音が悪ければ嫌いになるだけで憎くはない。一番憎いのは『安価で音がやけに良いもの』『自分が持っているより下位なのにそっちのほうが音が良い』などですな。
オーディオ機器は技術の進歩があります。スピーカーに関しては本当に進歩しました。
そして『前に有ったら散財しなくて済んだのに!!』『こっち買っとけば良かった!』『これで良くない?』となる。そして憎しみが募り遂には鈍器で背後から凶行に及ぶわけです
オーディオ再興にはまずは『ほどほどの出費で大多数が満足するほどの音を手にする事』だと思うのです。然ればこそ、そこからのめり込みキチ○ェする奴も増えてくる。壺を置いたりね?
ですからこの『憎いスピーカー』は『買って欲しいスピーカー』でもあります。
今回はKEF LS50 meta
意外でありましょうな。
一言で言うとサウンドステージの怪物。
家電量販店で適当に置かれたこれを聴いてビックリした。いきなりセッティングがかなり出来ているような音場と音の交わりをしている。それなり以上にセッティング出来る段階にいないと凄みがわからないスピーカーかもしれない。
スピノラマという最近一部で流行ってるスピーカー評価指標があり、Kefはその指標(preference rate)では極めて高い数値を誇る。
(なお利害関係者が論文を書き、査読もないという意味でまだまだ科学とは言えぬが。)
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=16849
しかし色々とスピーカーを見聞きしてわかったことがこの指標自体は音の善し悪しとはあまり関係はない。この指標が高くて聴けたものでないスピーカーなどごまんとあるし、この切り口には歪みも過渡特性もない。軸外特性だの音響パワーだのはセッティングやルームチューニングの技術があれば無用の長物と言える。裏を返せば『ルームチューニングやセッティングに対する依存が少ない』ということだ。これは広く勧めるには素晴らしい。
蛇足
ちなみに歪みや過渡特性は良くてもこの指標が酷いスピーカーの代表はYG acousticsであろう。そしてそれが故にYG程方々で聴いて外れが多いスピーカーも無い(当たると凄いが)。TIASでも耳から血が出そうな荒さだったりする事もしばしば。なのでセッティングの自信がたり、室内音響にも堪能な人間以外YGは薦められない。さもなくばMAGICOのほうが良いと思うけどなあ…MAGICOはPRは大変優秀。
閑話休題
もちろんLS50metaもコストパフォーマンスやセッティングの容易さは驚異だが問題もあります。低音?そんなの見れば出るわけ無いじゃんね。 サブウーファー2台買いましょう。なおKEFよりELACを薦めたい。KEFはDSPの機能が酷すぎる。頭が良いのか悪いのかわからんメーカーである。サブウーファーはアメリカとドイツの2強。
欠点は色彩感に限界があること。
これは高調波の問題なのだろうか?指向性のコントロールのされ過ぎで初期反射が足りないのか?(B&Wとは真逆)それともネットワークの素子が安物だからか?全ての合算なのか?淡白である。これは『嫌な音を徹頭徹尾出しづらい美徳』でもあるが…
ネットワーク魔改造は面白そうだ。外部ネットワークにしてやりたい放題にすると良さそう。
あとは能率が低いことが欠点。音量の問題ではなく『鳴らしきる』のに大変だろう。
“憎いスピーカー列伝1 KEF LS50 meta” への3件のフィードバック
スピノラマスコアが最高のKEF LS60 Wirelessの評価はいかがでしょうか?
LS50よりは低音も出そうです。
音場という意味ではやはり優れてます
しかし歪みというか若干の質感の粗さがあるのですよね。スピーカー的な粗さではなくデジタルの問題の音の種類ですね、確実に。なのでLS50の方が…
ご返答ありがとうございます。
若干の質感の粗さはWireless由来でしょうか。
有線版LS60が出ればまた違うかもしれませんね。