SPECの音


specのインシュレーターを買ってみた。意外に買ったことがなかったが悪い予感はしない。このメーカーは絶対に嫌な音は出さず、暖かでマイルドだ。木を使ったからといってこうはならない。かなりの木材マスターなのではないかと睨んでいた。今は亡きバック工藝社、山本音響工芸に並ぶのではないかと密かな期待をしていたのだ。

ちなみにバック工藝社は恐ろしく馥郁たる音で開放的。やり過ぎな嫌いも無くはないが世界に類をみない構造であり芸術である。山本はもっと太く高密度な路線。

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このインシュレーターを見るときちんと木の成長方向に使用している。そうでなくては!

そして持った感じ、ほどほどの軽さである。先入観を得ないようこれを書きながら調べたが国産イタヤカエデのようだ。

試聴する使用箇所は…なんと『壺』ッッッ!!

まだインシュレーターを決めかねていたこと、何よりインシュレーターで『かなり変わる』からである。AVAAで電源の試聴をしていたように『コンポーネントでないとわからない』ようでは『コンポーネントでもあまりわかっていない』可能性が高い。

さて、音であるが…素晴らしい!!

期待どおりの音だ。期待どおりに結果を出してくれる物などほとんど無いので素晴らしい。

まずピークは微塵もない。かつハイスピードだ。これがロースピードというならハイスピードを恐らく履き違えている。無論木材に有りがちな茫洋としたり胡乱で締まりのない音にはならない。

スッキリしてごく僅かに木の薫りがする。これはイタヤカエデが優れているからだけではない。形状の詰め方の勝利だ。

物体は内部で振動が反射する。なので角があるとその癖も乗る。無論丸ければ良いなら苦労はしない。これは達人職人の世界である。

もちろんゲルという超兵器のような物ではないが『癖を出すこと無く若干響きと暖かみを補う』等の利用法としては相当ローリスク。


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