がりが悪い。
ALTEC416や或いは励磁型ウーハーで行けるかどうか?
しかし晴天の霹靂の使い方で私もまだ頭が固いですな
マンションですので、2m以下の至近距離で、max75〜80dB、夜間は60dBで聴くこともたびたびですが、マトリックス801は楽器も減らずバランスも変わらず楽しめます。
マジコのS1、B&WのN801、802Dia、705なども使用しましたが、私感ですが3mくらい離れて、大音量で聴きたくなりフラストレーションが溜まりました。
やはりミッドレンジの口径は絶妙ですか!
繊維で分割振動前提の設計だとしても16cmは大きいですよね。
D3以降、灰色のコーンに変わってからはナチュラルになりましたが、16cmの黄色はセンターキャップを替えろだの問題がありそうで、妙に鮮やかな音ですよね?
また、箱も全て木製のほうが耳馴染みが良いのかもしれません。
M801のウーハーはPP製で重たいようですが、フラフラのエッジのお陰か、小音量再生に向いている感じがします。現在は部屋との絡みで密閉にして使っています。
実際ネットワークの設計やユニット口径など別物です。そして実はMシリーズも上位は非常にネットワークに金が掛かっています。そして相当しつけられています
ニアフィールドなどですとしつけられているスピーカーの方が有利で、裏を返せば大きな部屋で大きく鳴らすにはまた話が変わってきます。
論理的に言えばf特と軸外特性がMはかなり良いんです。
https://www.stereophile.com/content/bw-matrix-801-series-2-loudspeaker-measurements
相当良くできています。その後の何よりも。
家庭用及び中規模スタジオでは素晴らしいスピーカーです。
M801については情報がとても少ないのですが、こんな記事を見つけました。
http://blog.livedoor.jp/hinumachan/archives/50359578.html
間違えました。↓こちらです。
http://audiobird.blog.fc2.com/blog-entry-11.html?sp
ゾロ目の最上階で、1000万のジャーマンフィジックスのSPを聴いたことがあり、低音と中高音(DDD)が互いに主張しあって落ち着かないバランスでした。
DDDの大面積に合わせて、ALTEC416や励磁型のような大型ウーハーは確かに良さそうですね。
チタン膜のトロバドールは箱も振動膜も金属だからか、スタンドに敏感で、金属にすると極めてメタリックな音になり、なんの変哲もない木製が良かったです。
リボン型はツイーターに好んで使用されますが、むしろ中低音での方がアルミの癖がなく好ましく感じます。昔、63proを使用していたことがあり、弦やボーカルのデリケートな音は抜群でしたが、低音のDレンジに頭打ち感があり、ウーハーとしてはリボン型が良かったです。
うちのアポジー+DDDの音はマトリックス801と意外なほど似ているのですが、マトリックス801のウーハーをDDDと組み合わせるとおかしな感じになります。
このことから、おっしゃり通り、マトリックス801がバランス良くしつけられているかが分かりました。
資料をありがとうございます。マトリックス801S2
マトリックスはシステムとしての繋がりが良いのですね。
重複してすみません。
資料をありがとうございます。マトリックス801S2時代から特性は良かったのですね。
質問ついでにお伺いしますが、マトリックス801S3を基準とすると、802S3や805Vはどの程度の類似性がありますか?
ご存知でしたらぜひ教えてください。
大層古いので記憶の中でですが、そして805Vはあまり聴いていないのでM802S3ですが、当時の多くの環境…日本のオーディオ業界に音響の知見が乏しかったようで、801S3の条件が悪く…それはN801と802の関係もそうでしたが、制動が色々な意味で不足していた印象です。が、良いときは明らかに良かったです。具体的には空気感とリアリティーが違います。とはいえ振り返ればそもそもs3よりs2の方が鳴りづらかったので(補正回路が重い)今の基準なら801s3は大してなりづらいスピーカーでは全くありません。
詳しくありがとうございます。
M801S3は古いですね。久しぶりにウーハーのネットを外したところ、ウーハーの固定ネジが錆びていました。
2007年に中古を購入してから色んな部屋で聴きましたが、間違いなく現在の音が最も良いです。自然でパワフルです。M801S3でマイケルジャクソンやフォープレーが聴ける日がくるとは思ってもいませんでした。
ニアフィールドなので音が軟調なのは良いのですが、低音を締めたくて、単線を使ったり、推奨のサウンドアンカーを使ったり色々しましたが、ご指摘の通りやはり駆動系の影響が大きいように思います。
単線とスパイクはまさに『駆動か部屋に問題がある時に姑息的に使われてきた歴史』ですしそれでプラスに働く事はあります。事実先日懐石料理屋の音を手掛けた時にスパイクが覿面でした。ただM801の当時と違い駆動力が高くそれでいて質の高いclassDが安価に手に入るので良い時代になったものです。200V入力ならば明らかに当時のクレルやPASSより駆動力が高いのでお金が掛からない時代になってきました…
ほんとそれですね。
低音を締めよう(立ち下がりを改善しよう)として、スパイクや単線を使うと、狙った低音には効果があることもありますが、高音が硬く表情がなくなってしまいました。
昔のデジアンですが、かないまる氏設計の9100で駆動した時にはM801が嘘のように爽やかに新品のように鳴りました。
http://kanaimaru.com/9100info.htm
ペッタンペッタンした餅のような低音でしたが、制御は良く効いていました。
あと単線は太いとさらに厳しい感じがします。
長岡鉄男氏推奨のFケーブルとか、径が細い47Labのは今も使ったりしています。
スパイクも受け皿の金属の音が気になるので、使うとしても木に差してダンプ?して使っています。
訂正です。
長岡鉄男氏推奨のFケーブルとか、1.0mm以上あるような太い単線は厳しい感じがします。
径が細い47Labのは今も使ったりしています。
でした。
おっしゃる通りで、単線は太くなると『測定レベルで』ギリギリ可聴帯域レベルでの高域が下がります。いわんや聴感では尚更の影響でしょう。
理想は『綿あたりで絶縁された0.4~0.6mm程度の単線を10本超、かつ長さも全く揃えて』『纏めないでバラつくようにして使う』これが位相のモジュレーションもなく単線の良さのみを使い、超高域の情報量も圧倒的な方法です
やはりそうですか。
太い単線の音は無骨な感じがしました。
私も絶縁体は静電気の点から綿が良いと思っていましたが、細めの単線をパラるのは断面積と表面積を稼ぐためですか?
太さに着目したサイトもありますね。
https://gensans-cable.amebaownd.com/pages/2851497/concept
綿は絹より何より静電気も少なく特性がよく、聴感的にも癖がまるでありません
まさに断面積と表面積です
これがリッツ線のように纏めてしまうと実は高周波性能は一気に落ちます
そもそもリッツ線は高周波用途ではなくチョークやトランスの巻き線の熱を片寄りが出ないためのものですから
ゲンさんのケーブルはとても良く出来ていて一時期使っておりました
理には叶っておりケーブルの共振を散らして癖を無くす方向で市販ではフラットさとして相当良いケーブルです。その為エンジニア向けとしてかなり推奨出来ます